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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
三菱など3社、置くだけでネットワークに自動接続する無線センサー端末

ネットワーク構成例
 三菱電機、千歳科学技術大学、日本アレフは、設置するだけで自動的にネットワークへ接続できる低消費電力無線センサー端末を開発したと発表した。2005年度をメドに製品を予定し、2004年中にも検証実験を実施する。

 今回発表されたのは、アクセスポイントを必要とせずにネットワークを構築できるアドホック接続型の端末。無線方式は、429MHz帯の周波数を用いた免許不要の特定小電力無線で、通信距離は50メートル以上、帯域は2.4kbpsで通信が可能だという。各端末間は、自動的に通信を行なうことでネットワークを構築するとともに、データの中継通信も可能なほか、構築した通信経路が遮断された場合にも、他の通信経路を検索・再構築ができる

 また、低消費電力を実現するため、負荷が少ない場合に不必要な機能の電源を制御、プロセッサーのクロック周波数を切り替える「動的電力制御技術」を搭載する。これにより、電力制御をしていない端末と比較して消費電力を3分の1まで低減し、市販のボタン電池を使用して10秒間の無線通信を30分間隔で行なった場合でも1年以上の連続動作が可能だという。

 本体サイズは30×40mm(幅×高)と小型サイズを実現し、三菱電機など3者では日本国内で429MHz帯を使用した特定小電力無線機の中では最小クラスの端末としている。また、本端末はデータや認証処理を端末自身で行なうため、プロセッサーに16bitの「M16C」、OSには「μITRON」を搭載する。

 三菱電機など3社は、開発した低消費電力無線センサー端末を人間の存在を関知する赤外線パッシブセンサーや、扉の開閉を検知するマグネットセンサーなどのホームセキュリティーシステムに適用可能と説明。また無線通信を利用し、自動的にネットワークが構築可能なことから、配線工事や設定など初期費用を抑えることが可能とし、今後は2005年度中の製品化に向けて実証実験に取り組んでいくという。


無線センサー端末(試作機)。三菱電機では端末単体の価格を数千円以下としたい考え 100円玉との比較。右側の端末は、センサー基盤を取り付けたもの

動的電力制御技術を利用しない場合との比較

関連情報

URL
  三菱電機
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/
  千歳科学技術大学
  http://www.chitose.ac.jp/
  日本アレフ
  http://www.nippon-aleph.co.jp/


(村松健至)
2004/01/26 14:45
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