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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
イー・アクセスとソフトバンク設立のOpenWinがモバイルWiMAX免許を申請

 オープンワイヤレスネットワーク(OpenWin)は11日、2.5GHz広帯域移動無線アクセスシステム(BWA)の特定基地局開設計画の認定申請についての説明会を実施した。


イー・アクセスの深田氏がOpenWinのCOOに。孫氏や千本氏も取締役に

OpenWinの宮川潤一取締役CEO(左から2人目)、深田浩仁代表取締役社長兼COO(同3人目)ほか出資企業の代表者ら
 OpenWinは、イー・アクセスとソフトバンクのBWAの特定基地局開設計画の認定取得に向けた戦略的提携によって設立された企画会社。イー・アクセスとソフトバンクのほか、ゴールドマン・サックス証券、テマセク・ホールディングス、NECビッグローブ、ソネットエンタテインメント、ニフティ、フリービットらが出資しており、9月28日にすべての出資社からの払い込みを確認し、200.5億円の確保したと発表している。

 また、11日にはOpenWinの執行体制および取締役が発表された。代表取締役社長兼COOにはイー・アクセスの執行役員副社長でもある深田浩仁氏が、取締役CEOにはソフトバンクBB取締役専務執行役員の宮川潤一氏が就任。また、代表取締役にはソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏が、取締役にはイー・アクセス取締役会長の千本倖生氏が、監査役にはイー・アクセス執行役員内部監査室長の柴田雄司氏が、CFOにはイー・アクセス取締役のエリック・ガン氏が、CTOにはイー・アクセス専務執行役員CTOの小畑至弘氏が就任した。

 説明会では、深田氏が11日10時に総務省関東総合通信局への免許申請を行なったことを報告。OpenWinのモバイルWiMAXによる2.5GHz帯のBWAについての事業計画説明を行なった。

 事業計画の説明に先立って、深田氏は説明会にソフトバンクの孫正義氏とイー・アクセスの千本倖生氏が出席していない点について、BWAの免許方針が新規事業者を対象としている事を取り上げたうえで「3G事業者との独立体であるべきではないかと思い今回の体制となった」と、新規事業者としての参入の意気込みを表した。


深田浩仁代表取締役社長兼COO 宮川潤一取締役CEO

2009年3月までにサービスを開始。価格はADSLサービス並みを想定

 免許申請に際して公表した事業計画によれば、2009年3月までに無線データ通信サービス開始。サービスエリア展開は、2009年中に全国人口カバー率を50%以上、2015年3月末までに全国人口カバー率を90%以上とすることを目標としている。加入者は、2015年3月末までにPCユーザーで約400万人を見込んでいるほか、価格はADSLサービス並みの価格を想定。設備投資の支出であるCAPEXは、2015年3月末までの累計で約2,500億円を予定している。

 OpenWinの事業内容については、深田氏は「ホールセール特化」「水平分離型の事業構造」「迅速かつ堅実な事業展開」「モバイルWiMAXの採用」「FTTH対抗」を特長として掲げている。「ホールセール特化」については、ISP経由でサービス提供を行なうMVNOを想定しており、深田氏は、イー・アクセスおよびソフトバンクでADSLサービスを提供している約700万をはじめ、提携プロバイダーも含めた約1500万人のユーザーを抱えているとし、ユーザー確保における優位性を示した。

 「水平分離型の事業構造」については、モバイルWiMAXのプラットフォームを完全にオープン化することを表明。ASPやCSPが柔軟なサービスができるよう支援を行なうとしているほか、対応端末も自由に販売できる形態を採用することで、これまでネットワークに対応できなかった機器も対応可能になり、非常に大きな市場になるとしている。


OpenWinの会社概要 OpenWinの株主構成 OpenWinの事業計画概要

コスト面などでFTTHの対抗としてモバイルWiMAXをアピール

 「迅速かつ堅実な事業展開」については、イー・アクセスおよびソフトバンクの基地局設置のノウハウを活用したエリア展開を行なうこととしており、深田氏は「イー・アクセスとソフトバンクは迅速で斬新なネットワーク構築の経験がある」と自信を示した。また、イー・モバイルの長距離ネットワークにはソフトバンクテレコムの回線を利用していることを明らかにしたうえで、「そのままモバイルWiMAXに流用できる最新のネットワークをすでに保有している」とコメントした。

 「モバイルWiMAXの採用」については、深田氏は「モバイルWiMAXは実質的に世界標準といえる」としたうえで、普及に伴なって基地局や端末の生産台数が増加することでコストが低減化できるメリットを強調。また、「日本国内のように独自規格を採用すれば、日本国内では大成功だが国内メーカーは国際競争力を失い、販売奨励金のようなユーザーが疑問を持つビジネススタイルが定着してしまう」と、既存業者への批判を行なったうえで「モバイルWiMAXの選択は、必ずユーザーに大きな利益還元ができると思う」とモバイルWiMAXをアピールした。

 「FTTH対抗」については、深田氏は「イー・アクセスもソフトバンクもFTTHには参入しにくかったが、モバイルWiMAXはFTTHのようなしがらみもなく、同等のサービスも提供できる」とFTTHに対する優位性を示した。また、「インターネットサービスであれば十数Mbpsの速度で十分であり、100Mbpsに特化したサービスは必要か疑問だ。無駄なトラフィックを出すための装置を使って余計なコストをかけることは、スポーツカーでスーパーマーケットに行くようなものだ」と、FTTHサービスへの疑問も呈している。

 最後に、OpenWin取締役CEOの宮川潤一氏は「これまで日本になかったビジネスモデルを一から作り上げたい。これまで何回もNTTにMVNOについて話をするもらちが明かなかった。今回、一度我々に主導権を与えて欲しい。昔年の思いを持つイー・アクセスとソフトバンクが提携して、NTT側に回ったらどんなものが作れるのかというを見せたい」と、免許取得に向けた意気込みとOpenWinの優位性をアピールした。


ホールセール戦略の概要 水平分離型事業構造の概要 事業展開の概要

モバイルWiMAXの採用 FTTH対抗としてのモバイルWiMAX

関連情報

URL
  イー・アクセス
  http://www.eaccess.net/
  ソフトバンク
  http://www.softbank.co.jp/
  ニュースリリース(オープンワイヤレスネットワーク、PDF)
  http://www.eaccess.net/press_img/5618_pdf.pdf

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(大久保有規彦)
2007/10/11 18:34
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