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ヤフー、業績を発表、Yahoo! BBの売上高は30億2700万円

 ヤフーは、2001年度上期および第2四半期の業績を発表した。これによると、上期の売上は118億6800万円で対前期比98%の伸び、第2四半期は69億9900万円で同109%の伸び。第2四半期に占めるYahoo! BBの売上高は43.2%と、これまで同社売上の中心だった広告売上と肩を並べる水準まで伸びている。

 ヤフーが発表したYahoo! BBの業績は、第1四半期で売上が7億4800万円、第2四半期で30億2700万円。これまで同社の主力だった広告関連の売上が2000年度下期と比較して13%のマイナス成長となる中で、順調に業績を伸ばしている。

 もっともこれは、Yahoo! BB関連のビジネスが売上、利益ともに順調に推移していることを必ずしも反映していない。

 ヤフーの発表資料を見ると、Yahoo! BBの売上の中にはユーザーが支払うISP料金のほかに、ソフトバンクグループでYahoo! BBのインフラ整備やユーザーへのモデムレンタルなどを行なっているBBテクノロジーへの「スターターキット」の売上高が含まれていると書かれている。これはユーザーに貸し出しているモデムやスプリッタなどを指す。

 こういった通信機器は、製造会社からソフトバンクが調達、ヤフーがそれを購入しBBテクノロジーへ販売、ユーザーに貸し出されることになる。つまり、Yahoo! BB事業を共同で行なっているBBテクノロジーへの販売分も、今回の業績に含まれているわけだ。

 このほかにYahoo! BB関連の売上には、ユーザーから受け取るISP料金が含まれている。ISP料金は1290円だが、このうち1090円はBBテクノロジーへ支払われる。これは、前述のスターターキットの購入代金も含め、売上原価として計上される。ヤフーによると、第2四半期の売上原価は17億2600万円。

 ちなみにユーザーがYahoo! BBの月額料金としてヤフーに支払う費用のうち、NTT回線使用料187円、スターターキットのレンタル料金550円、ADSL接続料金990円は預かり金として処理されており、売上には計上されていない。

 ここで気になるのは売上高と売上原価の差額、つまりYahoo! BB事業の利益である。単純計算すると13億100万円もの利益が出ている計算となり、低価格競争が急ピッチで進み利益が激減しているほかの通信事業者と比較すると際立って高い。

 利益の内訳をヤフーは明らかにしていないが、純粋なISP事業収入はBBテクノロジーに支払う分を差し引くと会員一人あたり200円。10月5日時点での会員数は13万人だから最大でも2600万円にしかならない。

 ヤフーがYahoo! BBの売上げとして計上できる項目は少ない。有料コンテンツの配信や課金は10月からの開始であり、今回の業績には含まれていない。そうなると、もっとも売上や利益を確保しやすいのはスターターキットの販売だ。具体的な数値がわからないため憶測となってしまうが、ソフトバンクから仕入れ、BBテクノロジーに販売する際の差額が、利益のかなりの部分を占めているのではないだろうか。そして、その利幅が意図的に高めに設定されているとも考えられる。

 ヤフーとソフトバンクグループが共同で「ヤフーブランド」を守り強固なものにする。この方針のもとに業績に表われるYahoo! BB関連のプラスの側面を、まずはヤフーに集中させる。強固なブランドをテコに会員を集め、数のメリットを最大限に発揮させ、最終的にはBBテクノロジーも含めソフトバンクグループ全体にも利益をもたらすという戦略だ。


□2001年度上期および第2四半期の決算発表会資料
http://docs.yahoo.co.jp/info/investor/jp/event/meeting/
□関連記事「Yahoo! BB、進捗状況を発表。開通済みユーザー数は約13万人」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/10/05/ybb.htm
□関連記事「Yahoo! BB、進捗や今後の見通しを説明する記者会見を開催」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/09/04/ybb1.htm
□ヤフー
http://www.yahoo.co.jp/

笠井 康伸
2001/10/23 17:50

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