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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
エイベックス、「ニコニコ動画」活用など映像事業の再生プランを公表

 エイベックス・グループ・ホールディングスは16日、2008年3月期 中間期決算発表に合わせて、映像事業の構造改革を実施すると発表した。

 エイベックスでは、2005年4月に映像事業への本格参入を行なっている。今回、音楽事業で培った強みを最大限に活用できるビジネスモデル構築を目指し、数値計画や戦略を見直し、「映像事業再生プラン ~進化形プロダクションモデルの追及と現実化するアジア構想~」を公表した。

 同再生プランでは、企画開発から権利ビジネスまでをオールインワン化する「パッケージング・モデルの構築」、アジア地域の各社と協力した「アジアCo-Produceモデルの構築」、ニコニコ動画などのニューメディアを活用する「ニュー・メディア・モデルの構築」を、映像事業の目指すべき方向性として掲げる。これらを達成することで、エイベックスのコンテンツ力とプラットフォーム力を高め、収益モデルの改革を実現したいとしている。

 このうち、「ニュー・メディア・モデルの構築」では、出資するドワンゴの子会社「ニワンゴ」が運営する動画配信サービス「ニコニコ動画」など、グループ内のネットワークプラットフォームを活用。片方向の情報伝達が主となるテレビメディアとは異なる、「New Mediaモデル」の確立を目指す。

 同社が定義する「New Media」とは、ターゲット視聴者に応じた展開が可能で、インターネット上で視聴者間の話題創出が可能なもの。活用案の流れとしては、「原作・企画の発掘」から「ターゲット層を絞ったプロモーション」、「ユーザー間での話題創出」、「ネットコミュニティからマス層への拡大」を経て、自社映像作品の劇場公開を想定。その上で、劇場公開済みコンテンツのインターネット配信するなどして収益化を図りたいとしている。

 また、「パッケージング・モデルの構築」に関しては、映画コンテンツと連動したDVDを先行発売する「DVD First」モデルの構築を目指すという。加えて、プロダクション力の強化も進め、著名な俳優や女優、アーティストと新人を共演させて、新人の認知度を向上させる。なお、同社では2007年夏から中村獅童と小雪のマネジメントを行なっている。

 映像事業では、本格参入から今期末までの累積損失75億円に達する見込み。同社は再生プランの実行によって、2010年3月期以降は同プランに沿ったコンテンツが本格投入されるため、営業利益の黒字転換が期待できるとしている。

 なお、ドワンゴに関しては9月28日(中間期末)の株価が10万9,000円と取得価額の50%超に下落。このため、評価損(57億8,800万円)の計上を予定していたが、ドワンゴの株価が急回復したため計上を取りやめた。また、11月15日のドワンゴ株価は、取得時から56.1%増の39万1,000円になり、エイベックスは同日時点で57億4,500万円の含み益を有する状況になったという。


関連情報

URL
  エイベックス・グループ・ホールディングス
  http://www.avex.co.jp/

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(村松健至)
2007/11/16 16:41
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