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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
TTCスペクトル管理SWG、上り帯域拡張方式の結論出ず

 社団法人情報通信技術委員会(TTC)DSL専門委員会スペクトル管理サブワーキンググループ(SWG)の第12回会合が11日に都内で開れた。今回の会合では、2003年11月以来その取り扱いを巡って議論が続いていた上り帯域拡張方式(EU方式)の扱いについて一定の結論が出ることが期待されていたが、今回行なわれると見られていた表決は結局行なわれず、結論は上位委員会であるDSL専門委員会での議論に持ち越されることになった。


事前のDSL事業者間協議ではJANIS案にNTT東日本らが妥協

 スペクトル管理基準を定めた文書であるJJ100.01の改版を行なう」と一旦は合意。しかし、その後の議論において全く合意が得られていなかった。そのため事業者間の合意を目指し、前回会合の後5月28日に急遽DSL事業者間協議が行なわれたことが本会合の席上で報告された。

 同協議にはNTT東日本、NTT西日本、ソフトバンクBB(SBB)、長野県共同電算(JANIS)、イー・アクセス、TOKAI、アッカ・ネットワークスの7社が出席。3時間以上の議論の結果、JANISが以前から主張する「下り4Mbps以上の速度を担保できる制限」という案にNTT東日本らが妥協する形で賛同を表明し、本会合ではその案を具体的な距離制限やバンドプランの形に落とし込む作業を行なうことで合意したという。ただあくまでそれらは暫定的な基準であり、JJ100.01の改版作業は引き続き進め、11月30日までに改版作業を完了させることも合意されたとしている。


SBB案に同意多数も、上り帯域の上限で対立

 これを受けて本会合では、当面EU方式を導入するにあたっての暫定基準について議論が行なわれ、SBBから提案された「現行のJJ100.01・第2版の計算ルールで下り4Mbps以上の伝送速度を確保できる距離をベースに、安全マージン確保のためにそこから500mをマイナスした値を距離制限とする」という案に多くの参加者が同意。ただ、EU方式で使用する上り帯域の上限については「276kHzを上限とすべき」と主張するSBB、アッカらと「483kHzまでの拡張を認めるべき」と主張するイー・アクセス、TOKAI、NTT東西らの対立が続いた。

 これ以外にも、前々回からConexantが提案している、上り帯域として4MHz以上の周波数を使用する「SUQ方式」の取り扱いや、万が一11月30日までにJJ100.01の改版作業が完了しなかった場合の取り扱い(EU方式の新規導入を一切停止するか、暫定合意の基準のままの運用を続けるか)などを巡っても意見の対立が続き、妥協案も複数出されたものの、意見の一致を見るには至らな
かった。


今回の会合ではEU方式の扱いは決定せず、25日のDSL専門委員会で表決

 そのため議長の池田佳和氏からは「表決によって暫定基準を決してはどうか」との提案が出されたが、これにはSBBが「TTCの会議運営規則において表決が認められているのはあくまで専門委員会の話であり、本SWGは上位委員会であるDSL専門委員会で『合議制で運営する』ことが合意されているのだから、表決を行なうなら本SWGではなくDSL専門委員会で行なうべき」と反発。また、アッカやJANISが「この場でどの案を選ぶか即答することは困難であり、1カ月の猶予が欲しい」と表明するなど、この場での表決に反対する意見が相次いだ。これに対しイー・アクセスらは「表決を行なうならこの場で行なうべき」と主張したが、結局この点についてはSBBの意見が通り、本会合では表決は行なわれないことになった。

 今後は今日の議論の結果を各社が持ち帰り、あくまで2週間後をめどに合意形成を目指すものの、もし合意が形成できない場合は、今のところ25日に開催される予定のDSL専門委員会において表決を行なう見込み。ただし表決に持ち込まれた場合でも、暫定合意の成立のために必要な賛成数についてJANISは「本合意がTTCの標準案に準ずると判断される場合には、有効票の5分の4以上の賛成が必要になる可能性がある」と指摘しており、その場合には暫定合意の成立が困難になる可能性が高く、EU方式の導入にこれで一応の決着が付くかどうかは依然として不透明な部分も残されている。


関連情報

URL
  TTC DSL専門委員会スペクトル管理SWGに関する情報
  http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/dsl.html

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(松林庵洋風)
2004/06/14 13:01
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