電子マネーを利用するメリットの1つに、電子マネーの利用することで貯められるポイントサービスの存在があります。各ポイントサービスの中から、まずはEdyのポイントサービスについて見ていきましょう。
■ 提携サービスが多く複雑なEdyのポイント
Edyのポイントサービスについては、Edyのサービス概要を紹介した際にも少し触れましたが、Edyは基本的に自社のポイントサービスは提供せず、他社のポイントサービスとの提携という形を取っています。このため、提携先によってサービス内容に違いがあり、いつ、どのようなタイミングで、そしてどういう条件でポイントが付くのかが、すぐには判断できないこともあります。
そこで、まずはお金の流れからポイントを整理してみましょう。Edyはプリペイド式の電子マネーですから、現金などでチャージし、チャージしたEdyで商品やサービスなどを購入することになります。
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現金またはクレジットカードなどでEdyにチャージしてから賞品を購入
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この流れで大きく2つのポイントが発生する可能性があります。1つはチャージのタイミングで、クレジットカードを利用してチャージを行なう場合は、その金額に応じてクレジットカード会社のポイントが付与される場合があります。
しかし、このポイントは残念ながら縮小傾向にあります。以前は多くのクレジットカード会社がEdyへのチャージに対してポイントを付与していましたが、チャージポイントの付与を停止したり、そのレートが下げられており、このポイントについてはメリットを受けられる人が少なくなりつつあります(ポイントが付与されるかどうかはカード会社のWebサイトなどを参照)。
そこで注目したいのが前述した図の後者、つまりEdyを使って商品やサービスを購入した際のポイントです。このポイントには大きく分けて、提携先ポイント、「Edyでポイント」、マイルに分けることができます。
■ 3つに分類できるEdyの提携ポイント
まずは、この3つの種類のポイントを図で整理してみましょう。
左側が使う人、中間が使う場所、右側がもらえるポイントです。つまり、「誰が」、「どこで」Edyを使うと「何を」もらえるのかを示しています。Edyはさまざまな場所で利用できるサービスですが、ここではわかりやすくするためにコンビニエンスストアでの利用だけに絞ってポイントサービスを見てみましょう。
前述したようにEdyのポイントサービスは大きく3つに分類できます。まずは、提携ポイントについて見てみましょう。この提携ポイントの多くは、会員証向けのポイントサービスです。コンビニエンスストアやスーパーなど、多くの企業が自社の利用者向けにポイントサービスと会員証を発行しています。この会員証とEdyが一体化したものを利用した場合のポイントが提携ポイントの項目です。
このサービスは、会員が自社で買い物をした際にポイントを付与するサービスです。コンビニの例では、am/pmやサークルKがこれに相当します。決済にEdyを使うだけで、普通のポイントサービスと仕組みは同じです。
■ 店舗や場所にかかわらずポイントが貯まる「Edyでポイント」
続いての「Edyでポイント」も、自社の会員向けに、自社のポイントを発行するという点は同じですが、使う場所がどこでも構わないのが特徴です。
「Edyでポイント」は、おサイフケータイでの利用のみが可能なサービスです。あらかじめEdy用のアプリで貯めたいポイントを選択しておくと、200円あたり1ポイントというレートでポイントが付与されます。
選択できるポイントは、楽天スーパーポイント、Tポイント、ヤマダポイント、ベルメゾンポイント、auポイント、NEXCO中日本のプレミアムドライバーズカードショッピングポイント、ANAマイルの7種類です。
たとえば飛行機での移動が多いならマイルを選択しておくことで、普段のEdyの利用でマイルが貯まります。同様に、auの携帯電話を使っているならauポイント、ヤマダ電機での買い物が多いならヤマダポイント、と言ったように貯めるポイントを自由に選べます。
先ほどの提携ポイントと違って、Edyを使う場所はどこでも構いませんので、コンビニなどでの買い物でマイルやauポイント、ヤマダポイントなどを貯めることができることになります。
なお、選択できるポイントのうち、ANAのマイルだけは特別な存在で、Edyマイルプラスというサービスに提携している店舗(am/pmやニッポンレンタカー)などで利用した際は、200円で2ポイントという倍のレートのポイントを貯めることができます。
また、ANAが発行しているEdy付きのANAマイレージクラブカードは、貯まるポイントはマイルに限られますが、「Edyでポイント」と同様Edyが利用できる場所であれば、どの店舗でEdyを使った場合でもマイルを貯めることができます(Edyマイルプラスも同様に利用可能)。このようにマイルだけを別に考えると、多少、ポイントの仕組みがシンプルになります。
手段 |
Edyでポイント |
どこで? |
全国のEdy対応店舗で |
Edyマイルプラス提携店舗で※ |
何を? |
商品やサービスを |
どんな? |
アプリでサービス登録した |
何の? |
おサイフケータイ |
何で? |
Edy |
いくら買うと? |
200円分 |
何が? |
楽天スーパーポイントが |
Tポイントが |
YAMADAポイントが |
ベルメゾン・ポイントが |
auポイント |
プレミアムドライバーズカードショッピングポイントが |
マイルが |
どれくらい? |
1ポイント |
1ポイント |
1ポイント |
1ポイント |
1ポイント |
1ポイント |
1マイル |
2マイル |
どこに貯まる? |
楽天アプリ |
Tポイントアプリ |
YAMADAモバイル de Edy |
ベルメゾン会員アカウント |
au携帯電話の口座 |
カードのポイント口座 |
ANAマイル口座 |
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※am/pm、ニッポンレンタカー、ANA FESTA、コレド日本橋、大丸福岡天神店、PRONTO、109シネマズ、紀伊國屋書店、A&W、ユニバーサルスタジオジャパン、ユニバーサルシティウォーク大阪
※Edyマイルプラズは、Edy機能付のANAマイレージクラブカードでも対応
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■ 貯めたポイントを買い物で再利用
このように、さまざまな方法でポイントを貯めることができるEdyですが、貯まったポイントはどのように使えるのでしょうか?
提携ポイントまで考慮すると数が多くなりすぎますので、ここでは「Edyでポイント」の7つのサービスに絞って見てみましょう。
「Edyでポイント」は、利用者が選んだ企業のポイントが貯まるサービスですので、基本的に貯まったポイントはその企業のサービスに利用します。たとえば、楽天スーパーポイントであれば楽天での買い物に使ったり、auポイントを携帯電話の機種変更の際に使うことになります。
しかし、中には貯めたポイントを再びEdyとして利用できる場合があります。「Edyでポイント」の場合であれば、ANAのマイル、そしてNEXCO中日本がこれに相当します。マイルの場合は1万マイルを1万円分のEdyに、NEXCO中日本の場合は1000ポイントを1000円分のEdyギフトに交換できます。
もともと200円で1ポイントというレートで付与されたポイント(Edyでマイルプラスでは200円で2ポイント)ですから、貯めたポイントで再びEdyで買い物をするまでには相当な金額が必要になりますが、再び電子マネーとして使えるのは大きなメリットでしょう。
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Edyと各種サービスのポイント交換比率
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一方、「Edyでポイント」の他のサービスに関してですが、これは貯めたポイントを直接Edyに交換することはできないものの、マイルを経由してEdyにすることができます。
たとえば、楽天スーパーポイントの場合、貯まった2ポイント分を1マイルに交換することができます。マイルは1万マイルを1万円分のEdyに交換できますので、これによって再び電子マネーとして利用できます。
ただし、レートを見ればわかる通り、マイルに交換した時点でその価値が半分になってしまうため、実質的に損をすることになります。はじめから貯めたポイントを再びEdyとして使いたいのであれば、「Edyでポイント」のポイント付与先としてマイルを選んでおくのがもっとも効率的でしょう。
なお、ポイントの使い道に関しては、提携先カードのポイントの場合も同様です。たとえば、ドラッグストアのマツモトキヨシでは、おサイフケータイ向けのマツキヨポイントアプリを利用している場合に、おサイフケータイのEdyで決済すると、100円あたり1マツキヨポイントが付与されます。
このマツキヨポイントは、同社での値引きや景品交換に利用できるほか、1000マツキヨポイントを700円分のEdyギフトに交換したり、楽天スーパーポイント(500マツキヨポイント=350楽天スーパーポイント)に交換することができます。
基本的に貯めたポイントをその企業のサービスで利用するか、価値の目減りを覚悟して他のポイントに交換するかのどちらかを選択することになるでしょう。
■ 資料請求やオンラインショッピングでEdyが貯まる「Edyパラダイス」
ここまで、チャージする時のポイント、Edyを使うときのポイントの2つ紹介してきましたが、このほかにEdyでは2008年11月から新たなサービスの提供が開始されました。
「Edyパラダイス」と呼ばれるこの新しいサイトは、サイトを経由して資料請求や会員登録、買い物などをすることでポイントを貯めることができるサービスです。Edyパラダイスを経由して、700以上の提携サイトのいずれかを利用すると、一定額のポイントや購入金額の数パーセントのポイントを手に入れることができます。そして、このポイントをEdyへと交換できるわけです。
冒頭で、お金の流れとEdyのポイントを初回しましたが、このEdyパラダイスは商品やサービスをEdyへと変化させるためのものと言えます。つまり、以下の図のように、このサービスの登場によってEdyを核としたひとつの循環ができあがることになるわけです。
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Edyパラダイスの流れ
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このように、個別に見ると複雑なEdyのポイントサービスですが、流れを整理して、それぞれの関係を見てみると、多少はわかりやすくなったのではないでしょうか。
■ URL
Edy
http://www.edy.jp/
Edyでポイント
http://www.edy.jp/profit/edypoint/
Edyパラダイス
http://edypara.jp/
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2008/11/27 10:59
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