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【PC EXPO】NECの西垣社長が「ブロードバンド&モバイル」をテーマに基調講演

NECの西垣浩司代表取締役社長
 NECの西垣浩司代表取締役社長は、WORLD PC EXPO 2001で「ブロードバンド&モバイルが拓くiSociety」をテーマに基調講演を行なった。同社のネットワーク関連のビジネス全般について講演が行なわれたが、ここでは携帯電話や海底ケーブルなどいくつかのトピックスを選んでレポートしよう。

 まず、西垣氏はインターネットを「第2の電話機」と表現。これは、インターネットが誰でも使えるツールであり、人や組織・企業がコミュニケーションを行なう上で重要な役割を担うからだという。そして、インターネットが本当の姿となるのは、ブロードバンド&モバイルが実現したとき。NECは、これが実現した時代のネットワークを「iSociety」と呼んでいる。

 ブロードバンド&モバイルは、文字どおり高速なインターネット接続サービスを常時、どこにいても利用できる環境を示したもの。さらに、インターネットはPCだけがつながるものではなく、家電機器やクルマなどさまざまなものがつながってこそ進化を発揮する。

 NECでは、こういったネットワーク環境に対応できる技術や製品の開発に取り組んでいく方針だ。たとえば、PDAは、現在はサイズや扱う情報の種類に応じていくつかの製品があり、ユーザーはこの中から選ぶしかない。しかし、iSocietyの時代には、ネットワークの利用も多様化しており、それに見合ったツールが必要となっている。このため、用途ごとに多種多様な製品が必要になると予測している。

 講演の後半では、NECの現状について次のような説明が行なわれた。

 光バックボーンへの取り組みについては、先進的なWDM技術をアピール。1本の光ケーブルで1.6Tbpsを実現した。現在、海底ケーブルの世界シェアでは21%、北米大陸でも9%のシェアを確保しており、今後も技術力を武器に積極的にビジネスを展開していく。

 ADSLや光ファイバ関係でもモデムを製品化している。特にADSLモデムでは、国内で50%以上のシェアを確保しており、引き続き高いシェアを確保していく方針だ。

 第3世代の携帯電話についても、10月1日からFOMAがはじまり、NECは携帯電話「N2001」を出す。もっとも、ドコモによれば最初からすべてのサービスがはじまるわけではない。ニュースの動画による配信は12月から、動画メールは2002年春、携帯電話にGPS機能が搭載されるのは2002年度という具合に順次サービスが増えていく。

 NECでは、これにあわせた基地局システムや携帯電話を開発中だ。ただ、携帯電話の技術革新のペースがあまりに早いため、開発には苦労している。西垣氏によれば、CPUやメモリのスペックなどは、おそらく数年前のノートPCに匹敵するレベルにまで高度化しているという。

 8月に発表した松下電器産業との携帯電話開発での協業は、急ピッチで進む携帯電話の開発を進めるためのもの。現在、世界でトップのノキアは携帯電話の開発に携わる社員を1万から1万1000人持っている。NECと松下の競合によりスタッフの数は合計9000名となり、やっと世界レベルで戦える規模になった。

笠井 康伸
2001/09/20 17:51

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