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総務省、テレビ番組のネット配信に向けた権利クリアランス実験が終了
2002年から実施されていたテレビ番組などの権利処理をオンラインシステムで進めるための「著作権クリアランスの仕組みの開発・実証」(権利クリアランス実証実験)が終了した。総務省では、実験の最終結果を公表した。
権利クリアランス実証実験は、権利関係が複雑なテレビ番組などの放送コンテンツをインターネット配信などに2次利用するために、オンラインで権利処理を円滑に行なうというもの。1)権利処理の関係者間での円滑なメタデータ交換を行なうための「汎用メタデータ体系」を検討・策定すること、2)コンテンツの二次利用に関する権利処理システムの有効性を実証することを目的に実施されていた。
汎用データ体系は、P/MetaやMelodies&Memories、TV Anytime Forum、clDfなどの各仕様を元に定義。日本語対応や権利者の所属団体などの情報に加え、コンテンツのタイトルや時間の長さ、放送日時といった約630項目の「内容情報メタデータ」、著作権者名、許諾権利種別、楽曲利用時間などを含めた約850種類の「権利情報メタデータ」などが定義された。
さらに、国際標準規格である「Material eXchange Fomat」(MXF)にも対応。MXF対応システムとの交換であれば、あらゆるデータのやり取りが可能だ。なお、この汎用データ体系はJ/Meta 3.0として、マルチメディア振興センターが公開している。
権利処理システムの実証実験は、3段階で行なわれた。1年目は放送局などのコンテンツホルダーと権利団体をオンラインの権利処理システムで結び、権利者への許諾申請や放送局への承認などを行なった。2年目は実験にメタデータを導入。3年目にはフィンガープリント技術による音源認証を行なったほか、配信実験システムによってライセンス認証や実績データの回収を実験した。
オンラインの業務フローについて、総務省では「総合的な有効性を確認した」という。例えば、許諾申請の状況確認業に関しては、「おおむね従来の4分の1程度の省力化を実現した」としている。
また、フィンガープリント技術による音源認証では、平均90%近くの音源認識率を達成。通常、放送コンテンツに利用される多くの楽曲については、コンテンツの二次利用にあたり手作業で音源を特定していた。オリジナルの音源から特徴的な部分を抽出し、データ化するフィンガープリント技術を用いることで、放送コンテンツと楽曲データを照合して自動的に使用された楽曲を特定できるという。
このほか、P2Pファイル交換ソフト「Winny」「WinMX」にも注目。P2Pファイル交換ソフトのユーザー数が国内では130万人近くに上っていることや、映像ソフトのダウンロード環境が整っているというWinnyが急激にユーザー数を伸ばしている点などを指摘した。
総務省では今後、権利者団体やコンテンツホルダーだけでなく、メーカーや配信事業者も交えて権利クリアランスを引き続き検討する予定。「メタデータ体系や権利クリアランスシステムの活用・普及を推進することで、コンテンツのメタデータ交換の効率化が図られ、さらには放送番組をはじめとするコンテンツの二次利用やブロードバンド流通が促進・加速化することを期待する」としている。
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URL
報道資料
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050531_2_1.html
J/Meta 3.0
http://www.fmmc.or.jp/fmmc-html/jmeta/detail.html
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