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シマンテック代表取締役社長の成田明彦氏 |
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「Symantec Client Firewall 5.0」のスクリーンショット |
シマンテックは、ウイルス対策とファイアウォール機能を統合した、企業内のクライアントパソコン用セキュリティ製品「Symantec Client Security」を発表した。10月7日から受注を開始する。販売価格は、利用するクライアントパソコン数などによって異なり、100~249クライアント新規契約時の通常単価は1万1600円。
Symantec Client Securityは、ウイルス対策のみにとどまっていたクライアントパソコン向けのセキュリティ機能に、不正侵入などを防ぐファイアウォール機能を統合した製品。企業内での利用を前提としており、ウイルス定義ファイルの自動配信機能や、セキュリティ設定の一括処理・変更など、コンシューマ向けでは不要な、管理者向け機能を充実させている。
企業における不正侵入対策は通常、社内ネットワークとインターネットの接続点であるゲートウェイ部分や、サーバーで行なうことが多かった。しかしシマンテック代表取締役社長の成田明彦氏は、「昨年に(あらゆる経路を使って感染を試みる)nimdaウイルスが登場して以来、クライアント側でのセキュリティ対策が、ウイルスに対するものだけでは不十分だという現実がある」と語っている。
また同社の製品戦略部リージョナルプロダクトマネージャの吉田一貫氏によれば、「社内ネットワークでの不正侵入対策が万全であっても、社内用ノートパソコンを自宅からインターネットに接続することで、無防備な状態に晒されることになる」と説明。加えて学校やインターネットカフェなど、不特定の利用者が多数いるネットワークにおいて一旦侵入されると、ネットワーク内部での攻撃が多発する恐れがあると述べ、クライアントパソコンにおけるファイアウォール機能の必要性を強調した。
Symantec Client Securityは、ウイルス対策ソフトの新版「Symantec AntiVirus Corporate Edition 8.0」や「Symantec Client Firewall 5.0」のほか、管理者向けツールである「Symantec System Center 5.0」「Symantec Client Firewall Administrator」「Symantec Packager」の合計5つのコンポーネントから構成される。おもにWindows系のクライアントOS・サーバーOSで動作する。
クライアント側で利用できるファイアウォール機能では、Webブラウザやメーラーといったアプリケーション別のアクセス制限やポートスキャンの検知・遮断、悪質なActiveXコンポーネントの監視などが可能。またウイルス対策機能も従来製品からバージョンアップし、圧縮ファイルのウイルススキャン高速化などが図られているという。
クライアント側にインストールされたウイルス対策・ファイアウォール機能は、いずれも「Symantec System Center 5.0」で単一的にリモート管理が可能。ファイアウォールのルールを一斉に適用したり、クライアント側ユーザーによる設定変更の禁止、設定画面自体を不可視とすることもできる。
シマンテックでは今回発表した統合型の製品を、サーバー向け分野で発売する予定。7月にはセキュリティ事業の強化のために4件の企業買収も行なっており、成田社長は「今後も投資効果の高い、より総合的なセキュリティ・ソリューションを提供していきたい」と語った。
□ニュースリリース
http://www.symantec.co.jp/region/jp/news/year02/020903.html
□Symantec Client Security製品情報
http://www.symantec.com/region/jp/products/scs/index.html
□シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
(森田 秀一)
2002/09/03 15:53
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