松下電器産業の「Panasonic hi-ho」など電機メーカー系のISP 4社は、インターネット事業全般において包括的な業務提携を行なうことで合意したと発表。PDAや家電などPC以外の機器を対象としたインターネット接続サービスなどを共同で開発するという。
今回、提携を発表したISPは、松下の「hi-ho」、三菱電機グループのドリーム・トレイン・インターネットが運営する「DTI」、三洋電機ソフトウェアの「SANNET」、東芝情報システムの「infoPepperインターネットサービス」。
提携により、電機メーカーを母体とした4社のISPが、PC以外の機器からインターネット接続サービスを利用する場合のセキュリティ技術の確立やコンテンツ・通信インフラの相互利用、共同開発などを行なっていく。4社がこれらを共同で実施することで、経営リソースの効率化を図り、経営基盤を強化することも狙いのひとつだ。
4社は具体的な提携内容として次の6つを挙げている。
- IPv6ネットワークサービスの共同研究および運用
PC以外の機器からインターネットに接続する場合に重要な要素となる、IPv6のネットワーク構築やサービスの研究開発および運営を共同で行なう。
- ポータルサイトの共同開発・運営
PC以外のさまざまな機器からのアクセスを想定したポータルサイトを共同で開発、運営する。
- コンテンツサービスの共同開発・運営
コンテンツを相互利用したり共同で企画・開発する環境を整備することでビジネスを拡大するとともに、PC以外のデバイスをターゲットとしたコンテンツを開発、提供する。
- 通信インフラなどの相互利用
各社のバックボーンやネットワークオペレーションセンター、データセンターなどの相互利用を検討する。
- 共同でのマーケティング活動
販売促進や宣伝活動で、各社のマーケティング力を結集することでマーケティング活動の効率化を図る。
- 「NonPC ISPコンソーシアム(NIC)」の発足
PC以外の機器からのインターネット接続を普及させるためのコンソーシアムを設立。ここで、さまざまな検討を進めていく。
松下によれば、今回の提携はあくまでPC以外のデバイスへのインターネットサービスが対象。PC以外といっても範囲は広いが、現時点でデバイスが特定されているわけではない。家電やAV機器、PDA、産業用機械など幅広いデバイスを対象にするという。
また、今回の提携はあくまでインターネット接続サービスに関わるものであり、ハードウェアの開発を共同で行なう計画などはない。ISP大手の@nifty(富士通)、BIGLOBE(NEC)、So-net(ソニー)などが含まれていないが、コンソーシアムへの参加はオープンにしており、多くのISPが参加してほしいとしている。
なお、具体的なスケジュールは4月に第1回目の開催を予定しているコンソーシアムの会合で詰めるという。
□ニュースリリース
http://www.dti.ad.jp/company/release/hiho.html
http://www.sannet.ne.jp/sannet/news/20020311.html
□関連記事「松下のhi-hoと三菱のDTIがISP事業で提携」
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2001/12/25/hi-ho.htm
(笠井 康伸)
2002/03/11 17:03
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