富士キメラ総研は1日、「2008年 ブロードバンド・ビジネス市場調査総覧」を発表した。
この調査は、ブロードバンドビジネスをを展開する通信事業者、ISP、CATV事業者、iDC事業者、コンテンツ関連事業者などの動向を調査し、エンタテイメント系サービス、コミュニケーションサービス、EC、プラットフォームビジネスの各分野ごとに分析したもの。
エンタテイメント系サービスでは、市場規模が2006年度の4,149億円から2012年度には7,323億円まで成長すると予測している。FTTHを中心としたブロードバンドインフラ利用拡大とモバイルインターネットの普及に伴って、今後は映像系サービスを中心に利用拡大が進むとしている。
端末別では、2012年度にはPCで1,998億円、モバイルで4,185億円、テレビで1,140億円になると予測。PCでは、ファイル交換ソフトや無料ダウンロードの氾濫などにより既存の映像・音楽配信サービスとが競合し、有料サービス需要の伸び悩みによって成長が鈍化するとしている。一方、音楽や電子書籍などのコンテンツは課金への敷居が低いことからモバイル向けに需要がシフトすると予測している。
コミュニケーションサービスでは、モバイル向けサービスや3Dコミュニティの利用増加によって、市場規模は2012年度には990億円に成長すると予測。ブログやSNSといったサービスでは、今後もモバイル向けサービスの成長が期待されるとしている。
ECサイト市場は2012年度には5兆6,770億円まで成長すると予測しており、ブロードバンドの普及により性別や年齢を問わず利用できる環境が整ったことで市場が拡大したほか、パケット定額制サービスの普及によるモバイルでの利用拡大も見込んでいる。このほか、プラットフォームビジネスでは、定額制データ通信サービスの普及によりモバイル広告への注目が高まっているとしている。
■ URL
富士キメラ総研
http://www.fcr.co.jp/
(大久保有規彦)
2008/02/01 12:18
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