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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
NTT社長会見、光アクセス加入者目標を2,000万加入に下方修正

 NTT(持ち株)は、11月9日に開催した三浦惺代表取締役社長による会見要旨を公開した。会見では、2010年の光アクセス加入者目標について、3,000万加入から2,000万加入へ下方修正したことを明らかにした。

 会見では中間決算についての説明が行なわれ、営業収益が616億円の減収、営業利益は1,275億円の減益となったこと公表した。減収減益となったことについて、三浦氏はNTTドコモの決算を反映したものであり、割引サービス等によるARPUの減少、減価償却の見直しや基地局増に伴う費用増によるものだとしている。また、地域通信事業においてはIPおよびパケット通信し容量が固定電話の収入減をカバーしきれなかったものの、前年よりは減収幅は縮小しているとしている。


光アクセスの加入者数を2,000万加入に修正。「現実的な需要予測」と説明

 光アクセスの加入者数については、これまで目標としていた3,000万加入から2,000万加入へと下方修正したことを明らかにした。下方修正の理由として三浦氏は「3年前に公表した3,000万加入という数字は、発展もまだごくわずかで競争もまだほとんど進展していない状況から、固定電話の6,000万加入のうちの約半分ということでビジョンとして示した」と3,000万加入を目標とした理由を説明。その上で、「NGNの商用化にあたり、これまでの実績やブロードバンドの競争状況を踏まえて、現実的に需要予測を行った結果」だとしている。

 下方修正による事業展開への影響については、「3,000万という数値はビジョンとして言ってきたので、基本的なサービス展開等に直接的な影響はないと考えている」と説明。また、下方修正をなぜこの時期に行なったかについては「固定電話の半分のイメージを出してから3年が経ち、残り3年で2010年になることから、ある程度の需要予測をきちんとした方がいい」としたうえで、「NGNがいよいよ商用化するという1つの節目であるので、光アクセスについても現時点での見込みを明らかにした」と説明した。

 このほか、光回線の接続料が3,000万加入を前提にして決定されると不利になるので2,000万加入に下方修正したのでは、という指摘については「直接関係ない」と否定。光回線の接続料の値下げについては、「いろいろな意見があるのは承知している」としながらも「光アクセスに投資してきた分の回収はきちんとしていきたい」との意思を表明。方法については、「基本的には上がる下がるというのはその結果である」としたうえで、「コスト回収を図ることをベースに検討をしている。年内には認可申請の運びになると思う」と今度の見込みを示した。

 2007年度末での加入者数については、販売努力や「ひかり電話」などのサービスの提供によって約1,000万加入弱になる見込みであると公表。光アクセスへの需要については、CATVや他事業者との競争などによって鈍化していることを認めたうえで、映像配信サービスや地上デジタル放送のIP再送信など、映像関連サービスを中心に更にキラーコンテンツが必要になる、と展望を語った。


NGN商用サービス開始は2008年3月を予定。フォーラム設立も検討

 2008年3月を目途に開始を予定しているNGNを利用した商用サービスについては、「国際標準に準拠した新しい社会基盤として、世界に先駆けて商用化するもの」と説明。2008年3月より東京、大阪のトライアルエリアで商用サービスを開始し、ネットワークやオペレーションシステムの大規模運用など信頼性や安全性の確認をした上で、2008年度からペースを上げ、2010年度までには現行のBフレッツのサービスエリアまで拡大する予定であるとしている。

 商用サービスの内容については、QoSを利用したアプリケーションサービスや法人向けのQoS利用型のVPNサービス、契約者の通信可否の状態などが表示できるプレゼンスサービス、携帯電話とPCの特長を活かした連携サービスなどを順次提供したい考えを明らかにした。また、他事業者へのNGNの理解とサービス提供支援を目的として「次世代サービス共創フォーラム(仮称)」をできるだけ早い段階で設立。場合によっては、資金面で出資も含めて支援方法を検討していることを明らかにした。

 このほか、映像配信サービスの統廃合については11月9日の発表と同様に、映像配信サービスをぷららに統合。2008年3月を目途にハイビジョン品質の新たな映像通信サービスを提供する予定で、関係方面と細部の調整を進めているとしている。また、地上デジタル放送のIP再送信については、放送局からの再送信同意を得た上で東京や大阪から開始し、順次エリア展開を図る予定であるとしている。


関連情報

URL
  NTT社長会見
  http://www.ntt.co.jp/kaiken/index.html

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(大久保有規彦)
2007/11/14 12:38
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