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Yahoo! JAPAN for AQUOS
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Yahoo! JAPANを運営するヤフーは、シャープの液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」向けサービス「Yahoo! JAPAN for AQUOS」を5月29日に開始する。利用は無料。
Yahoo! JAPAN for AQUOSは、Yahoo! JAPANのコンテンツをフルHDのTV向けにカスタマイズして提供するサービス。CEATEC JAPAN 2007では「Yahoo! HD for AQUOS」という名称でデモ展示が行なわれており、今回は「Yahoo! JAPAN」ブランドを冠して正式サービスを開始する。
5月29日からはAQOUS専用ポータル「AQUOS.jp」にYahoo! JAPAN for AQUOSのアイコンを追加。AQOUS.jpはAQUOSのブラウザ機能を使ってアクセスするが、Yahoo! JAPAN for AQUOSはAQUOS専用のアプリケーションとして提供されるサービスのため、PCのブラウザなどからは閲覧できない。
第1弾サービスとして「地図」「テレビでえほん」「Yahoo! トラベル 旅上撰」「テレビdeクッキング」「シカクいアタマをマルくする。」「スライドショー」「ニュース」「天気」「検索ランキング」「映画情報」「Yahoo!ショッピング 売れ筋商品ランキング」の12サービスを提供。いずれもテレビのリモコンから数字キーやカーソルキーなどで操作できるほか、地図情報サービスは国内で初めてフルHDに対応した地図情報をインターネット経由で提供。スライドショーは米Yahoo!の「Flickr」に対応し、Flickrで人気の写真を週替わりのテーマで自動再生する。
対応機種は、インターネット接続機能を搭載した「RXシリーズ」5機種、「GXシリーズ」24機種、「Tシリーズ」2機種の合計31機種。事前申し込みやユーザー登録などは必要なく、対応機種をインターネットに接続すれば利用できる。
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AQUOS専用ポータル「AQUOS.jp」にYahoo! JAPAN for AQUOSのボタンが追加
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地図サービス。フルHD表示に対応
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天気情報
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Flickrの人気写真を利用してスライドショー
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テレビでえほん
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リモコン下部の十字キーや4色キー、決定キーで操作できる
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■ 「2008年はインターネットテレビ元年」。ヤフーの利用時間拡大を狙う
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ヤフー 取締役最高執行責任者の喜多埜裕明氏
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シャープ 取締役 研究開発本部副本部長の千葉徹氏
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ヤフー 取締役最高執行責任者の喜多埜裕明氏は、「Yahoo! JAPAN for AQUOS」の提供に至った背景を説明。「これまでヤフーはインターネットの普及に邁進してきたが、インターネットの普及率が高まった次の命題は利用時間の拡大にある」とし、その解決策として「PCや携帯電話以外のデバイスにYahoo! JAPANを広げていく“Yahoo! EveryWhere構想”だ」と説明した。
この構想に基づき、これまでもゲーム機やカーナビ、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」向けサービス「アプリキャスト」のコンテンツ提供といった取り組みを実施しているが、その中でもデバイスとしてテレビは魅力的だと喜多埜氏は説明。日本でもトップクラスのPVである16億PVを誇るYahoo! JAPANの利用時間が月間3時間16分であるのに対し、テレビは1日平均で4時間15分、月平均で127時間と大きな差があると指摘。シャープやソニー、東芝、松下電器産業、日立などがインターネット対応テレビを発売している点にも触れ、「2008年はインターネットテレビ元年だ」と語った。
テレビはデバイスとしても魅力的であり、「画面もPCより大きく、最近のテレビは高性能で画質も高い」(喜多埜氏)。また、基本的に個人で利用するPCに対し、家族でも楽しめるテレビであれば、「放送とも違うテレビの使い方、パソコンとも違うネットの使い方が提供できるのではないか」とした。
シャープ 取締役 研究開発本部副本部長の千葉徹氏は、「PC、携帯電話に続く第3の波としてインターネットをテレビに広げたい」とコメント。「最近は携帯電話で物も買えるし電車にも乗れる。ネット対応テレビも同じように、単にネットにつながるというだけではない新しいライフスタイルが実現できる」とし、「そういう世界を目指してヤフーと連携した」と語った。
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Yahooo! Everywhere構想
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Everywhere構想実現に向けた取り組み
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巨大なテレビ市場
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テレビ向けサービスに参入
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■ テレビに最適化したサービス構成。シャープ以外の展開も今後は検討
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Yahoo! JAPAN for AQUOSのコンセプト
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ヤフー 事業推進本部 デジタルホーム事業室 プロデューサーの菅泉尚史氏は、Yahoo! JAPAN for AQUOSのサービス概要を説明。100を超えるYahoo! JAPANのサービスの中からテレビ向けのサービスとして「くらし」「おでかけ」「ファミリー」「エンタメ」という4つのコンセプトに適したサービスとして、今回の12サービスが選ばれたとした。
子どもからお年寄りまで幅広い世代の利用を想定し、付属リモコンのみで操作できる簡単な操作性を追求。画面のスクロールを極力減らし、12キーとカーソルキー、決定キー、4色のカラーキーのみで操作できるような設計になっているという。
また、「テレビは受け身的に利用するもの」という点も考慮し、Yahoo! JAPAN for AQUOSのトップメニューで一定時間が経過すると全12サービスのダイジェストを自動再生する機能も搭載。気になった機能は各サービスを指定して利用でき、「受け身的な使い方も目的を持った使い方も楽しめる」とした。
テレビの特性を活かした表現もコンセプトの1つで、地図サービスは1,920×1,080ピクセルのフルHD表示に対応。テレビでの表示を意識し、各サービスにはBGMを自動で再生する機能も用意した。
今後の方針としては、「まずは最初のサービスをしっかり展開する」(喜多埜氏)とし、有料サービスや動画配信サービスなどは利用状況を踏まえながら検討する。また、シャープ以外へのサービス展開については「今回の連携は排他的なものではない」との可能性を示した上で、「シャープはシェアも大きく技術力も高い。まずはシャープとの連携で成功しなければ」との考えを示した。
シャープも出資するアクトビラもテレビ向けポータルサービスを展開しており、AQUOSでもアクトビラに対応している。アクトビラとYahoo! JAPAN for AQUOSの棲み分けについて千葉氏は、「新しい世界を作るためには業界で協調する部分と、協調ではなく競争する部分が必要」と指摘。「いろいろなアイディアで試行錯誤していくことも必要。アクトビラでは協調していくが、同時に新しい試みや提案もしていかなければ本当の意味で棲み分けはできないだろう」との考えを示した。
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テレビ向けサービスを厳選
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リモコン操作で毎日使ってもらえるサービスを目指す
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受け身でも楽しめるインターフェイス
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フルHDを活かした画面構成
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■ URL
ニュースリリース
http://pr.yahoo.co.jp/release/2008/0514a.html
「Yahoo! JAPAN for AQUOS」プロモーションページ
http://aquos.yahoo.co.jp/
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(甲斐祐樹)
2008/05/14 19:14
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