楽天トラベルが運営する宿泊施設検索サイト「楽天トラベル」は12日、2008年に予約実績などで評価の高い施設を表彰する「楽天トラベルアワード2008」関東地区を発表した。
発表会では、楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏と、楽天トラベル 代表取締役社長 岡武公士氏が登壇し、「楽天トラベル」の今後の方向性などを語った。
■ 不況でも「ネットビジネスは比較的順調」。実働会員数は7000万人を目標
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楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏
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登壇した三木谷氏は、楽天のネットビジネス全般を説明。リーマン・ショックから始まる金融不安に触れながらも、「ネットビジネスは比較的順調」と自社の株が2008年と比較して約20%上昇したことを挙げた。2008年末の楽天の会員数は、ユーザーが利用していないIDも含め4700万人とし、実働会員数7000万人が目標だと語った。
楽天トラベルについては、「2008年度の集客力ではJTBを超えているのでは」と予測。楽天トラベルの予約流通額は対前年比で15.7%増加したが、米国のオンライン旅行市場と比較すると小規模だとし、「ネットと旅行の相性はいい。普及率を高めたい」と語った。
また、ネットビジネス成功の要因として、「高い商品性」「信頼感の達成」「コミュニケーション」の3点を提示。楽天トラベルにおける「高い商品性」の例として、前年度から流通額が128%増加した「ANA楽パック」や、割れたせんべいを格安で販売した「こわれせんべい」を挙げた。
「信頼感の達成」としては、ネットのレビュー機能を最重要と位置付けており、その理由について、一定の商品が売れるのは「ネットの口コミ情報で購入するから」とコメント。2009年1月に2000以上となった楽天市場のレビュー件数を「1億までもっていきたい」と語った。また、「厳しいレビューに真摯に対応することがユーザー評価に繋がる」とコメントし、デザインの変更や、具体的なご当地情報を盛り込んだ返信メールも有効だとした。
「コミュニケーション」では、コミュニティ機能や楽天ブログとの連携などを強化したいと述べ、施設の周りにネット上のコミュニティを構築することが大事だとした。また、モバイルでのネット利用を「日本のインターネット利用と同等」とし、モバイル強化を進めていくと語ったほか、現在12社の支社を拡大し、地方密着のサポートを行うとした。
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「楽天トラベル」予約流通総額の推移
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米国とのオンライン旅行市場の比較
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楽天市場の高い商品価値の例
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返信メールには当地の具体的な情報を入れることで「また来たい」と思わせるという
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■ 2009年は地域情報の発信を重視。旅行に行きたいと思わせる情報を提供
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楽天トラベル 代表取締役社長 岡武公士氏
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続いて登壇した楽天トラベル 代表取締役社長 岡武公士は、施設事業者向けに楽天トラベルの展望を語った。
楽天トラベルのサービス利用者は2008年12月に1億2000万人を突破し、総流通額は昨年比で18.4%増加したという。今後は「地域情報の発信を重視する」と発言。ご当地クーポンの発行による需要喚起や、事業者向けのユーザーの正確なルートマップを「2009年前半に提供したい」とした。
このほか、支援システムの手数料を無料化し、ユーザー志向に合わせたマーケティングツールの提供、海外拠点の拡充、1人旅の特集、プランの英訳などを予定。2009年の戦略として、レジャー・ビジネス向けの需要に応え、地域情報やサービスの充実の総合化を目指すとした。
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利用しやすいUIやコンテンツなどの例
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ポイントサービスとの連携によりビジネス需要を喚起
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■ URL
楽天トラベル
http://travel.rakuten.co.jp/
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(村田奏子)
2009/02/12 20:01
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