情報処理振興事業協会(IPA)とソフォスは、2001年12月度のウイルスについてまとめた。IPAは届出件数のデータを公開し、12月1日から27日までのウイルス届出件数は過去最悪の3430件にものぼったとしている。ソフォスは、12月度の「トップ10ウイルス」を発表、1位は「W32/Badtrans-B」で、ユーザーからの報告の92.4%を占めたとした。
IPAは、2001年8月の2809件を超えて、過去最悪の届出件数として注意を促した。例年、年末年始はウイルスの届出件数が多く、2000年12月の届出件数は2778件、2001年1月は2440件となっている。2001年12月は届出ペースが早まり、14日までで2155件と3000件を超す勢いであると、12月中旬に緊急警報を発表したばかり。そして、27日までの集計結果では3000件を大きく上回る3430件となってしまった。
また、年末年始にウイルスの届出件数が増加する理由として、季節柄、添付ファイル付きのものが多く、ウイルスが紛れ込んでも発見しにくいと分析する。ウイルス別の届出件数を見ると、「W32/Badtrans」が圧倒的で2382件と全体の69.4%を占める。
一方、ソフォスは、「トップ10ウイルス」としてウイルスの順位と報告の割合を公開している。それによると「W32/Badtrans-B」は2001年にもっとも感染を広げたワームのひとつとして、同社に寄せられた報告の大部分である92.4%を占めるという。感染が広まった理由は「年末年始休暇に向けて、ビジネスも警戒をゆるめた」と分析した。
この「トップ10ウイルス」は毎月発表しているもので、世界中のユーザーから、同社のテクニカルサポートに報告されたものをまとめたデータとなる。
■届出件数の推移(IPA)
年月 | 件数 |
2000年12月 | 2778 |
2001年1月 | 2440 |
2001年2月 | 1567 |
2001年3月 | 1476 |
2001年4月 | 1236 |
2001年5月 | 1515 |
2001年6月 | 1335 |
2001年7月 | 1738 |
2001年8月 | 2809 |
2001年9月 | 2238 |
2001年10月 | 1241 |
2001年11月 | 2766 |
2001年12月 | (27日まで)3430 |
■2001年12月 トップ10ウイルス(ソフォス)
順位 | 前月順位 | ウイルス名 | 割合 |
1 | 1 | W32/Badtrans-B | 92.4% |
2 | 新規 | W32/Goner-A | 1.0% |
3 | 3 | W32/Magistr-B | 0.9% |
4 | 5 | W32/Sircam-A | 0.7% |
5 | 6 | W32/Magistr-A | 0.5% |
6 | 7 | W32/Hybris-B | 0.3% |
7 | 2 | W32/Nimda-A | 0.2% |
7 | 新規 | W32/Sheer-A | 0.2% |
7 | 4 | W32/Nimda-D | 0.2% |
7 | 再規 | W32/Apology-B | 0.2% |
- | - | その他 | 3.4% |
□ニュースリリース(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/topics/alert131218.html
□ニュースリリース(ソフォス)
http://www.sophos.co.jp/pressoffice/pressrel/20020102topten.html
□IPAセキュリティセンター
http://www.ipa.go.jp/security/
□ソフォス
http://www.sophos.co.jp/
(正田拓也)
2002/01/08 13:10
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