マイクロソフトは、次世代ゲーム機「Xbox 360(エックスボックス サンロクマル)」を2005年中に米国、欧州、日本で発売する。イーサネット端子を標準搭載するほか、オプションでIEEE 802.11a/b/gの無線LANにも対応する。標準価格は未定。
■ IEEE 802.11a/b/gにオプション対応。オンライン機能を充実
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Xbox事業本部長の丸山嘉浩氏
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Xbox 360は、1テラフロップス以上の演算性能を持つというIBM共同開発の3.2GHz対称型3コアマルチプロセッサを搭載。GPUもATIと共同開発したカスタムGPUを搭載するほか、512MBのメモリ、20GBのHDDを標準搭載する。HDDは取り外しやアップグレードにも対応。本体にはUSB 2.0×3ポート、メモリーユニット用スロット×2を搭載し、本体発売時には、64MBのメモリーユニットも用意される。また、すべてのゲームで16:9のワイド画面表示やD4/D3表示をサポートし、ハイビジョンビデオ出力にも対応する。
本体は縦置きと横置きのどちらでも利用が可能。また、本体前面のパネルは交換が可能で、カスタマイズサービスもオプション提供する。コントローラはワイヤレスで、4台まで接続できる。
DVDドライブはプログレッシブ対応DVDビデオのほか、DVD-ROM、DVD-R/RW、DVD+R/RW、音楽CD、CD-ROM/R/RW、WMA CD、MP3、JEG Photo CDが再生できる。外部機器との連動としてポータブルオーディオプレーヤーやデジタルカメラ、Windows XP搭載PCとの接続をサポート。さらにWindows Media Center Extenderも標準搭載し、Windows XPやWindows Media Centerなどで録画した番組などをXbox 360を通じて楽しめるという。
ネットワーク面ではイーサネット端子を内蔵するほか、オプションでIEEE 802.11a/b/gの無線LANにも対応。ビデオカメラにもオプションで対応する予定だという。また、Xbox向けオンラインサービス「Xbox Live」も機能を拡充。最大64人での同時接続が可能になるほか、Xbox Liveからさまざまなコンテンツをダウンロードできる「マーケットプレース」というサービスも提供、さらにビデオチャットサービス「Xbox Video Chat」にも標準で対応する。Xbox Liveは従来まで有料のサービスだったが、Xbox 360では無料で利用できるサービスも提供することが決定しており、お互いが同じゲームをプレイしていなくてもメッセージ交換やボイスチャットが可能になるという。
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イベント会場に展示されたXbox 360
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Xbox 360の背面
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■ ハード、ソフト、サービスが連携したゲームプラットフォームを目指す
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Xbox 360の3つの特徴
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Xbox事業本部長の丸山嘉浩氏は、「すべてのエンターテインメントコンテンツにおいてデジタル化が加速していく中で、テレビゲームはもともとデジタルで制作されてきたという生い立ちがあり、エンターテインメントのデジタル化の先駆者とも言える」とコメント。「Xbox 360でデジタルエンターテインメントのトップを目指す」との目標を掲げた。
Xbox 360のキーワードとして丸山氏は「Always Connected」「Always Personalized」「Always Hi-Definision」を挙げた。標準搭載するイーサネット端子やオプション対応の無線LANにより、常にブロードバンドに接続し、さまざまなサービスを受けながら遊べる常時接続機能を提供するほか、携帯電話の着メロや着せ替えとのように、本体の外観やインターフェイスのカスタマイズが可能。また、「テレビゲームもハイビジョンの時代」との考えのもと、ゲームを含む映像をハイビジョンで楽しめることが大きな特徴だという。
さらに丸山氏は、「ゲーム機のすばらしさはCPUや演算能力だけではない。ソフトウェアとサービスがハードと一体になり、すばらしいゲームを提供することが不可欠」と指摘。「Xboxはハードウェア、ソフトウェア、サービスが有機的に連携したゲームプラットフォームを目指す」とした。
ゲーム開発の面からも、Windowsベースの開発環境およびXboxでの開発ノウハウやツールなどを利用できるため、開発者にとってゲームを開発しやすい環境を提供。ソフト開発に際してのハードルを大幅に引き下げることが可能だという。丸山氏は「多数の日本や海外のメーカーに参加の確約をいただいており、今後順次紹介していく」とコメント。「日本での成功なくしてXbox 360が成功したとは言えない。今後も十分な投資を継続的に行なっていく」とした。
なお、Xboxとの下位互換については「どうなるかは現時点で正式に発表していない(丸山氏)」と明言を避けた。
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ハード、ソフト、サービスが連携したゲームプラットフォームを目指す
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Xbox Liveは現行サービスを元に発展
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ソフトを開発しやすい環境を提供
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国内のゲーム開発パートナー
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■ URL
ニュースリリース
http://www.xbox.com/ja-JP/press/release/20050513-1.htm
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(甲斐祐樹)
2005/05/13 15:40
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