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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
アセロス、動画伝送向けのIEEE 802.11a/b/gチップセット「AR5005VA」

AR5005VA

miniPCIインターフェイスのリファレンスボード「AR5005VA-5X」
 アセロス・コミュニケーションズは、IEEE 802.11a/b/gに準拠した動画伝送向けの無線LANチップセット「AR5005VA」を発表した。現在サンプル出荷中で、価格は4アンテナ構成のチップを10,000個受注した場合で20ドル以下。

 AR5005VAは、家庭用のビデオやオーディオ機器を無線化するためのチップセットで、マルチ無線/スマートアンテナ技術、MIMO(Multi Input Multi Output)、IEEE 802.11nの要素技術などを盛り込んだアセロスの独自技術「VLocity」を初めて採用した製品。QoS規格のIEEE 802.11eに準拠し、6Mbps~8MbpsのDVD映像の複数伝送や19Mbps~24MbpsのHDTV映像が安定して伝送できるとしている。

 マルチ無線/スマートアンテナ技術は、特定方向から受信した複数の信号を合成する受信合成ダイバーシティ機能、データ送信時にアンテナの方向をコントロールする送信ビームフォーミング機能を用いて、無線による伝送効率を高めるというもの。アセロスによれば本技術を利用することで最大10dBのリンク利得が発生するとしている。

 本体はminiPCIインターフェイスを採用するほか、MPEGインターフェイスで直接MPEGエンコーダ/デコータチップへの接続が可能。また、DLNA(Digital Living Network Alliance)のガイドラインに準拠、MPEG-TSパケットのIPカプセル化やデジタル著作権管理向けの暗号化もサポートしている。

 アセロスによれば、従来までの無線LANチップセットやコントローラは設計面において複雑かつ独自性を持っていたため、ビデオやオーディオ機器などを含むマルチメディア分野での利用が難しかったという。AR5005VAはテレビやSTB、Windows Media Center用のチップセットなどを直接サポートするほか、DLNA規格に準拠することで無線のインターフェイスを有線と同程度まで容易に扱うことができるとしている。

 アセロス・コミュニケーションズ マーケティング・ビジネス開発担当バイス・プレジデントのコリン・マクナブ(Colin L.M. Macnab)氏は、「アセロスは実効スループットの面ではすでに十分なレベルに達している」とした上で「今後は単にスループットを向上させるだけではなく、家庭内での映像伝送といった利用方法のために安定かつ高品質な帯域を確保する必要がある」とコメント。AR5005VAで信頼性の高いワイヤレスホームネットワークが構築できるとした。


アセロスが考えるホームネットワークの進化 IEEE 802.11でカバーするスループットとソリューション

AR5005VAがサポートするマルチ無線/スマートアンテナ技術 AR5005VAのリファレンスデザイン

関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.atheros.com/news/AR5005VA.html

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(甲斐祐樹)
2004/07/21 13:53
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