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IPv6に対応した電子レンジ。レシピなどをインターネット経由で呼び出せる |
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庫内の温度や冷却方法などをインターネット経由で指示できるインターネット冷蔵庫 |
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松下電器産業や三洋電機、横河電機など各社はIPv6に対応した電子レンジや冷蔵庫、TVといったインターネット家電を展示。製品化の時期や価格は未定としながらも、さまざまなコンセプトを来場者に試してもらい、その反応やアイデアを集めていた。
松下が展示していたのはIPv6でインターネットに接続できる電子レンジや冷蔵庫。電子レンジは、すでに製品化されているSDカードスロットを備えた「お料理先生 NE-SD10」をベースにしたもの。NE-SD10では、SDカードに記録されたレシピなどをタッチパネルで呼び出せるものだった。今回展示されていたものは、この電子レンジのインターネット版。レシピなどをネットワーク経由で検索できる。
こういったシステムの場合、端末となる電子レンジのほかにレシピなどをユーザーに提供するための配信サーバー(サービス)も必要となる。松下によれば、具体的なサービス時期などは未定としながらも、ハード、サービスの両方を自社のビジネスとして展開していく計画だという。
インターネット冷蔵庫は、これまでも各社からコンセプトが展示されてきた。その多くは、冷蔵庫のドアに液晶パネルを設置し、ここにさまざまな情報を表示するといったもの。今回、松下が展示していた冷蔵庫はこれらとは一線を画しており、インターネットから庫内の温度や冷却方法などをコントロールできるものだった。
通常の冷蔵庫が持つさまざまなセンサーから得た情報をネットワーク経由でPCで表示したり、外部からコントロールしたりといったことができる。このほかに、たとえば庫内にカメラを設置し、冷蔵庫で冷えているものをネットワーク経由で確認できるようにするといったアイデアもあるようだ。
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ネットワークの出入り口に設置するホームゲートウェイ |
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三洋電機は、一般家庭でのネットワークの出入り口に設置するIPv6対応のホームゲートウェイや、これを使用したカメラ、TVなどを展示していた。ゲートウェイでは、家庭内のネットワークに接続されるさまざまな機器をプラグ&プレイで検出、認識する。たとえば、デジカメを普段は持ち歩き、帰宅後、デジカメをネットワークに接続しクレイドルに置いた場合、ゲートウェイがそれを認識。据え置き型のカメラとして利用するといったことが可能だ。
ネットワークに接続されたTVは、ゲートウェイを介してカメラを認識。その映像をブラウジングしたりといった使い方ができる。ゲートウェイは家庭内のネットワークだけではなく、一定のセキュリティを確保した上で、たとえば祖父母の家のネットワークに画像を転送するといった用途も想定しているという。
いずれもコンセプトのデモに過ぎないものの、ブロードバンドとIPv6が組み合わさった近未来のインターネット家電をわかりやすくアピールしていた。
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ネットワークにデジカメを接続するとプラグ&プレイで認識される |
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TVを使用してデジカメの画像をブラウジングしたり祖父母の家に転送したりといったことができる |
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さまざまな家電を赤外線でコントロールできる万能リモコンを展示していたのは横河電機。壁に設置するベースノードの下部には、赤外線の受光部と発光部が内蔵されており、ハンディタイプのリモコンから受光した信号をビデオデッキやTVなどに転送する。
これだけだと単なるリモコンだが、ベースノードはIPv6を通じてインターネットからも操作できる点が特徴。たとえば、インターネットからベースノードを経由してハンディタイプのリモコンにメッセージを送信したり、家電をコントロールしたりといった使い方もできるという。
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ベースノードの下部には赤外線の受光部と発光部を内蔵 |
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ハンディタイプのリモコン。ベースノードからメッセージを受信するといった使い方もできる |
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デジカメの側面に取り付けるBluetoothモジュール |
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キヤノンが展示していたのはBluetoothモジュールを側面に取り付けたデジカメ。撮影した画像を、Bluetoothを使用して隣のブースに設置されたインターネット冷蔵庫に転送するといったデモを行なっていた。
今回展示されていたのは試作品。製品化の時期などは未定だが、製品として出す場合にはカメラの側面に取り付けるモジュールとしてではなく、完全に内蔵したいという。また、消費電力や価格などにも左右されるが、BluetoothだけではなくたとえばIEEE802.11bといった無線LAN規格を内蔵することも検討しているようだ。
(笠井 康伸)
2001/12/17 18:21
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