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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
リンクシェア花崎氏「アフィリエイトはネット共通プラットフォームに」

 リンクシェア・ジャパンは17日、アフィリエイトに関する説明会を開催した。説明会ではリンクシェア・ジャパン代表取締役社長の花崎茂晴氏が、「浸透するアフィリエイトの活用事例」と題し、アフィリエイトの概要と今後の展望を語った。


“古い”手法のアフィリエイトが改めて注目される理由

リンクシェア・ジャパン代表取締役社長の花崎茂晴氏
 花崎氏ははじめにアフィリエイトを「他のサイトと成果報酬型のパートナーシップを結ぶことにより販路を拡大する“成果報酬型販売支援ネットワーク”」と説明。「ECサイトがアフィリエイトに参加しているユーザーに掲載して欲しくても、ユーザーから申請がなければ登録はされない。逆にユーザーの申請があっても、そのすべてを受けるわけではない」とし、「“相思相愛”の形になって初めて報酬が支払われる」と語った。

 花崎氏によれば、アフィリエイトは決して新しい手法ではないという。「アフィリエイトはAmazonが1996年に始めたと言われているが、LinkShareでもほぼ同じタイミングで特許を出していた(花崎氏)」。花崎氏はAmazonとLinkShareの違いについて「Amazonは自社のネットワークによるビジネスモデル特許だが、LinkShareはアフィリエイトの技術特許」と補足したのち、「1996年と言えばインターネットではかなり昔の時代で、Googleの存在もなかった頃」とコメントした。

 実際には“古い”手法であるアフィリエイトが、今改めて注目されている理由について花崎氏は「ブロードバンドの普及でネットサーフィンが復活」「ブログによる個人への浸透と参加」を指摘。こうしたインターネットでの広がりを受けて、企業も想定以上の効果を認識、アフィリエイトの予算を積み上げることで市場そのものが拡大しているという。花崎氏は「いわゆる“カリスマアフィリエイター”による出版やテレビ取材といった広報活動の影響も大きい」と付け加えた。


アフィリエイトの概要 リンクシェア・ジャパンの概要

アフィリエイト導入企業の99%が効果に満足 “古い”手法のアフィリエイトに改めて注目が

アフィリエイトが新たな付加価値を生み出す

サイトのSEO効果が高まることで“検索サイトの陣取り合戦”にも効果が
 企業がアフィリエイトに注目するポイントとして花崎氏は「検索サイトでの陣取り合戦のパートナー」という事例を紹介。Googleの検索結果では画面右側に広告が表示されるが、この広告のクリック率が2~2.5%であるのに対し、検索結果のクリック率は20~25%と10倍近いというデータを引用し、「アフィリエイトサイトがSEOを高めることで、クリック率が高い検索結果のエリアを利用できるとした。

 花崎氏は「従来までの企業は“自社サイトにさえ集客すれば良い”という考えだった」と指摘した上で、ユーザーが購買に至るまでに平均4.1サイトを訪問し、購買を決めたサイトも2.7回訪問しているという米国の調査データを紹介。さらに米国の調査で、消費者の行動パターンが「ブランドの指名買い」から「アグリゲーター経由での購買」に変化したというデータも踏まえ、「ユーザーはサイトを“目的地”ではなく“通過”して“回遊”する流れになりつつある」と指摘。「自社サイトで購入させるための動機付けが困難になっている」と語った。

 こうした流れの中で「アフィリエイトが新たな付加価値を提供できる」と花崎氏は指摘。企業の商品やサービスをリンクシェアが仲介し、ユーザーの口コミやコミュニティ、ポイント付加サービスなどと連携することで、結果としてECサイトのブランドや付加価値を高められるという。花崎氏は「アフィリエイトは道を増やす存在であり、集客力も広がる」と語った。

 花崎氏は「ヒト・モノ・カネという経済活動の3要素に加え、アフィリエイトによって情報と情報提供者が価値交換の媒体になり、新たなヒト・カネの流れが形成される」と指摘。今後はB2B市場に加え、モバイルや紙媒体、新技術の市場と連動していくことで「アフィリエイトはインターネットの“共通提携プラットフォーム”になる可能性もある」と締めくくった。


米国の調査データ。ユーザーは購買に至るまでに平均4.1サイトを訪問、購買サイトも2.7回訪問 行動パターンが「ブランドの指名買い」から「アグリゲーター経由での購買」へ変化

自社サイトで購入させるための動機付けが困難に アフィリエイトが新たな付加価値を提供

ソニースタイルはアフィリエイトでポイントをダブル還元

ソニーマーケティング ソニースタイルドットコム・ジャパンカンパニーの梶山卓哉氏
 ソニーマーケティング ソニースタイルドットコム・ジャパンカンパニーの梶山卓哉氏は、アフィリエイトを採用したショッピングサイト「ショッピング・パレット」の事例を紹介。「従来まで集客に利用していたアフィリエイトを、反対の方向性で使ってみたら面白いのではないかと考えた」と、ショッピング・パレット立ち上げの理由を説明した。

 ショッピング・パレットは、購入した製品の金額に講じて独自のクーポン「ソニースタイルクーポン」をユーザーに還元するシステム。TSUTAYA onlineや楽天市場、HMVなど117サイトと提携しており、提携サイトのポイントも従来通り得られる点が特徴。ショッピング・パレットを通じて楽天市場で購入した場合、ソニースタイルと楽天市場両方のポイントが獲得できるため、楽天市場で直接購入するよりも得になるという。

 2月21日からは、ショッピング・パレットのクーポンを電子マネー「Edy」に交換できるサービスも開始。これにより、ソニースタイル以外でもクーポンを利用することが可能になる。梶山氏は「ショッピング・サイトの利用はメールアドレスのみで開始可能で、提携117サイトの最新セール情報やキャンペーン情報を取得できる」とのメリットを語った。


アフィリエイトによってポイントをダブル還元 2月21日からはポイントのEdy交換も可能に

関連情報

URL
  リンクシェア・ジャパン
  http://www.linkshare.ne.jp/

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(甲斐祐樹)
2005/02/17 14:57
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