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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ソニー、アプリキャストのアプリ開発を個人向けに開放

 ソニーは、同社の液晶テレビ「BRAVIA」で提供しているコンテンツ配信機能「アプリキャスト」のアプリケーションを個人で開発できる開発ツールを9月17日15時に公開する。開発ツールは無料で、開発したアプリケーションは審査を踏まえた上で一般向けに公開される。


テレビと同時表示できるアプリキャストを個人が開発可能に

アプリキャスト
 アプリキャストは、テレビを視聴しながらインターネット経由での情報コンテンツを同時に閲覧できる機能。アプリキャストを起動するとテレビ画面の右側にアプリケーションが表示され、天気や占い、ニュース、RSSリーダーといった機能をテレビと同時に表示できる。

 アプリキャストのアプリケーションは9月17日時点で35種類が用意されているが、これまでアプリキャストの開発環境は法人のみに限定されていた。9月17日からはこの開発ツールを個人向けにも公開。ユーザーがアプリキャストのアプリケーションを自由に開発できるようになる。対応OSはWindows XPのみで、Vistaでの動作確認は行っていない。また、DirectX 9以上に対応したビデオカードが必要になる。

 アプリケーションの開発仕様はJavascriptとXMLをベースとし、容量は複数のアプリケーションを表示する時は300KBまで、1つのアプリケーションのみを全体表示する「アクティブモード」時は1.3MBまで。アプリキャストではデータをネットワーク経由で都度取得しているため、他のアプリケーションを非表示とすることで、1つのアプリケーションで利用できる容量を拡張できるという。

 Ajaxの動作やインターネット経由での画像読み込みも可能なほか、SSL通信もサポート。また、アプリキャストのアプリケーションからBRAVIAに搭載されたブラウザやフォトビューアーを起動することもできるが、チャンネル操作や番組表といったテレビとの連動は非対応。

 開発者向けには開発ガイドのほかにエミュレータも提供。作成したアプリをBRAVIAの疑似画面の中で起動し、動作を確認できる。エミュレータはテレビ本体とフォントが異なるといった点を除けばほぼ同等の表示が可能で、テレビに合わせてフレームレートを設定することも可能。なお、実際にアプリケーションを起動する際はテレビのフレームレート仕様に準じることになる。

 また、開発者向けのツールを利用すると、USBメモリに保存したアプリケーションをBRAVIAで動作させることも可能。ただし、これはあくまで開発者の動作検証向けであり、一般向け機能としては提供しないという。


エミュレータの画面。アプリキャストの動画をPC上で再現できる エミュレータでの表示イメージ

アプリケーションの中身。Javascriptファイルのみは1つに制限 エミュレータの設定画面

投稿コンテストも実施。「ニッチ」なアプリケーションに期待

ソニー テレビ事業本部 ソフトウェア技術部門 共通ソフトウェア設計部 APシステム設計課の岡本直也氏
 投稿されたアプリケーションはソニー側で審査を行った上で、基準を満たしたものは公式サイトで公開。他の公式アプリケーションと同様BRAVIAに登録できる。なお、アプリケーションはすべて無料となり、有料でのアプリケーション配信は現行の運用規定では行えないほか、配信もすべて公式サイト経由となり、自分のホームページなどでアプリケーションを配信することはできない。

 個人向けソフトウェア開発ツールの公開に合わせたコンテスト「テレビウィジェットコンテスト」も9月17日から2009年1月8日まで開催。投稿されたアプリケーションの中から審査員による審査を踏まえた上で、BRAVIAやBlu-ray Discレコーダ、デジタルカメラなどを賞品としてプレゼント。また、応募者全員にアプリキャスト特製ストラップをプレゼントする。

 ソニー テレビ事業本部 ソフトウェア技術部門 共通ソフトウェア設計部 APシステム設計課の岡本直也氏は、「企業が提供するアプリケーションでも、小ネタを提供する『Excite Bit コネタ』などが人気」とした上で、「今回の個人向け開発ではよりニッチに、100人に1人が面白いと思うようなアプリケーションを集めることで、ユーザーのより細かなニーズに対応したい」とコメント。

 また、「こうしたウィジェット的なサービスはすでに数多く存在するが、アプリキャストはテレビの中で表示できる点が他にはない特徴」と説明。公開されたアプリキャストの仕様を踏まえ、アプリキャストをPCで利用できるようにするアプリケーションなども開発は可能だが、ソニーとしてはテレビ向けのアプリケーション開発に注力するとした。

 アプリケーションの投稿目標数については「今までにない試み」と断った上で、「社内では60近いアプリケーションの投稿があった。一般投稿も100~200程度の投稿を期待したい」とした。


投稿されたアプリケーションの公開イメージ 社内で開発されたという囲碁のアプリケーション。テレビを見ながら棋譜を並べることができる

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200809/08-127/index.html
  アプリキャスト
  http://www.jp.sonystyle.com/Taiken/Original/Applicast/

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(甲斐祐樹)
2008/09/17 14:16


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