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貸し出されたノートパソコンと無線LANカード |
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商店街に設置されるアクセスポイントとアンテナ。アクセスポイントからは光ファイバでインターネットに接続される |
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モバイルインターネットサービス株式会社(MIS)は、東京・三軒茶屋地区で試験サービスが行なわれている「街角無線インターネット」を報道関係者向けに公開した。
この「街角無線インターネット」とは、文字どおり、街中の喫茶店などで専用の無線カードを使用することでインターネットに接続できるサービスのこと。6月からMIS方式の無線インターネット接続の実証実験、8月からは一般モニターを公募しての試験サービスが行なわれている。実験エリアは、世田谷区三軒茶屋1丁目、2丁目の一部と太子堂2丁目、4丁目の一部。
MIS方式とは、既存のIEEE802.11bの無線LANに独自のハンドオーバー(基地局の乗り換え)機能や不正アクセスを防止するユーザー認証を兼ね備えたもの。接続するには、無線LANカードと、専用のMISドライバが必要になる。
今回の報道関係者向けの公開では、事前に設定されたノートパソコン(カシオ FIVA MPC-206)が貸し出され、街中に出てモバイルブロードバンドを体験できるようになっていた。
早速、MISが指定した実験エリア内にある喫茶店内のテーブルで速度を計測してみたところ、1.2Mbpsから1.8Mbpsという速度を叩き出した。Web上で公開されているさまざまなスピード計測サイトを使用したりファイルを転送したりした結果である。この速度は、現在のADSLやCATVインターネットに十分匹敵するもので、これがモバイルで利用できるところに大きなメリットが感じられる。
しかし、気になることもある。同じ喫茶店内には実験用のノートパソコンが3台集合したのだが、同時に借りた別のノートパソコンでは400Kbps程度しか出ない場面もあった。同時にファイルをダウンロードテストをした場合でも、片方は1Mbps超の速度を維持していても、片方は500Kbpsしか出ないということもある。
MIS施設本部運用部の長沼良和氏によると「無線LANのため、同時使用の台数や天気、途中の障害物に影響される」とのことだ。実験に使用した喫茶店の中にアクセスポイントがあるわけではなく、道路をはさんで約25mほど先にアクセスポイントが設置されているため、その影響も少なくない。
長沼氏の話では「最良の条件の場合で、無線LANの上限に近い速度が出ることもある」というが、実際にはそれより遅くなることがほとんどだという。MISは、通信速度の目安などは公開していない。また、アクセスポイント1つあたり端末は4台までで、それ以上はつながりにくくなるとのことだ。
実験のエリア内には、十数カ所のアクセスポイントが設置され、三軒茶屋駅を中心とした主要な道路沿いと、三軒茶屋駅の北側の住宅地内に点在するアクセスポイントの周辺がサービスエリアとなっている。
この実験の期日は12月までの予定で、今後モニターの追加募集とエリア拡大を予定している。
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街角でノートパソコンを用いてブロードバンドが体験できる |
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三軒茶屋交差点を中心とするエリアに無線LANの電波が届く |
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□関連記事「MIS、三軒茶屋などで街角無線インターネットの実証実験を開始」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/08/13/mis.htm
□モバイルインターネットサービス株式会社
http://www.miserv.net/
(田中 章)
2001/08/29 20:26
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