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トレンドマイクロ、2001年のウイルス感染被害年間レポート

 トレンドマイクロは、2001年1月1日から12月14日までのデータを集計したレポートを発表した。「ネットワーク型ウイルスの脅威が本格化」とまとめている。

 ウイルスプログラムが全体的に高度化し、複数の感染経路を持つものや、セキュリティホールを悪用するものが増加した。また、昨年から引き続き蔓延状態が続いているソフトも挙げている。

 届け出数が1位の「MTX(マトリックス)」は昨年に引き続きの1位。4位の「WORM_HYBRIS」も2000年に発見されたウイルスだが、今年も4位と猛威は衰えない。いずれも症状が地味で感染に気づきにくいウイルスだという。そして、「MTX」以降の出来事としては、ウイルス自体が高度なプログラムになっているということだ。特に3位の「PE_MAGISTR」は高度に暗号化されたプログラムであるという。そして、2000年に流行した「VBS_LOVELETTER」などのVBスクリプト型はすっかり影をひそめている。

 今年の傾向としては「ウイルスが巧妙化・悪質化した」とした。「NIMDA」の例を挙げると、同社のサポートセンターへの届け出は6位だが、メールプレビューにとどまらず、ネットワークのファイル共有、IISを使ったWebサーバー経由と複数の感染経路を持つ強力なウイルスとして、新たな脅威を社会に与えたとした。

 セキュリティホールを悪用するものも増えてきている。Internet Explorerのセキュリティホールを悪用するものとして、7位の「WORM_ALIZ.A」、2位の「WORM_BADTRANS.B(バッドトランスB)」が猛威をふるった。大量にメールを送信して感染を広げるため、被害が大規模におよぶ結果となった。プレビューしただけで感染するタイプのものについては、ユーザーが感染を認識していないケースもあるとして、潜在的感染者が多くあることも指摘している。

 そして、今後もInternet Explorerのセキュリティホールの悪用は続くと予想する。修正プログラムを適用していない人が多いこともその理由だという。結局のところ、自身でセキュリティ情報を積極的に集め、適切な対応をすることが必要であるとした。。

 今後の懸念材料としては、不正アクセスの準備をするウイルスの増加を挙げた。インターネット利用者の増加、特にブロードバンド環境の普及により、セキュリティ知識が少ないまま長時間インターネットにパソコンをつないでいる人も多い。常時接続では、IPアドレスが変わらないことが多く、無防備なコンピュータが増えることは悪意をもったクラッカーに格好の場を提供することになる。

 バックドアを作るタイプのウイルスも用心が必要で、自身のパソコンの中身をさらけ出してしまうことのないように注意を呼びかけた。そして、無防備なマシンが情報漏洩や新たな不正アクセスの踏み台にされてしまう危険性を説いた。ウイルス対策ソフトについては、せっかく導入してもアップデートをしなければ感染は防げないという点を明確にした上で、ユーザーの使い方にはまだ問題があるとした。

■ウイルス感染被害年間レポート
順位ウイルス種類通称ウイルスの種類被害件数発見時期
1MTXマトリックスファイル感染型53002000年9月
2WORM_BADTRANS.Bバッドトランス.Bワーム20952001年11月
3PE_MAGISTRマジストラファイル感染型17592001年3月
4WORM_HYBRISハイブリスワーム16352000年11月
5WORM_SIRCAM.Aサーカムワーム12992001年7月
6NIMDAニムダファイル感染型10442001年9月
7WORM_ALIZ.Aアリズワーム9462001年9月
8X97M_LAROUXラルーマクロ型7571997年11月
9WORM_BYMERバイマーワーム4002000年10月
10VBS_HAPTIMEハッピータイムVBスクリプト型3432001年4月

(2001年1月1日~12月14日 トレンドマイクロ調べ 速報)


□トレンドマイクロ
http://www.trendmicro.co.jp/

正田拓也
2001/12/19 20:51

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