|
PCの背面に装着されたボードと、その左側の平面アンテナがユーザー局の試験装置 |
|
基地局側は制御用のPCと無線機で構成される |
通信総合研究所(CRL)は、38GHzのミリ波を用いる広帯域無線アクセスネットワークの屋外システムを試作、長距離通信実験に成功したと発表した。これにより、通信速度312Mbpsを200mの範囲で通信できる無線アクセスシステムが実現できるという。
CRLによれば、このシステムは複数のユーザー局(クライアント)が1つの基地局を共有する無線システムとしては世界最高となる312Mbpsを達成。通信範囲も200mと従来の無線LANシステムと比較して広く、またハードウェアもPC用のボードと小型無線機のみで実現できるという。
実験システムは2台の基地局と2台のユーザー局で構成。基地局とユーザー局の無線機には平面アンテナを使用した。通信方式にはCRLが開発したEnhanced RS-ISMA(Reservation-based Slotted Idle Signal Multiple Access)を採用。この方式では、基地局からユーザー局までの距離に応じた送信タイミングを自動的に調整することができるという。これを使うことで、基地局から各ユーザー局までの距離を仮想的にそろえることが可能となり、最高速度を保ったまま200mまでのユーザーを収容することが可能になったとしている。
□ニュースリリース
http://www.crl.go.jp/pub/whatsnew/press/020308-1/020308-1.html
□通信総合研究所
http://www.crl.go.jp/overview/index-J.html
(笠井 康伸)
2002/03/13 14:15
|