Broadband Watch logo
最新ニュース
【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
毎日新聞社、オープン化や信頼情報の発信を謳う「毎日jp」を10月開設

 毎日新聞社は18日、10月1日に開設を予定する総合情報サイト「毎日jp(マイニチジェーピー)」に関する説明会を開催した。


ブログパーツやRSS提供、ソーシャルブックマークに対応。ブロガー連携も

毎日jpサイトイメージ
 毎日jpは、毎日新聞社が単独でサイト運営を行なう総合情報サイト。現在、マイクロソフトと提携して運営する「MSN毎日インタラクティブ」は9月末に終了する。一方、マイクロソフトでは、産経新聞グループと業務提携した「MSN産経ニュース」を10月1日に開設するとしている。

 毎日新聞社では、毎日jpの開設にあたって自由なサイト展開と幅広い自由な議論を目指す「オープンなサイト」、インターネットユーザーの趣向に合わせたサイト作りと生活情報を充実させる「楽しく、役に立つサイト」、網羅性から選択へ「信頼情報の発信」という3つのコンセプトを掲げる。その上で、同紙がこれまで培ってきた「開かれた新聞」「論争のある新聞」「役に立つ新聞」というブランドイメージを活かす考えだという。

 オープン化施策としては、アルファブロガーやインターネット上で活躍するジャーナリストから第三者視点で助言や参加協力を得るという。また、毎日jp上に特設ページを設け、参加ブロガーなどの記事や助言なども掲載するほか、お勧めブログも順次紹介するとしている。

 加えて、全記事を対象のソーシャルブックマークへの登録ボタンを設けるほか、最新ニュースや掘り出しニュースなどのブログパーツとして提供する。また、「ニュース速報」「スポーツ」「エンターテインメント」「IT・家電」「英語を学ぶ」をRSSで配信。このほか、女優の黒谷友香や映画監督の井筒和幸、ミュージシャンのウルフルズなどをはじめとしたコラムも随時充実させていく。


サイトコンセプト 全記事でソーシャルブックマークに対応。当初はYahoo!ブックマークとみんなのトピックスで、以降も拡充を検討する 「掘り出しニュース」などのブログパーツ配信も予定

今後のスケジュール
 サイト運営にあたっては、オールアバウトから協力を得て、生活情報分野の記事を充実させるとともに、新たな広告手法開発も共同で取り組んでいく。加えて、Yahoo! JAPANやオーバーチュア、Amazon.co.jp、楽天ブックス、アットホームなどの各社やサービスと連携した機能やツールなども随時実装させるという。

 このほか、カテゴリ分類も「信頼(ニュース)」「役に立つ(ライフスタイル)」「楽しい(エンターテインメント)」の3大カテゴリをベースに、新聞のジャンル分けにとらわれない分類を行なう。

 その上で同社は、10月1日の開設日を「フェイズ1」と位置付けて、12月頃にコンテンツや地域情報の充実、動画への取り組みを行なう「フェイズ2」、2008年4月にビジュアル情報拡充やユーザーごとのカスタマイズシステム、モバイル連携といった「フェイズ3」で毎日jpの完成形を目指す考え。また、以降も新しい技術やサービスを積極的に取り入れながら、順次サイトを拡充させるとしている。

 なお、毎日jpのロゴおよびキャラクターは、KDDI「LISMO!」やTBS「TブーS!」、日光江戸村「ニャンまげ」などを手がけた佐野研二郎氏が担当した。


「信頼」「楽しい」「役に立つ」を軸にカテゴリも見直す 各社・サービスと連携したツールも提供 ロゴとキャラクターは佐野研二郎氏がデザイン

長谷川氏「信頼性のある記事を毎日jpで提供」

(左から)毎日新聞社の長谷川氏、黒谷友香、オールアバウトの江幡氏、毎日新聞社の朝比奈氏

これまでのWebサービス展開
 毎日新聞社 常務取締役 主筆 デジタルメディア担当の朝比奈豊氏は、「2004年4月にマイクロソフトと提携した『MSN毎日インタラクティブ』を開始したが、この3年あまりの間に非常に大きな成果が出た」とコメント。「新聞社サイトとしてのブランドイメージを構築できるようになった」と語った上で、「多様な情報を意欲的に展開するサービスを利用者にお届けするために、毎日jpの開設に至った」とその経緯を語った。

 サイト概要を説明した毎日新聞デジタル 代表取締役社長の荒井健治氏は、「2006年8月に月間5億PVを獲得し、ユニークユーザーは1,500万ユーザーと新聞社系ニュースサイトではナンバー1を獲得している」とMSN毎日インタラクティブの現状を報告。荒井氏はこれらの理由として、Web独自の取材記事やインターネット読者層に合わせた情報の選択など好調の理由を挙げた一方で、「編成権の限界や事業展開の自由度、生活情報を十分に配信できない」といった限界要因もあったと述べた。

 毎日新聞社 常務執行役員 デジタルメディア局長の長谷川篤氏は、「2008年4月にサイトの完成形をお見せできると思うが」と前置きし、「我々が一番大切に思っているのは情報の信頼性だ」と説明。「情報が数多くある中で、人々は頼りになる情報を求めている時代。我々は2,000名の新聞記者が取材した手応えと信頼性のある記事を毎日jpでさらに出していきたい」とした。

 また、オールアバウトとの連携に関しては、「2,000名の記者が執筆するのは社会や経済と言った硬派な部分。オールアバウトさんには生活面で協力をいただき、毎日jpに来れば硬軟そろった情報が得られる形を作っていきたい」と述べた。

 長谷川氏によれば、同社では2006年8月にインターネット上ではじめて訂正記事を掲載したという。長谷川氏は「それまでは訂正記事を掲載することはなかったが、10分、数十分という掲載時間でも社会に大きな影響を与える記事であれば、訂正記事を出す必要がある時代になった」と語り、「華やかな話ではないが、信頼できる情報を利用者にお届けしてくことが重要」と改めて強調した。

 なお、MSN毎日インタラクティブの月間PVは現在3~4億PV前後で、「MSNのポータルサイトからのアクセスが6割程度を占めている」という。このため、「毎日jpの運営開始当初は2億PV程度に落ち込む可能性があるが、今後2年間で現在のピークを超え、3年後にはそれ以上の飛躍を目標に広告収入も伸ばしていきたい」と抱負を語った。


同社幹部や記者が出演するCM。18日からYahoo!動画やAll Aboutで配信されるもので「新聞記事の横流しをやめろ」などの台詞も飛び出す 黒谷友香はガーデニングなどのコラムを執筆。名前が決まっていない毎日jpのキャラクターについては「コッコ」という名を提案していた

関連情報

URL
  毎日jp(10月1日~)
  http://mainichi.jp/
  MSN毎日インタラクティブ(9月末日まで)
  http://www.mainichi-msn.co.jp/
  毎日jp開設に関するニュースリリース(6月27日付)
  http://www.mainichi.co.jp/information/news/20070627-170021.html
  関連記事:「MSN毎日インタラクティブ」9月で終了、10月から「MSN産経ニュース」に[INTERNET Watch]
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/06/27/16174.html


(村松健至)
2007/09/18 17:36
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.