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第328回:日本語化キットでより楽しめるようになった「chumby」 フォト蔵やニコニコ動画対応ウィジェットも登場
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無線LANを利用し、インターネット上のさまざまな情報をウィジェットとして表示できる「chumby」。そんなchumbyの日本語化キット(RC版)が2008年末から配布が開始された。日本語化でどう変わったのかを検証した。
■ 普及へのハードルを着実に越えていけるか
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RC版ながら日本語表示が可能となったchumby。日本語ウィジェットもすでにいくつか利用できる
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2008年に国内でも販売が開始され、取扱店舗は限られてはいるものの、12月には家電量販店でも販売が開始された「chumby」。ぬいぐるみのような見た目のかわいらしさを持つ一方、自分好みにカスタマイズできる豊富なウィジェット、ハッキングによる面白さを持っており、なかなか注目度が高い製品となっている。
とは言え、2万9400円という価格は決して安いとは言いにくい。また。英語版のみの提供であることから、しばらく様子を見ていた人も少なくないのではないだろうか。
そんなchumbyの日本語化キットが、RC版ながら、昨年末にようやく公開された。正式な日本語版クライアントの登場は2月が予定されているので、もう少しで言語の心配をしなくて済むようになりそうだが、これで普及へのハードルを1つ越えたことになりそうだ。
なお、chumbyについては、すでに「ネットで機能を自分好みに追加できる『chumby』レポート(記事URL)」で詳しく紹介している。その概要や基本的な使い方はそちらを参照していただくことにして、今回は日本語化の方法と、徐々に登場してきた日本語版ウィジェットについて紹介していこう。
■ USBメモリ経由で簡単に日本語版へ
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今回日本語化されるのは本体。日本語ウィジェットもすでに存在するが、サイト自体はまだ英語のまま
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今回配布が開始された日本語化キット(RC版)は、chumbyのコントロールパネルを日本語表示するためのアップデートモジュールだ。
chumbyは、3.5型のタッチパネル液晶と無線LANを内蔵したLinuxベースの本体、本体上で動作し、さまざまな情報を表示する「ウィジェット」、本体の設定やウィジェットの追加・カスタマイズなどを行なうためのインターネット上のサイトの3つの要素から構成されている。そして、今回のキットで日本語化されるのは主に本体の部分となる。
このため、現時点では残念ながら完全に日本語で使えるわけではない。「コントロールパネル」と呼ばれる設定画面に表示されるメニューなどを日本語化することができるが、ウィジェットの多くは英語のままであるうえ、サイトの表記も英語のままとなっている。英語版であることが理由で、chumbyに手を出していなかったユーザーは、まだもう少し待たなければならないだろう。
では早速、日本語化キットを導入してみよう。と言っても、作業は非常に簡単で、chumbyのサイトから日本語化キット(RC版)をダウンロード後、展開したファイルをUSBメモリのルートにコピー。このUSBメモリをchumbyに差し込んで起動すれば、自動的にアップデートが行なわれる。
普通に起動する場合とさほど変わらない印象で、あっという間にアップデートが行なわれるので、誰でも手軽に日本語化することができるだろう。
アップデートが完了すると、コントロールパネルのボタン、メニューなどが日本語で表示されるようになり、設定がわかりやすくなった。chumbyは、もともと複雑な機能を備えていない上、アイコンの絵などでも設定の意味が判断しやすかったので、英語のままでもさほど苦労はしなかったが、やはり日本語でメッセージなどが表示されると安心して使える印象だ。
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サイトから日本語化キット(RC版)のファイルをダウンロードし、展開後、USBメモリにコピー
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USBメモリを接続して電源を入れれば自動的にアップデートされる
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日本語化されたコントロールパネル
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■ 日本語ウィジェットを試す
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日本語化してもウィジェット側が日本語対応していないと日本語は表示できない。画面は英語版のGmailウィジェット
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このように、日本語化自体は手軽にできるが、これで完璧に日本語が利用できるわけではない。前述したように、chumbyはウィジェットによって、さまざまな情報や機能を利用できるが、これらは日本語化キットに関係なく、作成された言語での表示となる。
このため、標準のウィジェットなども英語のままの表記となる。例えば、Gmailのウィジェットなどでメールをチェックしようとしても日本語のメールは正常に表示できない。このため、ウィジェットも日本語で利用するには、日本語で制作されたウィジェットを使う必要があるわけだ。
2008年10月末から11月の発売当初は、日本語対応のウィジェットというのは存在しなかったが、現在では「Japanese」というカテゴリが新たに追加され、そこに21のウィジェットが登録されている(1月28日現在)。
登録ウィジェットを見てみると、時計や天気、株価、ニュース、写真、動画サイトランキング(ニコニコ動画)などを表示できるウィジェットが登録されており、chumbyでよく使われるウィジェットがひと通り揃っている。
Japaneseカテゴリには現在21のウィジェットが登録されている。時計、天気、株価、ニュースなど一般的なウィジェットはひと通りある
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日本語表示に対応したRSSリーダーも存在するので、ニュースサイトやブログのチェックなどといった汎用的な使い方にも対応できるので、かなり実用的になった印象だ。
もちろん、英語のウィジェットの数には到底かなわない上、前述したGmailのチェッカーやGoogleカレンダーのチェッカーなど、個人的に欲しいウィジェットはまだ存在しないが、それも時間の問題と言えそうだ。
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ニコニコ動画のランキングを表示するウィジェット
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ロイター提供のニュース表示ウィジェット
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1月27日に公開されたばかりの「フォト蔵」ウィジェット
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はてなブックマークのニュースビューワー
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汎用のRSSリーダー。RSS対応サイトの情報を表示可能
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■ chumbyを置いておく楽しみを
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時計と天気予報と写真とニュースを設定して、放っておくだけでもじゅうぶん実用的
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chumbyの良いところは、ゴリゴリにいじり倒すことができる一方で、積極的に使わずに「置いておく」だけでも楽しめることだ。
例えば、現在提供されている日本語ウィジェットのうち、ウノウが提供している「Photozou Slideshow」を利用すると、同社の写真共有サービス「フォト蔵」の写真を自動的に表示してくれる。自分のアカウントを指定すればフォトフレームとしても利用できるが、特に指定しなくても人気のある写真を自動的に表示することができる。
時計とフォト蔵、天気予報、それにニュース。これらのウィジェットを選んで、机や棚の上に放っておくだけでも、時計や写真立て代わりとして、じゅうぶん実用的だ。
個人的には、音楽を再生するための操作がもう少し簡単に、少ない操作でできるようになってくれれば、もっと音楽と組み合わせて使おうという気にもなるのだが、このあたりの操作感(と音質)は今一歩といったところだ。
なお、もはや隠し機能とも言えないが、chumbyは設定画面の「chumby情報」で、画面右上に表示されている「n」にタッチすると、SSHでのアクセスや画面キャプチャ(FBCGI)なども可能となっている。
こういった自由度を見ると、今後、ユーザーの手によるさらなる発展も期待できそうで、これからが楽しみなところだ。今年のInternational CESで展示されていたchumbyウィジェット対応のフォトフレームなども面白そうなので、この世界観がどこまで広がるかに注目したいところだ。
■ URL
chumby
http://www.chumby.jp/
■ 関連記事
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・ ジークス、chumbyを9月末に発売。日本語化は年内に対応
2009/02/03 11:01
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