古河電気工業株式会社(古河電工)はIPSecによる暗号化処理を専用チップを搭載することにより高速化した企業向けルータ「FITELnet-F40」を11月末に発売する。標準価格は11万8000円。企業やキャリアへの販売を想定しており一般小売はない。
企業などがADSLなどブロードバンド回線を用いてVPN(Virtual Private Network)を構築する際には通信データの機密保持のためにIPSecなどでの暗号化処理が欠かせない。IPSecは次世代IPプロトコルIPv6で標準実装されるなど広範な普及が見込まされているが、ソフトウェアで処理する場合、その処理時間がネットワークの通信速度を低下させる原因となる場合がある。
「FITELnet-F40」はIPSecによる暗号化、復号化に専用チップを用いることで、これらの処理を高速化したルータ。古河電工のISDNダイアルアップルータ「FITELnet-E30」を組み合わせることにより、ADSL回線などが使用不可能の場合には自動的にISDN回線に切り替えるといった、冗長構成のネットワークを構築することも可能。
インターフェイスはWAN側に10BASE-T/100BASE-TX×1、LAN側に10BASE-T/100BASE-TX×4を備え、通信プロトコルはPPPoEやDHCPに対応。また、パケットフィルタリング、NAT、簡易ファイアウォール、SNMPによるネットワーク管理、RIP1/2によるルーティング情報の更新、SNTPによる時刻合わせなどの機能も搭載している。
古河電工によると、「FITELnet-F40」でIPSecを使用した際のルーティング能力は2~10Mbps、同価格帯の他製品が1~5Mbpsであることから2倍程度のルーティング性能となっているという。また、正式検証がまだであるためWebなどで対応サービス名は公表していないが「Bフレッツ(ファミリータイプ、マンションタイプ)」などの光IP接続サービスにも対応している。来年1月にリリース予定のファームウェアではIPv6や公開鍵暗号(PKI)もサポート予定とのこと。
□製品情報
http://www.furukawa.co.jp/fitelnet/f/index.html
□古河電工株式会社
http://www.furukawa.co.jp/
(水倉 正俊)
2001/09/17 16:46
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