ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)は24日、フリービット買収後の同社戦略に関する説明会を開催した。説明会では、新サービスロゴやプランなどが発表された。
■ ドメインを「dream.jp」へ変更。接続サービスのシンプル化も実施
DTIは、フリービットによる株式の公開買い付けを経て、9月3日付けで東京電力からフリービットへと親会社が変更済み。10月4日には新経営体制へと移行し、代表取締役社長にはフリービットの石田宏樹 代表取締役社長が就任した。なお、フリービットの所有株式比率は99.52%だが、今後は100%を取得して完全子会社化を目指すという。
説明会では、10月25日より「ユビキタスプロバイダ」を新キャッチコピーに、DTIを再始動すると発表。サービスロゴを一新するとともに、新ドメイン「dream.jp」でのサービス提供を25日から順次開始する。なお、既存会員が使用する「dti.ne.jp」などのドメインやメールアドレスは継続して利用できる。
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一新されたDTIロゴと新ドメイン
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フリービットとDTIの事業領域。DTIはB2C分野を担当する
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接続サービスは合計5プランへとシンプル化
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接続サービスに関しては、利用回線や接続速度などで20プラン以上あったものを、FTTHで2プラン、ADSLで2プラン、無線で1プランとシンプル化し、11月から順次提供していく。石田社長は「インターネット接続サービスで他社との差別化ができる時代ではない」と述べ、「シンプルかつ最安値水準で提供することが重要である」とした。
FTTH接続サービスでは、NTT東西の「Bフレッツ」対応プラン、KDDIの「ひかりone」対応プランを提供。東京電力が親会社の際は旧「TEPCOひかり」であった「ひかりone」を主に提供していたが、今後は全国でサービス提供が可能なBフレッツ対応プランを軸に据える。「with フレッツ」プランも用意する考えで、NTT東日本地域の料金は集合住宅で月額3,129円から、戸建てで月額6,248円からになる。
ADSL接続サービスは、下り最大12Mbpsサービスの1種類に限定して、月額1,785円から提供を行なう。また、回線提供を受ける企業数も新プラン移行の段階で2社(アッカ・ネットワークス、イー・アクセス)に絞り込み、将来的にはさらに1社へと絞り込む。なお、サービス提供エリアの状況によっては、フレッツ・ADSLでの対応も行なうという。
無線プランは、イー・モバイルの回線をMVNOで提供する予定。具体的なサービス開始時期や料金は今後決定されるが、同社によれば12月をめどに、イー・モバイルの月額料金(5,980円)と同程度で提供を開始したいとしている。
■ 接続サービスと付加サービスを分離。DTIポータルは「Dream Hub」に
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「Dream Hub」サイトイメージ
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メールやポータル、ストレージ、サポートサービスなどは、月額210円からの「ユビキタスサービス」として、接続サービスから分離。新プラン利用時は同サービスの契約が必須になる。また、既存会員は無料で利用できるほか、単独サービスとしての契約が可能だという。
これに伴って、DTIのポータルサイトは「Dream Hub」と呼ばれるユビキタスポータルサービスへと一新。従来のプロバイダーサービス案内を別タブでの表示へと変更し、メールやストレージ、サポートなどを呼び出すアイコンボタンと検索窓のシンプルな構成になる。
メールサービスでは、Google Mapsとも連携可能なフリービットのWebメール機能を提供。DTI向けにカスタマイズも行なわれており、WiiやiPod touch、携帯電話からのアクセスにも最適化されている。
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「Dream Hub」の技術コンセプト
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WebメールはWiiやiPod touchからのアクセスにも対応
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また、フリービットの「Emotion Link SAテクノロジー」を利用して、インターネットを介して他のPCと仮想ネットワークを構築できる「U+link」も提供。このほか、Webブラウザから1クリックでコールセンターに接続できるサポートサービス「Hotline」、Webブラウザから利用できるストレージサービス「MyStorage」なども用意する。
石田社長は加えて、「One more thing...」として10月22日にフリービットが発表した「Emotion Link Semantiq Node API」を、Dream Hubに組み込んで2007年内に提供を行なうと紹介。「Emotion Link Semantiq Node API」はIPv6に対応し、マッシュアップが可能な大規模分散型コンピューティングプラットフォームで、外出先から自宅PCで受信したメールやデスクトップ検索連携が可能になるとした。また、同機能を活用してブログに表示する画像をPC上から直接表示することも可能だという。
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「ユビキタスサービス」で提供されるサービス
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「Emotion Link Semantiq Node API」の活用も
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■ 早期に100万ユーザーの会員獲得を目指し、ユビキタスHUBを実現へ
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DTIおよびフリービット社長の石田氏
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フリービットでは、DTI以外にもライブドアと株式会社中部のインターネット接続サービスの譲受を発表済み。これにより、グループ中期経営計画「SiLK VISION 2010」を発表した2007年6月から4カ月間で、約40万人の継続課金ユーザーを獲得したとしている。
これら3サービスに加えて、フリービットで協業する独立系の地域ISPとの連携を進め、石田社長は「早期に会員数100万人を達成したい」と語った。なお、ライブドアと中部から取得したインターネット接続サービスに関しては、将来的にDTIブランドへと集約させる考えだという。
石田社長は、「再始動したDTIはトレインからドリームへとフォーカスさせる」とコメント。フリービットグループが掲げる「ユビキタスHUB」構想の実現に向けて、「プランやポータル、アーキテクチャーのすべてを徹底してユビキタスに繋げていきたい」と抱負を語った。
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ユビキタスHUBは、スティーブ・ジョブズ氏が提唱した「デジタルハブ」構想をネットワークに拡張したものだという
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DTI今後のロードマップ
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■ URL
ニュースリリース
http://www.dti.co.jp/release/071024.html
DTI 新URL(10月25日~)
http://dream.jp/
関連記事:「DTIは“ユビキタスハブ”になる」フリービット石田社長が戦略語る[INTERNET Watch]
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/09/07/16839.html
■ 関連記事
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・ 新生DTI、光サービスへとシフトした新プランを発表。ロゴマークも一新
(村松健至)
2007/10/24 19:26
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