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SEGA link
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セガは、オンラインゲームやコミュニケーションサービスを提供するポータルサイト「SEGA link(セガリンク)」を開設すると発表した。当初は、技術検証を目的とした5,000名限定のクローズドベータテストが2月17日から3月9日まで実施され、2月9日より事前登録が受け付ける。
SEGA linkは、ゲームや占い、映像コンテンツ、ホームページ機能、アバター機能などを提供する総合サイト。同社では、既存のブログサービスやソーシャルネットワークサービス(SNS)、コミュニティサービスを参考に、日本向けに新たな機能やサービスを企画・デザインしたとしており、抵抗感なくSEGA linkを利用できると説明している。
正式サービス時の基本料金は無料で、アバターやホームページアイテムの課金や、有料ゲームなどのコンテンツ課金で収益化を図る。また、具体的な料金体系やサービス内容は未定だが、月額制による「プレミアムサービス」も提供していくという。なお、課金決済はサイトの通貨「セガキャッシュ」を利用する。このほか、マイレージポイント制度なども導入するという。
■ メガドライブやPC向けに提供したゲームタイトルも用意
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マイホームページ画面
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ゲームコンテンツは、大富豪やポーカー、SEGA linkオリジナルのターン制おはじきゲーム「ロケットロール」などのオンラインゲームを提供する「シンプルゲーム」が無料でプレイできる。また、シングルプレイとなるがメガドライブで発売したゲームタイトルも、サービス開始時に約20タイトル、将来的に100タイトルの配信を予定。
加えて、PC向けにパッケージ販売したタイトルや、オンラインゲーム「ファンタシースターオンライン ブルーバースト」「ダービーオーナーズクラブ オンライン」のダウンロード提供も行なわれる。なお、オンラインゲーム2タイトルについては、各公式サイトで別途ゲームアカウントを取得する必要がある。
コミュニティコンテンツとして提供されるのは、アバターを利用できるマイホームページ機能や友だち登録機能、チャット機能、掲示板機能など。マイホームページでは、自分が登録した友だちリストや、今日の占いなども表示が可能で、日記へのコメント機能なども備える。加えて、新着機能や、足跡機能やフォトアルバム機能なども提供される。なお、友だち登録機能では一時的に許可・拒否を保留できるリスティング機能も利用できる。
映像コンテンツは、7人の映画監督によるショートフィルム「Jam Films」や、ヨーロッパのショートムービー、スポーツ映像などを配信する。視聴料金は数十円から数百円程度を予定する。また、Webラジオ番組も用意され、週刊アスキーで「カオスだもんね!」を掲載する漫画家の水口幸広と担当編集者による番組や、音楽番組が配信される。
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SEGA linkゲームページ
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こちらは占い画面。毎日の占いは無料で利用できる
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このほかSEGA linkは、HTML形式のメールマガジンを毎週1回発行するほか、セガ主催のイベントもクローズドベータテストでは毎日1回開催していくという。
クローズドベータテストは、2月17日15時から3月9日15時までの期間限定で実施され、期間中は全コンテンツが無料で利用できる。クローズドベータテスト後は、誰でも参加できるオープンベータテストへ移行。その後、1カ月から2カ月程度の期間を経た上で、正式サービスを開始するとしている。
■ サービス開始後、1年でユーザー数を100万人に
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セガの森下事業部長
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SEGA linkの発表に合わせてセガでは、イメージキャラクターの鈴木杏も出席した説明会を開催した。
SEGA linkの事業説明を行なった、同社ネットワーク戦略事業部の森下英昭事業部長は冒頭、「2004年にブロードバンドユーザーが全体の半数を超えたが、最も利用するサービスはメールが未だに1番多い」と語った。その一方で、コミュニティサービスのほか、ホームページ作成やブログサービスなども広がりをみせているが、「インターネットでユーザーがやりたいことは、まだまだ不足している」と付け加えた。
その上で森下氏は、「オンラインゲームの本当の楽しさはコミュニケーションにあるが、敷居の高さもある」とし、「コアなゲームだけでは、市場規模の拡大が望めない」と説明。そのため同社としては、コミュニケーションのための娯楽性とコンテンツを充実させたSEGA linkの提供を通じて、「ネットワークユーザーを育成して市場全体の活性化を図り、オンラインゲームの潜在顧客を開拓していきたい」と、SEGA linkのサービス開始についての経緯を述べた。
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オンライン市場の分析
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セガのアプローチ
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SEGA linkのコンセプト
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課金プラットフォームとしての活用も
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SEGA linkのサービスロゴ
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なお、SEGA linkでは形が一定しないクレイ(粘土)状のロゴを採用する。同社は、「人それぞれに形を作り、それが変化していくイメージ」からロゴを作成したとのことで、森下氏は「セガの従来のロゴとは異なる、かなりチャレンジしたものだとおわかりいただけるのでは」と述べた。
続いて、SEGA linkのサービス説明を行なった染谷光廣SEGA link総合プロデューサーは、SEGA linkに関して「ブログやSNS、韓国のコミュニティサイトを代表とした各サービスでの遊び方を取り入れた」とコメント。また、既存のサービスについて「韓国や米国のサービスをそのまま持ってきているサービスも少なくなく、日本人にはちょっと楽しみにくい部分もあると感じ、SEGA linkを企画した」という。
■ 「日記への反応や、友だちが増えていくのが楽しい」(鈴木杏)
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鈴木杏とセガの染谷プロデューサー
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実機デモを交えた染谷氏のサービス説明の間には、SEGA linkイメージキャラクターに採用されたタレントの鈴木杏も登場した。
鈴木は、イメージキャラクターに決定して以降、SEGA linkのテストユーザーとして参加しているという。「私もこれまではメールを中心にしかインターネットを利用していませんでしたが、SEGA linkに参加してからは毎日サイトにアクセスするようになった」とコメント。SEGA linkでは「日記への反応や、友だちリストに友だちを追加できるのが1番楽しい」と語った。
また、「SEGA linkをはじめてから、タイピングのスピードもあがりました」とのことで、デモンストレーションで行なわれたチャットでは実際に自分でキーボード入力を行なっていた。
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会場で行なわれたデモでは、終始自らタイピングしていた鈴木杏
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チャット画面
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小口社長。「情報のヤフー、ECの楽天というように、遊びコミュニティのSEGA linkを目指したい」と意気込みを語った
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チャットのデモンストレーションで鈴木杏の相手を務めたのは、セガの小口久雄代表取締役社長兼COO。デモンストレーション後に登壇した小口社長は、「ビデオゲームを核に当社は成長してきたが、ハードウェアやCG技術の向上により、一部のタイトルはコアなユーザーしかプレイできなくなっている」と指摘。
その上で、「もう1度事業領域を見直している中で、人と人のつながりの楽しさを伝えるSEGA linkを提供することにした」と語り、立ち上げ当初から小口社長自ら企画に参加していることも明らかにした。
SEGA linkの売り上げ目標については、「まずは1ユーザーあたり月100円レベルを狙い、その後上乗せを図っていきたい」とした。また、他社のカジュアルゲームサイトが1日1,000万~2,000万円の売り上げがある点に関して、「セガとしても十分クリアできる数値」と見通しを示した。
なお、携帯電話サービスとの連動も図っていく一方で、アミューズメント事業との連動も検討しているが、「SEGA linkの広く一般を対象にしたコンセプトを考えると、コアゲーマー主体のアミューズメント事業とは少し差別化も考える必要がある」とした。
■ URL
SEGA link
http://segalink.jp/
ニュースリリース
http://sega.jp/release/nr050209_1.html
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(村松健至)
2005/02/09 19:13
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