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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ことのは出版「デジタルコンテンツ産業の1%をオーディオブック市場に」

ことのは出版代表取締役の野村香久氏
 ことのは出版は9日、新作オーディオブックの発表ならびに同社のオーディオブック事業に関する説明会を実施した。

 ことのは出版は、オーディオブック専門の出版社として2006年6月に創業し、2008年1月には有限会社から株式会社に組織変更を実施。また、3月には日本書籍出版協会の会員に、紙の書籍を出版していない出版社としては初めて認定されたとしている。

 株式会社化について、代表取締役の野村香久氏は「オーディオブックの訴求から始めた事業だが、そろそろ事業全体が見え始め事業展開を変えていこうと思った」と説明。また、日本書籍出版協会の会員に認定された件については「オーディオブックが出版界の一員として認められたと思う」とコメントした。

 野村氏は、デジタルコンテンツ産業におけるオーディオブックの位置付けについて「オーディオブックはニッチコンテンツ」と説明した上で、同社の事業をこれをキーワードとして展開することを説明。多彩な市場やカテゴリ向けにオーディオブックを提供することでオーディオブックの認知を目指し、デジタルコンテンツ産業の13兆円の市場規模のうち1%をオーディオブック市場として形成することを目標とする考えを明らかにした。

 また、「オーディオブック市場形成の速度をいかに早めるかが我々の使命」とした上で、オーディオブック市場の成長すを加速させるための資金政策や事業政策を実施。市場拡大の大幅な加速に耐えうる事業体制を整えた後に、コンテンツの制作量産化や営業力の強化などを行ない、ことのは出版の本格的なオーディオブック事業会社化を目指すとしている。

 このほか、市場形成の迅速化はことのは出版単体では不可能であるとして、コンテンツホルダーや出版業界、音楽業界、流通網などとの業務提携や資本提携を通じた業界の健全な提携が必要であると説明した。


ことのは出版の事業モデル オーディオブック市場形成の要素

現在のオーディオブック市場 ことのは出版の業務/資本提携

Audible日本支社の進藤公彦氏
 なお、事業説明会ではAudible日本支社の進藤公彦氏による米国のオーディオブック市場の説明も行なわれた。進藤氏によれば、米国での2006年度のオーディオブック市場規模は9億2300万ドルで、前年比5%増の成長をしているという。また、媒体別では音楽CDが77%と最も多く、ダウンロード販売は14%を占めるに留まっており、「米国では車内で聞くスタイルが一般的」とした上で「パッケージ、ノンパッケージの過渡期ではあるものの、世界的に見てダウンロード、携帯デバイスに移行するだろう」との見解をコメントした。

 オーディオブックの新作コンテンツでは、6月9日より寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」と「ふしあわせという名の猫」をオーディオブック化して配信。いずれも、朗読は歌手のカルメン・マキが担当する。また、久米繊維工業の社長による書籍「メール道」や「ブログ道」、ケータイ小説「もう少しだけ」、仏教書「本願寺朗読法話集」などをオーディオブック化して配信する。

 このほか、情報センター出版のオーディオブック配信代行も開始し、6月9日からは外国語学習コンテンツ「とにかく使える」シリーズを、7月からは「羅生門」「山月記」などの配信を開始する予定だ。いずれも、アップルのiTunesやUSENのOnGenなど、提携する配信サービスを通じて配信する。


寺山修司「書を捨てよ、町へ出よう」 (左から)説明会には、寺山修司作品を担当した。プロデューサーの水城雄氏と歌手のカルメン・マキも出席

関連情報

URL
  ことのは出版
  http://www.kotonoha.co.jp/

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(大久保有規彦)
2008/06/09 18:56


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