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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
ヤフーと小学館、小学館発行の百科事典を無料閲覧できるサービス

「Yahoo!百科事典」サービス開始にあわせて発表会が行われた。写真はヤフー 取締役最高執行責任者の喜多埜裕明氏
 ヤフーが運営する「Yahoo! JAPAN」は、小学館が発行する百科事典「日本大百科全書(ニッポニカ)」をオンライン百科事典として利用できるサービス「Yahoo!百科事典」を27日に開始した。

 「Yahoo!百科事典」は、さまざまな分野の専門家が執筆した「日本大百科全書」をデータベースとして、情報を無料検索・閲覧できるサービス。データは「自然科学」「医学・薬学」など16のカテゴリに分かれ、見出し語約13万語、キーワード約50万語を収録する。解説ページでは本文中にリンクを設置し、見出し語と関わりの深い語や関連語などの参照が可能。

 また、解説ページにはテキスト本文のほか、内容により静止画や音声/動画データを掲載する。配信形式はストリーミング、ファイル形式はWMV。ビットレートは300kbpsと56kbpsの2種類で、対応ブラウザはYahoo!動画に準じる。

 データ化にあたり、静止画は約5000点、音声/動画データはあわせて100点ほどを収録。紙媒体に掲載されている図版や写真の多くは別途著作権が存在するため、今回のサービスにそのまま掲載するものは少ないという。小学館では新項目の追加や改訂などを毎月実施。専任のチームを組み、30人体制で運営にあたる。

 ビジネスモデルとしては、ページ内容やユーザー履歴と連動した広告収入を予定するほか、他サービスとの連動や他媒体への提供などの可能性を挙げたが、まずは多くのユーザーに広めブランド力を高めるという。


Yahoo!百科事典 「Yahoo!百科事典」でピアノを参照したページ。写真下に音声データへのリンクを用意する

発表会で登壇した関係者ら。左から小学館 コミュニケーション編集局プロデューサーの森田康夫氏、小学館 専務取締役の中村滋氏、ヤフー 取締役最高執行責任者の喜多埜裕明氏、ヤフー 検索事業部の一戸美穂氏
 あわせて行われた発表会では、ヤフーの取締役最高執行責任者である喜多埜裕明氏が挨拶。「『日本大百科全書』はアカデミックな分野に強く信頼性が高い事典。単体のサービスというよりは検索サービスとコラボして使って欲しい」とサービス開始の喜びを語った。

 また、「Yahoo!百科事典」は開かれたサービスと説明。近日中に「Yahoo!検索」に「Yahoo!百科事典」のデータを反映させ、検索サービスの質を高めるとしたほか、「現在はヘルプページを設置しているが、今後はユーザーの意見を取り入れる窓口を設定し、改訂時に役立てたい」とした。

 次に小学館の専務取締役である中村滋氏が登壇。「日本大百科全書」について「1990年代まで百科事典という分野をひっぱっていった存在」とした上で、百科事典の需要について「印刷物としての百科事典は縮小し、ビジネスが成り立たなくなってきた。今回ヤフーと提携したことで1人がいつでも1個の百科事典を見られる時代になり、非常に期待している」と語った。


ヤフーが2007年9月に実施したオンラインアンケート「百科事典ニーズ調査」の結果。利用したい意向を持つユーザーは87%だったという 「Yahoo!検索」との連動を解説した図。Yahoo!検索の検索結果に、Yahoo!百科事典のデータを反映させるサービスを近日中に実施するという

関連情報

URL
  プレスリリース
  http://pr.yahoo.co.jp/release/2008/1127a.html
  Yahoo!百科事典
  http://100.yahoo.co.jp/

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(村田奏子)
2008/11/27 19:35


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