シャープは、液晶テレビとパソコンを組み合わせた「インターネットAQUOS」の第2弾製品を3月下旬から順次発売する。オープンプライスで、店頭予想価格はパソコンと液晶テレビのセットモデルが27万円~45万円前後、パソコン部の単体が15万円~24万円前後になる見込み。
■ AQUOSとの連携を強化した第2弾新製品。パソコン部の単体販売も実施
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インターネットAQUOS第2弾製品。パソコン部3モデル、液晶ディスプレイ部3色3モデルの合計27通りから組み合わせを選択できる
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インターネットAQUOSは、液晶テレビ部とパソコンを組み合わせた製品。2006年4月に発表された第1弾製品では、液晶テレビ部とパソコン部のセット販売のみ行なわれていたが、第2弾製品では単体での購入にも対応。液晶テレビ部は、2月20日に発表された「AQUOS D10シリーズ」の32V/26V/20V型モデルが対応し、他のAQOUS製品も検証が終わり次第、対応製品として告知を行なっていくという。
また、テレビ番組の録画は、第1弾製品ではパソコン部のテレビチューナーで行なっていたが、第2弾製品ではテレビチューナーを省略。i.LINK経由でAQUOSから出力されたテレビ映像を、専用HDD「i.LINKデジタル録画ユニット」に録画する仕様へと変更された。これにより、AQUOSで直接視聴したテレビ映像と同等の画質で録画が可能になるほか、同社ではパソコン部にCPU負荷が発生しないため、録画中もスムーズなパソコン操作ができるとしている。また、パソコンの電源がオフの状態でも、i.LINKデジタル録画ユニットへの録画・再生操作は行なえるという。
テレビとパソコンの操作が可能なリモコンは、左クリック機能を持つタッチパッドを搭載したタイプへと刷新。表面ボタン数は、これまでの61個から38個へと削減され、録画・再生関連のボタンは下部カバーの中に収納された。また、発信信号は赤外線とRF無線のデュアル方式を採用し、テレビにリモコンを向けたパソコン操作が可能になったという。なお、リモコンに加えて、キーボードも従来通り付属している。
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パソコン部の外観は3タイプとも共通。リモコンに加え、キーボードも付属する
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液晶ディスプレイ部は2月20日発表された「AQUOS D10シリーズ」の32V/26V/20V型モデル。製品型番も同一
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タッチパッドを搭載した新リモコン。同部分を押し込むことで、左クリック操作が行なえる
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i.LINKデジタル録画ユニットはパソコン部に内蔵
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リモコン操作で録画予約やワンタッチ録画が行なえる
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タッチパッド概要
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PCメニューの概要と機能強化点
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リモコンの「PCメニュー」ボタンを押すことで、「おすすめチャンネル」や「ブロードバンド放送」、「ファイナンス」などカテゴリ別に分けられたPCメニューを表示。インターネット検索機能が新たに追加され、文字入力は携帯電話と同じ入力方法を採用した予測変換対応のシャープ独自システムを採用。なお、文字入力時は画面上に専用の文字入力エリアが表示される。
加えて、フォト機能も用意され、パソコンに保存した画像をスライドショー形式で閲覧できる。また、フォルダ単位での管理にも対応するほか、PCメニューでのWeb閲覧時と合わせて印刷機能も用意している。
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PCメニュー
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カテゴリごとにサービスが分類されている
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はてなやWikipediaなどのサービスもプリセット済み
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文字入力の際は画面右下に文字入力エリアを表示。変換候補が入力フォーム下に表示される
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PCメニューの検索機能はYahoo!検索に対応している
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パソコン部の主な仕様
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パソコン部は、OSにWindows Vista Home Basicを採用した「PC-AX120S(Xタイプ)」「PC-AX80S(Hタイプ)」「PC-AX60S(Sタイプ)」の合計3モデルを用意。最上位モデルとなるXタイプは、i.LINKデジタル録画ユニット容量が400GB、パソコン用HDD容量が250GBで、CPUがCore 2 Duo T5500(1.66GHz)、メモリが1GB、Office Personal 2007などを搭載する。
HおよびSタイプは、HタイプがOffice Personal 2007を搭載する点以外は同一の仕様で、i.LINKデジタル録画ユニット容量が250GB、パソコン用HDDが80GB、CPUがCeleron M 410(1.46GHz)、メモリが512MB。
このほか、3モデルともにネットワークインターフェイスは、10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T×1ポートを搭載。なお、製品にはDLNA対応のホームネットワークソフト「AV Library」がプリインストールされているが、パソコン部とi.LINKデジタル録画ユニットは別管理となるため、録画した番組のネットワーク連携はできない。
価格はオープンプライスで、店頭予想価格はXタイプが24万円前後、Hタイプが17万円前後、Sタイプが15万円前後になる見込み。また、AQUOS D10シリーズはブラック/ホワイト/レッド系の3カラーを用意し、店頭予想価格は32V型は21万円前後、26V型が17万円前後、20V型が12万円前後。シャープでは、パソコン部が3モデル、液晶テレビ部が3カラー3モデルと合計27通りからインターネットAQUOSを選択できるとしている。
■ パソコンの自由度をテレビに取り込んだインターネットAQUOS第2弾製品
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シャープの大畠氏
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シャープの情報通信事業本部 本部長の大畠昌巳氏は、「第1弾製品の発売から10カ月経ち、ファミリー層やパーソナルユース層など幅広い層の支持を得て、順調に売上を伸ばしている」と発言。「発売当初はテレビ売り場コーナーを中心とした展開で、通常の液晶テレビと価格面の開きがあり苦戦したが、パソコン売り場での展開も進めたことで2006年末にかけて販売が伸びた」という。
大畠氏は「2007年に入ってから、テレビでインターネットを楽しむ“パソコンテレビ”が各社から発売されており、この分野における伸びが期待できる」と述べる。その上で、インターネットAQUOSの新製品では、第1弾製品を購入したユーザーから得られたアンケート結果をもとに、「テレビらしい高画質や操作性に加え、インターネット利用時の検索性を強化した」と語り、録画方法の変更やリモコンの強化、PCメニューにおける検索機能追加などの経緯を明かした。
一方、テレビ番組の録画ではi.LINK接続したAQUOSからの映像を録画する形式となったため、AQUOS側が搭載するチューナー数によって、テレビ視聴と録画が排他利用になる場合がある。AQUOS D10シリーズは地上/BS/110度CSデジタルチューナ×1と地上アナログチューナー×1の構成で、同一放送波の録画と視聴はできない。
同社によれば、今回は3月から4月の新生活シーズンに合わせてパーソナルユース層に向けたAQUOS D10シリーズとのセット展開を決定したという。このため、ダブルチューナー搭載モデルなどとの動作検証も随時行なって、対応するAQUOSを追加していきたい考えを示した。
また、シャープはテレビ向けポータルサービス「アクトビラ」を展開するテレビポータルサービスに出資しているが、インターネットAQUOSではAQUOS D10シリーズを含めて、アクトビラの利用には対応していない。この点に関して、大畠氏は「インターネットAQUOSではパソコンが持つWebブラウザを利用したインターネットが楽しめる」とコメント。「プラグインや独自のアプリケーションなども自由自在に利用が可能」と付け加え、「パソコンの自由度をテレビに入れたと考えて欲しい」と説明した。
製品展開は原則として、液晶テレビとパソコン部を組み合わせたセット販売を予定。ただし、「パソコン売り場ではセット、テレビ売り場ではセットおよび単体販売と、ユーザーニーズに合わせた展開をしていきたい」と柔軟に対応する方針を示した。なお、2007年度の売上台数目標は20万台を見込んでいるという。
■ URL
ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/070228-a.html
関連記事:シャープ、32型フルHDなど3色展開の「AQUOS Dシリーズ」[AV Watch]
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070220/sharp3.htm
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(村松健至)
2007/02/28 17:12
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