通信機器としては独特なブルーを基調としたデザインで知られるLinksysからは、HomePNA 2.0対応製品などが展示されていた。
HomePNAとは、電話などで使われているメタル(銅)回線をベースとした家庭内ネットワーク規格の名称で、業界団体「Home Phoneline Networking Alliance(HomePNA)」が仕様を策定している。HomePNA 1.0では帯域幅が1Mbpsだったが2.0では10Mbpsに対応した。
1本のメタル回線をHomePNAと電話で共有できるため、電話の配線設備をそのまま利用でき工事が不要というメリットがある。このため、回線工事が難しいマンションなどでも、1階の共有スペースにHonePNA対応のルーターを配置、ここから各住戸までは既設の電話回線を流用することでネットワークを構築できる。また、電話の配線さえあれば部屋間のネットワーク構築にも利用可能だ。
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HomePNA 2.0対応ルータ「HPRO200」 |
今回、Linksysが展示していたのは、HomePNA 2.0対応のルータやブリッジ、USBアダプタなどで、比較的小規模のマンションや部屋間のネットワーク構築を想定した製品など。価格や発売時期は現時点では未定とのことだ。
「HPRO200」は、HomePNA 2.0に対応したルータ。LAN側に10BASE-T/100BASE-TX×1ポートのほか、HomePNA 2.0対応のRJ-11×2ポートと電話機を接続するためのRJ-11×1ポートを備えている。WAN側の10BASE-TポートにADSLやCATVインターネットからの回線を接続することで、HomePNAポートおよび10BASE-T/100BASE-Tポートへのルータとして機能する。
「HPB200」は、HomePNAとイーサネットを接続するブリッジ。HomePNAポートから10BASE-T/100BASE-TXに変換する。「USB200HA」は、HPB200のUSB版でHomePNAからUSBへの変換を行なう。このほかに、PCIカードタイプの「HPN200」などが用意されている。いずれの製品もHPRO200と組み合わせて使用することを想定している。
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HomePNAからイーサへのブリッジ「HPB200」
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HomePNAからUSBへのブリッジ「USB200HA」
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HomePNA対応製品ではないが、VoIP(Voice over IP)に対応したルータ「BEFN2PS4」も展示されていた。背面にはWAN側とLAN側インターフェイス用に10BASE-T/100BASE-TXポートのほか、電話のモジュラージャックを備えている。ここに電話機を接続することで、PCなどを立ち上げなくてもインターネット電話が利用できる。米国のNet2Phoneサービスを利用する。
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VoIP対応のブロードバンドルータ「BEFN2PS4」
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もっとも右側のポートがインターネット電話
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Linksysによれば、日本では無線LAN製品の価格が安く海外と比べ普及率も高いため、HonePNA製品の投入時期、価格については検討している最中とのことだ。
□Linksys
http://www.linksys.co.jp/
(笠井 康伸)
2001/07/17 17:14
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