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DreamNetとOCNがタッグを組んだオンデマンド番組「BBbeat」

「優香座シネマ」を手にする優香(左)とパーソナリティの柳沼淳子(右)
 DreamNetとOCNというプロバイダー2社と日本テレビ音楽により、4月3日よりスタートした無料オンデマンド番組「BBbeat」。単に同じ内容のコンテンツを異なるサイトで配信するだけではなく、番組の製作段階から2社が協力するなど新しい試みも行なわれている。今回はタレントの優香をゲストに迎えた回を取材した。

 BBbeatは、毎回タレントやお笑い芸人などをゲストに迎えるオンデマンド番組。すでに配信済みの回では格闘家の角田信朗、お笑いコンビ「いつもここから」など、多彩なゲストが顔を揃える。そのほか音楽情報コーナー「MUSIC DIVE」、話題の商品やコンテンツを紹介する「FEATURE」といったコーナーが用意されており、どれも無料で視聴できる。視聴にはWindows Media Playerを使用し、配信帯域は56kbps、500kbpsの2種類。番組は毎週木曜に更新が行なわれる。


今回のゲストは優香。さまぁ~ずとは何でも話せるほどの信頼関係

 今回の取材では5月15日放送回の収録が行なわれ、ゲストとして優香が登場した。初主演映画「恋に唄えば♪」のDVDや、様々なコスチュームに変身するショートフィルム「優香座シネマ」の発売などを紹介しつつ、「ダーツやエアホッケーが好き」という日常の一面も披露。テレビで共演するお笑いコンビ「さまぁ~ず」は事務所の先輩でもあり、「毎日一緒にいてもいい」ほど大好きな存在だという。

 インターネットは普段それほど利用せず、事務所のパソコンを使う程度。メールはケータイが中心で、キーボード入力はできるもののパソコンは苦手だという。自分では「電源を入れたあと、メール送信するところまで辿り着くことができない」ほど苦手なのだと告白。「オンラインで買い物をしたり、オークションをしたりと楽しそうなので、パソコンはぜひできるようになりたい」と興味を示していた。


自分の目標は「1日1回は大笑いしたい」ことだとか インターネット番組は「テレビみたいだけど、テレビより親近感がある」とコメント

 BBbeatのパーソナリティは、STUDIO! ドリームネットでもメインパーソナリティを務めていた柳沼淳子が担当する。STUDIO! ドリームネットから人気が高く、ユーザーの声を反映して今回も出演が決定したのだという。

 柳沼は「セットが変わったり、OCNが加わったりという違いが(STUDIO! ドリームネットと比べて)あるものの、自分の気持ちはそれほど変わらない」とコメント。ただし、人数やユーザー層はOCNが加わったことで大きく広がり、応援メッセージなども以前に比べて10倍近く増えたという。その点から幅広いユーザーが視聴しているということを意識することを心がけつつ、インターネットならではの親近感を大事にした番組作りを心がけていきたいと目標を語った。

 インターネット番組のパーソナリティを務めるようになってからパソコンの利用頻度も上昇、今ではなくてはならない存在だという。「(ゲストの情報は)できる限り知ったかぶりになりたくない」という意欲から、ゲストの情報をインターネットで積極的に収集、番組に役立てている。日常生活でもお店や病院を気軽に検索したりするなど、ダイヤルアップ接続の頃から考えられないほどインターネットが生活に溶け込み、「ブロードバンド最高!!」という気持ちでいっぱいだという。また、番組を通じて、ブロードバンドの素晴らしさを視聴者に伝えていきたいという意気込みも示した。


パーソナリティの表現の1つとしてファッションにも気を使うことを心がけているという BBbeatではコラムも執筆。「ありのままの柳沼淳子を出して行きたい」

メディアを提供するにふさわしいクオリティを

プロデューサーを務めるDreamNetの矢野文彦氏
 BBbeatの配信はDreamNetの専用サイトのほか、OCNのブロードバンド向けサイト「OCNブロードバンドメディア」でも行なわれる。この背景にはOCNを運営するNTTコミュニケーションズ(NTT Com)が2003年1月23日をもって、DreamNetを運営する「ドリームネット」の全株式を取得したことが関係している。OCNとDreamNetは現在のところ独自にサービスを提供しているものの、ともにNTT Comを母体とすることで、今回のBBbeatのように両社がタッグを組んで番組を制作、配信するという試みも可能になったというわけだ。

 DreamNetは2002年7月から2003年4月まで単独で無料オンデマンド番組「STUDIO! ドリームネット」を配信していた(現在もバックナンバーは視聴できる)。両番組でプロデューサーを務める矢野文彦氏は、「BBbeatはSTUDIO! ドリームネットの続編というよりも、まったく新しいコンセプトで始めた新番組」だと説明する。矢野氏によればSTUDIO! ドリームネットでは「ブロードバンドで何を楽しむか」という答えとしてのコンテンツの1つという位置付け、配信を行なってきたのだという。

 これに対してBBbeatは「OCNとDreamNetというプロバイダー2社が一緒にサービスを始める点がまず新しい」が大きく異なり、「この2社に求められているものは何なのか」という点がBBbeatのスタート段階だと説明。その答えとして矢野氏は「メディア化」というキーワードを掲げた。矢野氏はインターネットは海外に比べて今だにメディアとしての認知度が低いと指摘、このような状況の中でDreamNetとOCNのWebサイトが先陣を切り、インターネットという媒体を映画やテレビのような存在にまで高めることが目標だと意気込みを語った。

 その際に矢野氏が心がけたのは、メディアとして提供するにふさわしいクオリティを維持することだという。インターネットはユーザーの意志で視聴する点においてテレビよりも能動性が高く、「(番組を)わざわざ見に来てくれているだけに、その責任は大きい」と考える。OCNと共同制作することによって番組予算も大幅に増えたが、そのほとんどは機器などのクオリティ面に投入しているという。スタッフもSTUDIO! ドリームネットの頃は撮影から編集まで社内スタッフで行なっていたが、BBbeatでは制作会社を採用してクオリティ向上を図る。矢野氏は「インターネットだからという甘えはしたくなかった」というハードルも自らに課しつつ、ゲストの応対なども含めて「テレビに負けないクオリティ」を目標に掲げた。


インターネットならではの魅力も忘れずに

収録風景。スタジオはNTT Comの映像配信サービス「STREAMWING」で提供している場所を利用している
 ただし、インターネットならではの魅力も忘れないということも重要だという。ユーザーからも「ゲストのメッセージがストレートに出る」といった声が寄せられており、テレビなどでは見られないゲストの一面が見られるという評価を受けているという。今回ゲストで出演した優香についても「繊細で人見知りな素顔も見られ、本人の自然体が十分に引き出せた」と矢野氏は自信を示す。数々のゲストも、インターネットの番組に出演するというメリットを理解してもらうことで出演が実現しているという。

 DreamNetの会員数は約30万人、対するOCNの会員数は約342万人と文字通りケタの違う人数だ。当然ながらユーザー数も大きく増加、現在はまだ正式な数字が出ていないものの、ビュー数はSTUDIO! ドリームネットと比較して3倍近い伸びを示しているという。加えて視聴ユーザー層も大きく変化。どちらかといえば若い世代がターゲットであったDreamNetとは異なり、OCNは家族層や高年齢層など、世代が大きく広がったという。

 このようなユーザーの多様化により、BBbeatも「どのようなユーザーが見ても違和感のない番組」であるべきだと矢野氏は語った。その点ではOCNのスタッフと共同制作することで、OCNの持つ様々なノウハウが番組に還元されているという。この一環として5月8日放送分からはサイトリニューアルを実施、文字の大きさなどを気遣った見やすいデザインが採用される。番組スタート時から1カ月程度でのリニューアルとなるが、このようなインターネットならではの柔軟性は大事にしていきたいのだと矢野氏は語った。

 BBbeatの放送期間は1年間と長期に渡る。今後はお笑い芸人やタレントに加えて芸術家などもゲストに招き、テレビでは見られないインターネットならではの番組を作っていきたいという。また、BBbeat以外にもファッション専門番組など新しい番組を拡充、メディアとして番組の充実を図って行きたいという考えも明らかにした。「ブロードバンドだから楽しめるコンテンツ」を会員以外にも無料で提供することで、ブロードバンドサービスの無料キャンペーンとは違ったプロバイダーの魅力を提供していく方向だという。


関連情報

URL
  BBbeat
  http://www.dream.com/bb/
  OCNブロードバンドメディア
  http://broadband.ocn.ne.jp/

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(甲斐祐樹)
2003/05/07 13:56
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