NTT(持ち株)は、2月14日に行なった和田紀夫社長による社長会見の要旨を公開した。和田社長は会見の席上で、次世代ネットワーク(NGN)フィールドトライアルの進捗状況や、Bフレッツ契約者数の見通しについて語った。
■ Bフレッツ契約者数の2006年度末目標達成は厳しいとの見解
Bフレッツ契約者数については、2006年度末には270万件の純増を見込んでいるものの、2007年1月末時点での純増数が213万件であることを明らかにしたうえで、「これまでの月別の純増数からみるとかなり厳しい」との見解を明らかにし、「NTT東西が春の商戦に向けて営業努力を加えたいとの事なので、達成できるよう期待をしている」とコメント。
また、Bフレッツの純増数の低下については、「これまで右肩上がりだったものが少しフラットになっているので、低下しているということではない」と説明。純増数の低下は、NTT東西の「ひかり電話」の不具合によるものではないか、という指摘に対しては「企業ユーザには元に戻して欲しいという要望もあったが、またひかり電話に戻る企業もある」と説明。「トラフィックが増加する正月明けやその後の3連休も問題なく乗り切っており、この点でもユーザーから信頼を置いて頂けたので、純増数低下の原因ということはない」とコメントした。
■ NGNトライアルの進捗状況や、FMCへの対応、NTTグループ再編について言及
NGNフィールドトライアルについては、12月に東京と大阪に開設したショールーム「NOTE」の見学者が約3,200名に達したほか、3月まで予約が一杯になっていると報告。また、一般ユーザーのトライアル参加申し込みも多数寄せられているという。また、NGNフィールドトライアルに参加する企業については、開始当初12社であったが2月14日現在では28社に拡大したと発表。新たに参加した企業として、沖電気、富士通、三菱電機、朝日放送、スクウェア・エニックス、TOHOシネマズ、USEN、IIJ、イー・アクセス、ケイ・オプティコム、KDDIなどを挙げた。
新たに参加した企業が提供するサービスについては、スクウェア・エニックスによる「ファイナル・ファンタジー」などのゲームの提供や、TOHOシネマズによる映画作品の提供などを予定しているという。フィールドトライアルへの参加企業は今後30社程度になる見通しで、NGNの商用化については「年内のトライアル終了後、速やかに実施したい」との展望を明らかにした。
総務省がFMC導入に向けて060番号の割り当てを検討している件について、固定電話網やIP電話網、携帯電話網で利用可能な端末を既存の企業向けに加えて、個人ユーザー向けにも展開する方針であることを明らかにした。また、複数の通信網を1ナンバーで利用可能となるサービスについても、060番号または090番号での提供が可能であると表明。サービスをタイムリーに展開できるよう準備を進めているとしている。
NTTグループの再編については、現在NTT西日本のオンデマンドTVを、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の傘下へと移行する計画があることを表明。NTTグループの上位レイヤーを全てNTT Comに移行し、2008年度を目途に開始される地上デジタル放送のIP再送信にあわせて、映像関連事業の一元化を図るとする今後の展開を明らかにした。
■ URL
NTT社長会見
http://www.ntt.co.jp/kaiken/index.html
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(大久保有規彦)
2007/02/16 12:20
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