ポストペイド方式の電子マネーとしては、ポイントサービスが比較的に充実しているのがNTTドコモのiDです。その詳細について見てみましょう。
■ 「ドコモポイント」の3つの側面
NTTドコモのiDのポイントサービスは、その内容が充実しているだけあって、なかなか複雑です。
NTTドコモのポイントサービスは「ドコモポイント」に集約されているのですが、携帯電話の利用や電子マネーの利用、DCMX(クレジット)での決済など、さまざまなシーンで同じポイントが貯まるだけでなく、利用方法によって携帯電話やDCMXなどポイントが貯まる場所が違ったり、会員サービスへの加入や契約年数によってポイントのレートが違うなど、いろいろなことを考慮しなければなりません。
このため、iDのポイントサービスというよりは、NTTドコモの「ドコモポイント」を理解することが近道です。
ドコモポイントは、以下の図の色分けした背景の部分のように、大きく分けて3つのシーンで貯まります。
1つ目は図の左下、携帯電話ユーザー向けのポイントです。同社の携帯電話を利用している場合は、その基本料、通話料、通信料、付加機能料に対して100円あたり1~7ポイントのドコモポイントが付与されます。
なお、付与されるレートは、通常100円あたり1ポイントですが、ドコモプレミアムクラブに登録すると(無料)、このレートが2~7ポイント(契約年数や利用金額によって異なる)にアップされます。とにかく、携帯電話を利用していてれば貯まるのが1つ目のポイントです。
2つ目は図の上の部分、クレジットサービスのポイントです。同社ではDCMXと呼ばれるクレジットカードサービスを提供していますが、このDCMXを利用して買い物をした場合などは、その利用金額に応じたポイントが「ドコモポイント」として付与されます。
最後の3つ目が、今回の主題となる電子マネー向けのポイントで、図の右下の部分になります。詳しい条件については後述しますが、DCMXかDCMX miniを利用したiDによる支払いでドコモポイントが付与されます。
■ どこで何に使うと、どれくらいポイントが貯まる?
それでは、ポイントサービスの詳細について、「誰が」「どこで」「何を買うと」「何がもらえるのか」という枠組みをで整理しながら見ていきましょう。
まず、前述した携帯電話の料金に対してのポイントですが、これは「ドコモプレミアムクラブ」」に加入しているかどうかでポイントのレートが変わります。詳細は同社の顧客向けサイト「My docomo」を参照していただきたいと思いますが、最低でも2倍にレートが上がりますので、まずは加入しておいた方が良いでしょう。
興味深いのは、この携帯電話のポイントとDCMXによる決済のポイントを組み合わせることができる点です。携帯電話の料金をDCMXで支払うようにすると、基本料などに付与されるドコモポイントに加えて、支払った料金に対するDCMXのドコモポイントも付与されます。
このDCMXのポイントは、いわゆるクレジットカードのポイントサービスですので、携帯電話の請求金額全体に対して付与されます。このため、基本料などでだけでなく、iモードで購入したコンテンツの情報料など、携帯電話のポイントでは対象外となる料金についても計算対象となるだけでなく、家族の携帯電話利用料も一括で支払っている場合は、その金額も対象となるのが特徴です。
このように、プレミアムクラブとDCMXを活用すれば、ドコモポイントを効率的に貯めることができます。
続いて、クレジットや電子マネーでの買い物で付与されるポイントについて見ていきましょう。買い物でのポイントについても、カギとなるのはドコモプレミアムクラブへの登録です。
DCMXについては、ポストペイの電子マネーとして考えても、基本的にはクレジットカードサービスとなりますので、その利用料に応じてドコモポイントが付与されます。
一方、携帯電話の利用料と一緒に請求されるDCMX miniを電子マネーとして利用して買い物をした場合、通常は何のポイントも付与されません。
しかし、いずれの場合も、ドコモプレミアムクラブに加入し、かつ特約店で買い物をした場合はさらにお得になります。DCMXの場合は、決済金額に対して付与される100円あたり1ポイントの通常ポイントに加えて、さらに1~4ポイントが付与されます。
これに対してDCMX miniの場合、通常では付与されないドコモポイントが、1~4ポイント付与されるようになります。
特約店は、現状ではKADOKAWA CINEPLEX、紀伊國屋書店、東京無線、オリックスレンタカー、タワーレコードと、限られてはいますが、通常より多くのポイントを獲得できることを考えると、上手に活用することをお勧めします。
■ ポイントは閉じた世界で消費
このようにして貯めたドコモポイントは、携帯電話とDCMXで個別に管理されており、それぞれ使い道が異なります。
DCMXに貯まったドコモポイントは、商品への交換、もしくは携帯電話のドコモポイントに移行することができます。
一方、携帯電話のドコモポイントは、同様に商品への交換に利用することもできますが、機種変更や修理、付属品の購入などの際の支払いに充当することができます。数年ごとに携帯電話を買換えるような場合は、このポイントをうまく貯めておくことが、機種変更時の支払いに大きく影響することでしょう。
また、これは商品交換の一種となりますが、貯まったポイントをDCMX(iD)の支払いに充当できるクーポンと交換することもできます(ドコモプレミアムクラブ限定)。ただし、この交換は1口2500ポイントからとなり、さらに2500ポイントが2000円と、交換レートも有利とは言えません。
閉じた世界になってしまいますが、基本的には携帯電話の機種変更に使うというのがもっともお得でしょう。
■ URL
iD
http://id-credit.com/
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2009/01/22 10:58
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