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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
三洋、H.264対応の新XactiとWebコミュニティの連動による「Xacti 2.0」

「Xacti」シリーズの最新機種「DMX-CG65」

会場に展示されたDMX-CG65
 三洋電機は、同社のムービーカメラ「Xacti」シリーズ最新機種を中心に展開するプロジェクト「Xacti 2.0」を発表した。H.264(MPEG-4 AVC)での動画撮影が可能な新機種「DMX-CG65」を4月下旬に発売するほか、Webコミュニティとの連動を図っていく。DMX-CG65はオープンプライスで、店頭想定価格は5万円前後。

 DMX-CG65は、動画撮影フォーマットにISOが定める世界標準のH.264を採用したXacti新モデル。高画質を維持しながら圧縮率の高い撮影が可能であり、ホームページやブログ、動画共有サイトでの利用がさらに快適になるという。

 前モデルの「DMX-CG6」と比較すると、新開発の映像処理LSI「ピュアフォースエンジンIII」を搭載し、動画の撮影フォーマットがMPEG-4からH.264(MPEG-4 AVC)に変更された以外の機能はほぼ同一。CCDは有効画素数約600万画素(総画素数約637万画素)の1/2.5型で、レンズは35mm換算焦点距離38~190mm、F6.3~31.7mmの光学5倍ズームを搭載する。

 記録メディアはSDメモリーカードで、8GBのSDHCにも対応。約18MBのメモリも内蔵する。撮影できる画像サイズは最大3,680×2,760ピクセルで、16:9で最大2,816×1,584ピクセルでも撮影できる。

 動画のファイル形式はMP4で、音声は48kHzサンプリングの16bit AACで圧縮。最大640×320ピクセル(VGGA)・30fpsでの撮影が可能で、4GBのSDカードであれば2時間45分まで録画できる。

 静止画、動画ともに手ぶれ補正機能を搭載。静止画はデジタル信号処理式、動画は電子式で手ぶれを補正する。ISOはオート設定時が50~400、マニュアル設定時が50~1,600。

 モニターは2.5型のTFTカラー液晶を搭載。音声録音用にステレオマイクも内蔵するが、スピーカーはL+Rch混合出力のモノラル。インターフェイスはAV出力、AV出力兼用ヘッドフォン端子、Hi-Speed対応のUSB 2.0ポート。

 本体サイズは67.7×34.5×100.3mm(幅×奥行×高)、重量は約150g(本体のみ)。電源は720mhのリチウムイオン電池で、静止画は約155枚(CIPA規格準拠)、連続約70分の動画撮影、連続約200分の動画再生が可能。

 DIカンパニー IDシステムビジネスユニット 企画部の豊田秀樹部長は、Xactiが利用者アンケートのデータを紹介。動画の利用場面は日常やレジャー、旅行などが多く、1回あたりの撮影時間も30分以内が半数を占めることから「Xactiはスナップ感覚で日常使い」と説明。また、インターネット上でも動画配信の環境が進み、ビデオカメラの市場でもテープメディアの終焉とともにシリコンメディアが今後は大きく伸びるとし、Xactiへの期待を示した。


日常シーンにおいてスナップ感覚で使われるXacti ビデオカメラのメディア予測。シリコンメディアは立ち上がりが遅いものの今後は大きな伸びが期待できるという

DMX-CG65 ボタン操作部

撮影イメージ 正面

Xactiが消費者を発信者へ変える

左からシックス・アパートの関信浩代表取締役、エムログの大石哲司取締役、三洋の豊田秀樹部長、ボイスバンクの木ノ川義英代表取締役、SEEBOXの飯島勵代表取締役
 DMX-CG65の発表に合わせて展開する「Xacti 2.0」プロジェクトでは、SEEBOX、エムログ、ボイスバンク、シックス・アパートと協力したWebコミュニティでのプロモーションを展開。三洋の国内営業統括本部の原貴志氏は、「Xactiの可能性はWebコミュニティとつながることでデジカメ、ビデオカメラといったカテゴリを超えた新しいフェーズに入る。それがXacti 2.0」と語った。

 原氏はさらに「従来型のWeb社会は良いものも悪いものも拡散し続けるカオスの状態」と評した上で、「技術の進歩やWeb 2.0へ進化により、Xactiが消費者を発信者へ変えることで人と人とがつながる」とコメント。「そうしたつながりこそが三洋の“Think GAIA”が目指す“Harmonious Society”だ」と述べた。

 SEEBOXは、DideoNetの開発した動画ストリーミング技術「SeeMedia」を採用した動画配信サービス「SEEBOX STUDIO」で、Voxと連動したプロモーションを展開。SeeMediaはH.264の規格に準じているためにDMX-CG65との親和性も高く、SEEBOXの飯島勵代表取締役は「DMX-CG65の発表を待ちに待っていた」とコメント。「SEEBOX Studioはバッファリングも2秒程度と短く、インターネット上で放送局のように映像が配信できる」とサービスの魅力を語り、「手軽かつ高画質なDMX-CG65によって、よりチャンスを逃さない、映像の美しさを活かしたサービスができる」とした。

 ボイスバンクでは、動画Podcastに対応したブログパーツを新たに提供するほか、Podcast対応ソフト「アリゲーター」でも新バージョンをリリース。XactiをPCにつなぐと自動で動画をアップロードすると同時にXacti内の動画を削除し、「常に街中で動画を撮ってそれを公開する、ということが簡単にできるようになる」(木ノ川義英代表取締役)。


SEEBOXの飯島氏は動画の画質をアピール ボイスバンクは動画Podcast対応のブログパーツをリリース

VoxはXacti専用グループを開設
 個人向けの動画投稿サービス「テレビィ」を運営するエムログは、Xactiを利用した「超カンタン動画ブログ」を開設するほか、テレビィ内にも「XactiTV 湾岸支局」を開設し、Xactiのプロモーションを展開。また、Xatciのワークショップインベントも5月以降開催していく予定だという。

 シックス・アパートは、ブログサービス「Vox」のグループ機能でXactiグループを開設し、XactiとVoxの共同プロモーションを展開。同社の関信浩代表取締役は、「動画や音声などは、気が付くと自分のプライベートな部分がインターネットにさらされることも多く、ブログに載せるのをためらうケースもある」と指摘。「Voxは記事や動画単位で公開範囲を設定できるので、プライバシーを保護しながらブログを楽しんでもらえる」とした。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0703news-j/0313-1.html

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(甲斐祐樹)
2007/03/13 13:37
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