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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
「YouTubeは新たなビジネスチャンス」日本語版パートナーが期待

 8月1日にグーグルが開催したYouTube日本語版の事業説明会では、YouTubeの公式パートナー企業が出席。YouuTubeに対する取り組みやパートナー提携の経緯、YouTubeに対する期待感などを示した。


インターネットでの動画視聴は「もう止められない流れ」

スカイパーフェクト・コミュニケーションズ 執行役員専務の田中晃氏
 スカパーは、YouTubeでのコンテンツ配信の現状を紹介。「一番大きいアクセスはグラビアアイドルで30万PV、ゴルフコンテンツでも5~6万PVを集めており、YouTubeの媒体力は非常に高く評価している」(執行役員専務の田中晃氏)」とした上で、「視聴者の楽しみ方は多様化しており、インターネットで動画を視聴するという流れはもう止められない」とコメント。「あらゆる視聴者のニーズに多様なコンテンツで応えるという点でYouTubeは非常にスカパー的」との魅力を示し、「YouTubeからもスカパーの持つコンテンツアグリゲーション能力を評価いただいた」と語った。

 また、パートナーとなることで違法コンテンツに対してもよりスピーディーに対策できるというメリットもあるという。田中氏は「違法コンテンツ対策はYouTubeへ強く要求しており、YouTubeからも改善に向けた技術的な説明を受けている。これが着実に実施されることを期待している」と述べた。

 YouTubeを利用した新しい取り組みも紹介。10月からスカパーで放映する「アメリカン・ダンスアイドル」のプロモーションとして、YouTube上でのオーディション「ジャパン・ダンスアイドル」をスカパーとFOXが共同で展開する。一般ユーザーからダンスの動画を募集し、第1次審査を通過した動画をスカパーのパートナーページで配信。田中氏は「YouTubeでドラマの1話を配信したいという事業者もいる」と語り、「新しいコンテンツの視聴方法を提供することで、スカパーとしても多チャンネル放送の魅力を伝えていきたい」とした。


スカパーのYouTube日本語版公式ページ YouTubeを利用したプロモーションも展開

TOKYO MX 取締役技術局長兼総合デジタル局の田沼純氏
 TOKYO MX 取締役技術局長兼総合デジタル局の田沼純氏は「土地柄としてつかみどころのない東京でローカル局としてビジネスを展開する上で、最近では国際都市というキーワードのもとに運営を進めてきた」と説明。「いかに東京をアピールするか、と考えていたところにYouTubeがスタートし、これは非常に魅力的な存在に感じた」との経緯を語った。

 YouTubeで動画を配信したことで学んだこともあるという。田沼氏は「首都高速のジャンクションの取材映像が非常に人気が高く、TOKYO MXのロゴマーク映像に次ぐアクセスを集めた」という事例を紹介。「制作の立場からするとああいう番組はあまり力を入れていないが、実は視聴者が見たいものはこうした動画なのかもしれない」との考えを示し、「ユーザーのニーズが実際にわかるという点で非常に面白い仕事」と高く評価した。

 今後はインディーズアーティストの映像や大井競馬場のレースの模様を即時アップ、アナウンサーによる双方向を目指したコラム番組などを予定。田沼氏は「地上波の強みであるワンセグ放送とも連動してみたい」との希望を示した上で、「ビジネスとして成立しなければ長続きはしない。営業的な面も考えながらYouTubeとの連携を進めていきたい」とした。


TOKYO MXは「国際都市」「東京」がテーマ YouTubeを積極的に利用

YouTubeを「新たなビジネスチャンス」と積極的に対応

GDHのCOOを務める内田康史氏

吉本興業の執行役員 経営・財務戦略室長兼ベルロックメディア代表取締役である中多広志氏
 GDHのCOOを務める内田康史氏は、「アニメーションは海外でも通用する数少ない日本のコンテンツ」とした上で、「今までは我々の作品が許可なくアップロードされて視聴されるという問題があったが、逆に考えればこれは大きなビジネスチャンスだ」とコメント。「海外を含めたコンテンツの世界同時配信など、新しいビジネスチャンスを作っていければ」との期待を見せ、「これまでの歴史上、新しいメディアは敵になるものではなく、いかに最適化してビジネスを作っていくかが重要だ」と指摘。「今回は小さな一歩だが、今後続くであろう新たな一歩を踏み出せたのではないか」とした。

 吉本興業の執行役員 経営・財務戦略室長兼ベルロックメディア代表取締役である中多広志氏は、吉本とベルロックメディアそれぞれのYouTubeに対する戦略を説明。吉本興業は「タレントマネジメントが中心だがCS放送や劇場運営なども手がけており、タレントマネジメントを中心とした総合エンタテインメント企業」と紹介。ベルロックメディアは吉本がインテルやフェイスと設立した企業で、広告主のメッセージを動画で表現する「スポンサードコンテンツ」を中心としたデジタルコンテンツの制作を手がけているとした。

 ネットを活用したコンテンツ配信の成功例として中多氏は、お笑い芸人「ムーディ勝山」の携帯コンテンツが2億近い売上を達成したという事例を紹介。「売上の報告があるまでムーディ勝山が誰だか知らなかった」と語った中多氏は「インターネット配信では今までに想像もできないビジネスの可能性がある」とした。

 YouTubeでは吉本がお笑いコンテンツを中心に配信。ベルロックメディアはお笑いを含めたさまざまなコンテンツを配信する予定で、スポンサードコンテンツの配信も計画されている。中多氏は「世界一であるYouTubeと協力しながら、著作権の取り組みも真摯に進めていきたい」とした。

【お詫びと訂正】
 初出時ダウンロード数を約1,8億としておりましたが、正しくは売上が約2億です。お詫びして訂正いたします。


GDHの公式ページとその狙い 吉本興業グループは8月2日よりYouTubeに対応

mixi日記でYouTubeは人気のテーマ。カシオはデジカメがYouTube対応に

ミクシィ サービス企画部マネージャーの有野寛一氏

カシオ計算機 開発本部QV統轄部商品企画部長の中山仁氏
 ミクシィ サービス企画部マネージャーの有野寛一氏は、YouTubeと提携した経緯を説明。mixiでは1日に約110万の日記が投稿されているが、その中でYouTubeのドメインが入った日記は全体の1%にあたり、日記の投稿テーマとしては上位にあるという。こうした背景からミクシィでは「動画は友人と共有しやすいサービスの1つ」と捉え、今回のYouTube対応に至ったとした。

 なお、ミクシィでは自社でも動画共有サービス「mixi 動画」を運営しているが、有野氏は「mixi動画は友人との共有がメインで、プライベートな動画が多いと認識している」」と説明。「YouTubeは日記のネタや動画コンテンツとして使っていただければ」との違いを示した。

 カシオ計算機 開発本部QV統轄部商品企画部長の中山仁氏は、米国で発表したYouTube対応デジタルカメラを紹介。「最近のデジタルカメラは動画が当たり前になっているが、残念ながらおまけ的な要素としてしか受け入れられていない」と語った中山氏は「デジタルならではの動画の楽しみ方を提供していきたい」との意欲を示した。

 これまでのデジタルカメラではMPEG-1やMotion JPEGが主流だったが、圧縮方式としてMPEG-4やH.264が普及したことで容量が劇的に小さくなり、中山氏は「動画も写真感覚で扱えるファイルサイズになった」とコメント。撮影した動画をYouTubeに2ステップでアップロードできることで「新しいコミュニケーションが生まれるのではないか。YouTubeキャプチャーモードはカメラのスタンダード機能にしていきたい」との期待を語った。

 YouTube対応デジタルカメラの日本発売は現在のところ未定。また、国内ではYouTube以外にmixi動画など動画共有サービスが多く存在するが、中山氏は「12月まではYouTube対応デジタルカメラとして独占契約を結んでいるため、この1年はYouTubeと協力してやっていく」と説明。「来年以降は業界がどうなっているかわからないが、動向を見ながら対応を考えていきたい」とした。


mixi日記でもYouTubeは投稿の多いテーマ デジタルカメラの動画機能で新たなコミュニケーションを創出

関連情報

URL
  スカパー! パートナーページ
  http://jp.youtube.com/user/skyperfectv
  TOKYO MX パートナーページ
  http://jp.youtube.com/tokyomx
  GONZO DOGA
  http://jp.youtube.com/user/GONZODOGA
  吉本興業 パートナーページ
  http://jp.youtube.com/user/yoshimotokogyo
  関連記事:米Casio、YouTube対応810万画素コンパクト「EXILIM Card EX-S880」[デジカメWatch]
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/compact/2007/07/11/6629.html

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(甲斐祐樹)
2007/08/02 19:19
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