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コーエー、Yahoo! BB会員専用のPCオンラインゲーム「真・三國無双BB」
(左から)発表会に出席した小松コーエー社長、孫ソフトバンクグループ代表、襟川コーエー会長、孫BBサーブ社長、松原コーエー執行役員
コーエー、ソフトバンクBB、ビー・ビー・サーブ(BBサーブ)の3社は、コーエーのアクションゲーム「真・三國無双シリーズ」のPC向けオンラインゲーム「真・三國無双BB(仮称)」の企画開発・販売について業務提携、9月より開発を開始したと発表した。3社では2006年春をめどに、Yahoo! BB会員向け専用タイトルとしてサービス提供を開始する予定だ。
真・三國無双シリーズは、2~3世紀の中国・三国時代を舞台に最大1km四方のステージで戦闘を繰り広げるアクションゲーム。2004年8月現在のシリーズ累計出荷実績は700万本を突破している。「真・三國無双BB(仮称)」では、コーエーが企画開発を担当、BBサーブが資金提供を含めた開発支援およびパッケージ販売、ソフトバンクBBがネットワークインフラを手がける。
真・三國無双BBは、「“一騎当千”の爽快感をオンラインへ」というコンセプトのもと開発が進められ、最大で千人規模の戦闘が可能な多人数参加型アクションゲーム。ゲームシステムとしては、プレイヤーは自分の分身となるキャラクターを作成し、有名武将が率いる軍団の配下となってゲームが進んでいく。ゲーム中には、コミュニケーションスペースとして都市が用意され、戦闘シーンへはそこから出陣する形をとる。
戦闘モードは、シングルプレイおよび少人数プレイが可能な「少人数戦闘モード」や、軍団の命令を受け数十人~数百人規模のユーザーが参加する「多人数戦闘モード」のほか、軍団同士で戦闘を繰り広げる千人規模のユーザーが参加する「大人数戦闘モード」の3種類が用意される。
プレイヤーは、命令をクリアすることで出世していくとともに、使用する武器やアイテムなどを鍛えることによりキャラクターの成長が可能となっている。コーエーでは「数年にわたってユーザーにプレイしてもらうため、成長システムは重要な要素である」と位置付けている。
ゲームサポート面については、従来のユーザーの不満を解消とする目的ではなく、ユーザーの満足度向上を目指したものへと発展させたい考えで、ゲームマスター(GM)による多彩なイベントを企画していくという。また、これまでのオンラインゲームタイトルで蓄積したMMO運営の経験を生かして、よりクオリティの高い運営サービスを図るとしている。
コーエー、ソフトバンクBB、ビー・ビー・サーブ(BBサーブ)の3社は、真・三國無双BBのサービス提供を通じて、日本国内における新たなオンラインゲーム市場の開拓を目指す方針で、その上で海外市場についても共同で展開していく予定だという。なお、今回の業務提携はPC向けの「真・三國無双BB」に関するもので、コンシューマ機などでの展開は現時点では対象外となる。また、すでにコーエーが発表しているPC向けMMORPG「大航海時代 Online」は、従来通り同社単独でサービス提供が行なわれる。
真・三國無双BB(仮称)のゲームシステム
キャラクターはプレイヤー自身で作成できる
武器やアイテムの成長もゲームの重要要素の一つになるという
プレイヤーは有名武将の配下になってゲームを進めていく
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「No.1オンラインゲームの共通点はソフトバンク」(孫正義代表)
握手を交わす孫正義代表と襟川恵子会長
コーエー、ソフトバンクBB、BBサーブの3社は、業務提携にあわせて発表会を開催。会見には、コーエー側から襟川恵子代表取締役会長、小松清志代表取締役社長、松原健二執行役員が、ソフトバンクグループ側から孫正義ソフトバンクグループ代表、孫泰蔵BBサーブ代表取締役社長が出席した。
最初に登壇したコーエーの襟川恵子会長は、PC黎明期から孫正義氏と付き合いがあるとのことで「昔から孫ちゃん孫ちゃんと呼ばせてもらっているので、孫代表と改めてお呼びするのは今回が初めて」と親密ぶりを披露。だが、今回の提携については「20数年来の付き合いから生まれたものではない」という。襟川会長によれば、孫正義氏の弟である孫泰蔵BBサーブ社長から「真・三國無双をオンラインゲームとして配信できれば、すばらしいサービスが提供できるのではないか」と申し入れがあり、今日の提携に至ったと説明した。
襟川会長は最後に「これからコーエー全社員の力を振り絞って、三國志という全世界から愛されている歴史的なストーリーをベースにしたオンラインゲームを世界に先駆けて提供できるのは幸いである」と語った。
続いて、ソフトバンクグループ代表の孫正義が檀上に立った。孫代表は、同グループが現在ADSL接続サービス「Yahoo! BB」を中心にブロードバンドサービスの展開を図っている中で、真・三國無双BBをYahoo! BB会員専用サービスとして提供できるのは、「Yahoo! BBの更なる発展のためにも、欠かすことにできない武器になると信じている」と語った。
業務提携による3社の役割
また、コーエーとの提携に至った背景には、20年来の人的な交流に加えて、技術的な背景もあるという。孫代表は「これまでオンラインゲームといえば、トランプや囲碁といったシンプルなゲーム、もしくはロールプレイングゲームなどあまりスピードを伴わない作品が多かった」と指摘。一方で、「真・三國無双BBでは、同シリーズと同様にアクションゲームとしての爽快感が求められており、プレイヤーがボタンをクリックしたら瞬間的にキャラクターが動作する環境が必要である」として、具体的な伝搬時間(レーテンシー)として50ms程度が求められると説明した。
この数値について、孫代表は「これまでのオンラインゲームと同様にナローバンドとブロードバンドが混在している環境や、ISPが複数介在している中では150msぐらいのタイムラグが発生してしまう」と、ホールセールなどを行なう事業者ではオンラインアクションゲームを提供するのは難しいとの考えを示した。その上で、「ソフトバンクグループでは、ブロードバンドの回線とサービスを単独で提供しているため、スピードのラグなどに強い」と強調した。
続けて、孫代表は「日本・中国・韓国の各国で1番の会員数を持つオンラインゲームの共通点は、オペレータがすべてソフトバンクグループだということ」と語り、同社グループが国内外で展開するオンラインゲーム事業の好調ぶりを説明した。また、ネットカフェ流通事業については、「1,500店以上のネットカフェでソフトバンクグループが提供するオンラインゲームタイトルが提供されている」と語り、「ネットカフェでオンラインゲームを体験して貰い、自宅で有料会員になってもらいたい」と、オンラインゲーム事業におけるネットカフェの重要性を語った。
また、孫代表は「ソフトバンクグループに欠けていたシンプルなゲーム」についても、9月13日付けで韓国のゲームポータル「ネットマーブル」を運営する事業者と合弁会社を設立して、Yahoo! BB会員向けにサービスを提供すると語った。
ソフトバンクグループのブロードバンド事業におけるビジネスモデル
ガンホーの「ラグナロクオンイン」では、プレイ時に必要なアトラクションID登録数が64.7万IDを超えたという
NCジャパンのリネージュシリーズ。孫代表は、ラグナロクに次ぐ会員数を持つと認識しているという
登録ユーザー数2.4億人の中国オンラインゲームオペレータ「Shanda」にもファンド経由で投資を行なっているという
韓国のゲームポータル「ネットマーブル」も、合弁会社を設立して日本で展開するという
ネットカフェ流通事業の推移
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初年度会員数は30万人を想定。光ファイバ版「Yahoo! BB」での提供も
BBサーブの孫泰蔵社長は、真・三國無双BBの事業展開について説明した。孫社長は、詳細については今後決定するとしたものの、メディアはDVD-ROMで提供する予定だという。同タイトルではオフラインモードも用意され、孫社長は「オフラインでゲームを楽しんでもらった上で、オンラインゲームへシームレスに移行してもらえれば」と語った。
また、BBサーブのミッションとして孫泰蔵社長は「オンラインゲームの開発を推進していくことだ」と説明し、今回の業務提携に際しプロジェクトチーム「#8(ナンバーエイト)」を設立したことを明らかにした。プロジェクトでは、オンラインゲーム開発会社に投資を行ない、Yahoo! BB特典もしくはBBサーブ特典タイトルを獲得するとともに企画段階から参加する。そして、Yahoo! BBの新しいサービスやテクノロジーの情報を提供して、次世代のオンラインゲーム開発を支援していくという。
その上で、メジャータイトルやコアファン、新しいコンセプトを持つといったいずれかに該当するゲームのオンライン化を支援し、バランスの良い投資を行なっていくという。加えて、同社が運営するオンラインゲーム情報サイト「4Gamers.net」やポータルサイト「BB Games」、ソフトバンクBBが展開するネットカフェの流通チャネル網も最大限の活用していく考えを示した。
コーエーの松原健二執行役員は、真・三國無双BBのゲーム概要や動作環境について説明した。動作環境について松原氏は「2006年の段階で普及機レベルのパソコンでも動作するスペックにしたい」と見通しを示した。また同社では、初年度のユーザー数は30万人を想定、売り上げについては40億円を目指していくという。
最後に登壇したコーエーの小松清志社長は「今回ソフトバンクグループと提携したことで、真・三國無双シリーズなどアクションゲームをオンラインで提供するための技術的な問題が解消され、開発・提供のめどがたった」と説明。加えて、3社が協力することで「サービス・インフラ・コンテンツの全てが揃うため、『ここまでしか作れませんでした』という言い訳はできなくなる」と語り、「3社が全力をもって、このビジネスにあたっていかなければならない」と今回の業務提携にあたっての意気込みを示した。
なお、サービス提供は2006年春となり、この頃には光ファイバサービスについても一定の普及が進んでいることが考えられる。この点について、ソフトバンクグループでは「ADSLはもちろん、光ファイバサービスも展開する予定だ」として、真・三國無双BBについても、ADSL、光ファイバ双方のYahoo! BB会員向けに提供するとしている。
BBサーブのオンラインゲーム開発投資事業について(その1)
BBサーブのオンラインゲーム開発投資事業について(その2)
#8(ナンバーエイト)の役割
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URL
ニュースリリース
http://www.softbankbb.co.jp/press/2004/p0913_2.html
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(村松健至)
2004/09/13 18:59
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