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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
PSPが国内初披露。インターネット対戦やUSBでのPS2連動機能をサポート

PlayStation Meeting 2004では、PSPに加えてUMDやパッケージサンプルも展示された
 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)は、7月12日に開催された「PlayStation Meeting 2004」で、携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」を公開した。国内発売は年内を予定し、価格は現在のところ未公表。なお、欧米での発売も2004年度内を予定しているという。

 PSPは、最大容量1.8GBの光ディスク「Universal Media Disc(UMD)」を採用、ゲームのほかに映画や動画コンテンツも利用可能な携帯型ゲーム機。IEEE 802.11b準拠の無線LAN機能を搭載し、インターネットを介したオンラインゲームやコンテンツの利用に加えて、PSPを最大16台まで接続できるアドホックモードをサポート。これにより、PSP間で無線通信による対戦ゲームが可能になる。

 プレイステーション 2(PS2)と接続が可能なUSB 2.0ポートも搭載。PS2からのデータ転送や連携ゲームの投入も予定しているという。また、同社ではPSP向けの専用USBカメラやヘッドセットの発売も予定。USBカメラを利用したPS2向けソフト「EyeToy:Play」を発展させたゲームの投入や、無線LAN・USBカメラ・ヘッドセットの3ツールを活用したタイトルの開発を行なっていく考えも示した。

 UMDの単価は1枚あたり250円で、同社によれば、DVDの製造原価(1層式200円、2層式300円)に近い価格を実現しているという。また、生産期間についてもDVD-ROMとほぼ同等の期間であることから、「UMDを採用したことで、携帯型ゲーム機で初のディスクビジネスが可能になった(SECJの竹野史哉プレジデント)」としている。

 このほか本体仕様として、16:9の4.3インチワイドスクリーンTFT液晶を採用。ディスプレイの最大解像度は480×272ピクセルで、メモリースティックスロットや内蔵ステレオスピーカー、外部ヘッドフォン・マイク・コントローラーが接続可能な一体型端子も用意される。本体サイズは、約170×74×23mm(幅×奥行×高、最大突起含まず)で、バッテリーを含んだ重量は約260g。

 同社ではPSPの開発ツールとして、ソフトウェアエミュレータをソフトウェアメーカーに提供。「これによりハード開発初期から対応ソフトの開発が可能になった」(SCEIの茶谷公之CTO)という。また、ネットワーク対応のツールやUSB拡張機器対応ツールもメーカー各社に提供も行なっていく。


イベントではゲームプレイが可能なPSPも展示(写真はセガの「ぷよぷよフィーバー」) SCEIの「どこでもいっしょ(仮称)」 PSP上での動画再生デモも

PSPという初めての娘がPSファミリーに誕生する(久夛良木社長)

久夛良木社長
 イベントでは、SECIの久夛良木健代表取締役社長兼CEOからの冒頭挨拶も行なわれた。久夛良木社長はまず、PSの累計出荷台数が2004年5月に1億台を達成したことや、PS2の出荷台数が7,160万台を突破したことに関して関係各社に謝意を述べた。その上で、PSPについて「プレイステーションというゲーム機を家だけではなく、あらゆる場所に持って行って貰えるように開発を行なった」と開発経緯を説明した。

 また、PSPを娘に例え、「長男(PS)、次男(PS2)に続いて、PSPという初めての娘がPSファミリーに誕生することを日本市場に対して発表させていただく」とコメント。PSPを三男ではなく娘と例えた点について同社長は、「長男・次男は必然的に開発されたハードだが、PSPは授かりものに近い製品であるため」と語っていた。

 あわせて、久夛良木社長は次世代プレイステーションの開発スケジュールを明らかにした。それによれば、2004年度末にプレミアイベントにて発表。2005年のE3で出展した後、東京ゲームショウでプレイアブル展示を行ないたいという。


各プラットフォームの投入スケジュール PS2の地域別出荷台数

無線LAN機能に注目している(コーエー・シブサワ氏)

コーエーのシブサワ・コウ氏
 PlayStation Meeting 2004では、ソフトウェアメーカー各社も出席。このうち壇上に立ったコーエーのシブサワ・コウゼネラルプロデューサーは、「PSPの中で一番注目しているのは無線LAN機能。携帯型ゲーム機で無線LANを使ったゲームを楽しむことができるのは、ユーザーにとって新しい醍醐味になる」とPSPに対する期待を語った。またシブサワ氏によれば、真・三国無双シリーズを含め合計3タイトルをPSP同時発売タイトルとして投入する予定だという。

 続いて、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)の第2制作部A&R課の山本吉輝氏がPSP向けの翻訳ソフト「TALKMAN」のデモを行なった。TALKMANは、日本語や英語など9カ国対応したソフトウェアで、マイクを利用して音声入力されたフレーズを指定の言語に翻訳、スピーカー出力する。発音ゲームや聞き取りゲームなどのコンテンツも用意され、山本氏は「単なる翻訳ソフトではなく、PSPならではのエンタテインメント性をもったタイトルにしていきたい」と語った。

 また、SCEJの桐田富和シニアバイスプレジデントも壇上に立ち、「長年の願いであった携帯型ゲーム機向けのソフトが開発できることに喜びを感じている」とコメント。同氏は、すでに発表している「どこでもいっしょ」「グランツーリスモ4 モバイル」などのタイトルに加えて、「TALKMAN」や「ポポロクロイス物語」など新たに5タイトル(いずれもタイトルは仮称)が開発中であることを明らかにし、千葉県・幕張メッセで9月に開催される展示会「東京ゲームショウ2004」でプレイアブル出展したい考えをあわせて示した。


デモが行なわれた翻訳ソフト「TALKMAN」 マイクを利用して日本語の入力を行なうと指定した言語に翻訳される 日本語から英語へと変換したところ。翻訳したフレーズはスピーカー出力される

関連情報

URL
  SCEI
  http://www.scei.co.jp/

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(村松健至)
2004/07/12 22:20
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