セブン-イレブンやイトーヨーカドー、デニーズなど、セブン&アイホールディングスの店舗を中心に利用できる電子マネー「nanaco」。今回はnanacoのポイントサービスについて見てみましょう。
■ 独自のポイントサービス「nanacoポイント」
セブン&アイホールディングスが提供する電子マネー「nanaco」。このポイントサービスは複雑な点もあるのですが、基本的にはシンプルです。
プリペイド式の電子マネーでは、カードに金額をチャージするときにクレジットカードのポイントが付与される場合がありますが、nanacoに関しては、こうしたポイントサービスは現状提供されていません。
nanacoへのチャージは、店頭やセブン銀行ATMでの現金チャージ、もしくは同グループが提供するアイワイカードを利用したクレジットチャージ(PCや電話で申し込み後、店頭で残高確認でチャージ)のみですが、後者のクレジットチャージを行なった場合でも、チャージした金額に対してアイワイカードのポイント(アイワイポイント)は付与されません。
このため、nanacoで使えるポイントサービスは、nanacoを使って買い物をしたときなどに付与される「nanacoポイント」のみとなります。
なお、nanacoポイントはセブン銀行の取引の特典としても利用されており、セブン銀行への給与振込、各種引き落としの利用などの場合でもポイントが付与されます。ただし、このポイントを貯めるには事前の登録が必要です。
取引内容 |
ポイント |
備考 |
給与・賞与の受取り |
10ポイント/件 |
5件/月上限 20000円以上/件 |
振込入金 |
10ポイント/件 |
5件/月上限 |
振込出金 |
10ポイント/件 |
- |
口座振替 |
10ポイント/件 |
- |
■ キャンペーンとの組み合わせで複雑になるnanacoポイント
ポイントについては、どの事業者のサービスもキャンペーンを考慮すると複雑になりがちです。このため、本連載では基本的なサービスの紹介時にはキャンペーンは考慮しないことにしていました。
しかし、nanacoの場合、セブン-イレブンで指定商品を購入することでもらえるボーナスポイントのキャンペーンが提供されていたり、2009年1月31日までの期間限定ではあるものの、本来ポイントが付与されない場所での利用でポイントが付与されるキャンペーンなどが開催されているなど、キャンペーンの利用で付与されるポイントが大きいために考慮せざるを得ません。
冒頭で本来はシンプルなポイントサービスながら、複雑な点があると紹介したのはこうした理由からです。
それではこれらの点を考慮しつつ、nanacoポイントの詳細について見ていきましょう。まずは、ポイントが付与される対象ですが、カード型のnanaco、モバイルnanaco、そしてカード型nanacoに追加したQUICPayのいずれを利用した場合もポイントが付与されます。
QUICPayは、JCBなどが中心に展開するポストペイ型の電子マネーで、サービスとしては完全にnanacoと別ですが、nanacoカードに追加可能なQUICPayはアイワイカードを決済カードとして登録したサービスとなっていますので、事実上、アイワイカードでの決済と同じ扱いです。
このため、セブン-イレブンでの支払いに限り、200円ごとにアイワイポイント1ポイントが付与されるだけでなく、さらにnanacoポイントも200円ごと1ポイント付与されます。通常、nanacoポイントのレートは100円につき1ポイントですが、QUICPay(nanaco)の場合はポイントが2つに分散されるため、レートが1/2になるというわけです。
続いて、ポイントが付与される場所について見てみましょう。nanacoでの支払いによってnanacoポイントが付与されるのは、基本的にセブン&アイグループの「セブン-イレブン」「イトーヨーカドー(現状は食品売り場のみ)」「デニーズ」のみです。
nanacoは、これらのグループ企業以外に、東急スノーリゾート、オリックスレンタカーやmod's hair、カラオケ館など、提携店舗での支払いに利用することもできます。しかし、これらの店舗での支払いには、基本的にポイントは付与されない(チャージもできない)ようになっています。
しかし、これも例外があり、2009年1月31日まではキャンペーンによって、これらの店舗での支払いでも、200円につき1ポイントが付与されます。
さらに複雑になるのが、セブン-イレブンでのボーナスキャンペーンです。セブン-イレブンで対象製品をnanacoで購入した場合、購入金額100円あたり1円のnanacoポイントに加えて、商品ごとに設定されたボーナスポイントが10~300ポイントもらえるようになっています。このキャンペーンは、一部商品を除き、QUICPay(nanaco)での支払いでももらえるようになっており、実にややこしいところでしょう。
たとえば、現在のポイント対象商品の多くの期間が12月31日までとなっていますが、お菓子類で20ポイントが付与されるなど、事実上の割引価格で購入できるようになっています。同様のキャンペーンはWAONを提供するライバルのイオングループ(ミニストップ)などでも提供されており、流通系電子マネーの特徴の1つとも言えるでしょう。
■ ポイント交換には手数料が必要
最後にポイントの使い方について紹介しましょう。
nanacoの利用で貯めた「nanacoポイント」は、そのままでは利用できません。セブン-イレブンやデニーズの店頭レジ、イトーヨーカドーのサービスカウンターなどで、ポイント交換の手続を行ってnanacoに再チャージすることで、はじめて利用することができます。また、12月22日からはNTTドコモの携帯電話用iアプリから、nanacoポイントの電子マネー再チャージが可能になりました。
店頭などで「ポイントを交換してください」とお願いするか、iアプリで操作するだけですので手軽に再チャージできるのですが、1つ注意しなければならないのが手数料が必要になる点です。しかも、この手数料は交換するポイントの1%と、交換するポイントが多くなればなるほど手数料もかかり、端数が切り上げで計算されます。
このため、100ポイントを100円に交換するためには101ポイントが必要になりますが、101ポイントを101円に交換するには切り上げ計算で手数料が2ポイントになってしまうのです。手数料を考慮した場合、100ポイント単位で交換するように心がけましょう。
さて、「nanacoポイント」は他のポイントへの交換ができないため、基本的には再チャージして使うことになりますが、逆に他のポイントを「nanacoポイント」に交換することは可能となっています。
アイワイカードのポイントサービスであるアイワイポイントは等価で「nanacoポイント」に交換することができます。また、JCBカードの「OkiDokiポイント」が「nanacoポイント」への交換に対応していて、「OkiDokiポイント」1ポイントを「nanacoポイント」3ポイントに交換できますので、種類は限られますが、他のポイントをnanacoポイント経由で再チャージすることも可能です。
また、アイワイポイントに関してはANAマイルとの相互交換にも対応していますので、nanacoもまたANAマイルによってポイントネットワークのハブに接続されることになります。ここでもマイルの汎用性の高さに驚かされるところです。
■ URL
nanaco
http://www.nanaco-net.jp/
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2008/12/25 11:07
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