Broadband Watch logo

語学学習機能も搭載するNHCのポータブルマルチメディアプレーヤー


 NHCから小型のポータブルメディアプレーヤー「PMP-2000」が発売された。PMP-2000は、小さな筐体の中に7つの機能がつまった製品だ。今回は、PMP-2000が備える機能を紹介していこうと思う。


NHCの「PMP-2000」。価格は512MBタイプが29,800円、1GBタイプが39,800円
 見た目は単なる液晶付きの「コンパクトなMP3プレーヤー」。本体サイズは75×14.2×37mm(幅×奥行×厚)と小型で、重量も37.3gと軽量だ。一般的な携帯電話と比べても、一回り以上小さく、ポケットに入れた時の「ずっしり感」はない。液晶は1.3インチの26万色カラーTFTを搭載している。

 本体へのデータ転送はUSB 2.0ポートを使用する。USBマスストレージクラスに対応しているので、最近のパソコンであればドライバのインストールは必要ないだろう。充電は基本的にUSBポートより給電を行ない、3時間の充電で約8時間の音楽再生が可能だ。

 さて、同製品は小さな筐体ながら、実に豊富な機能を搭載している。その機能は大きく分けて、7つある。まずは音楽を聞くための「Musicモード」と動画を再生する「Multimediaモード」、静止画を再生する「Pictureモード」。さらに録音ができる「Recordモード」やFMラジオが聴ける「Radioモード」、テキストファイルが閲覧できる「Textモード」、他のUSB機器からファイルのコピーができる「USB hostモード」だ。


イヤホンのほか、USBケーブルやUSBホストケーブル、Windows 98で利用する際に必要なドライバソフトなどが添付されている 筆者の携帯電話と比べたところ モード切り替え画面

 まずは基本のMusicモード。同製品には専用の音楽転送ソフトは付属しておらず、聴きたい曲は本体にドラッグ&ドロップして楽曲を転送する。つまり、USBメモリや外付けHDDにデータをコピーする感覚で音楽ファイルを転送するわけだ。もちろん、フォルダ単位の転送も可能なので、アーティストやアルバムごと、ジャンルごとに分けて、自分好みのプレイリストを作成しても良いだろう。

 音声フォーマットはMP3ファイル以外にもWMA、OGGファイルが再生できる。ビットレートはMP3が8kbps~320kbps、WMAは32kbps~192kbps、OGGは44kbps~500kbpsだ。


このようにジャンルやアルバムごとにフォルダ分けが可能。音楽ファイルをそのまま転送することもできる 液晶は比較的明るい。もちろん日本語ファイル対応で画面に収まりきらないロングファイルの場合はスクロールされる

パソコンで録画したテレビ番組(語学番組)を付属ソフト「DYN Converter」で変換する。通勤時間中などに映像を見ながら語学学習が可能
 続いて、「Multimediaモード」。最近はテレビ番組を録画できるパソコンが数多く発売されており、ドラマやスポーツ番組などを録りためて、休日にまとめて観るなんて人も多いだろう。筆者もその1人だ。例えば、語学番組。「あとで勉強しよう」という考えのもと、ひたすら録りためているのだが、最近は時間がなく、いまだに見ていない番組が大量にある。そういったときに、PMP-2000に転送すれば、自宅のパソコンでなくても見られるようになるのだ。なお、変換には付属のCDに収められている「DYN Converter」を利用する。

 さっそく試してみたところ、液晶が小さいのでテロップなどは潰れてしまうかと思ったが、意外に「見られる」ことがわかった。これなら通勤時間を利用して語学番組をチェックできるので、時間を有効活用できそうだ。

 もちろん静止画の再生も可能。この場合は画像ファイルを本体に転送するだけでOK。ただし、対応するファイル形式はJPEGだけなので注意が必要だ。どうしても他の形式の画像を表示したい場合には、手持ちの画像ソフトでJPEGに変換してから利用すると良いだろう。


 さて、音楽/動画/静止画と基本の3機能を見てきたが、次は他の音楽プレーヤーではあまりみない、ユニークな機能を紹介しよう。

 筆者が特に便利だと感じたのは「テキストモード」。同機能は、ドラッグ&ドロップで本体に転送したテキストファイルを閲覧できるというものだ。もちろん、液晶画面が小さいので、長文を読むのには何回もスクロールしなければならないのは少々面倒だが、「今日やるプレゼンの資料を見直したいんだけど、満員電車の中じゃクリアファイルを取り出せないよ!」などという場合には、手のひらの中で文書を確認できるのがうれしい。むろん、テキストファイルしか認識しないので気をつけよう。

 さらにUSB機器からファイルのコピーができる「USB hostモード」。手持ちのUSBケーブルを利用してデジタルカメラなどと接続、カメラ内の画像データが本体に取り込めるのだ。本体の容量が512MBまたは1GBなので、膨大な量は転送できないが、日帰りの旅行などで「しまった、デジカメのメモリ容量がいっぱいになってしまった」といった場合には、データの一時避難用として利用するのも良いかもしれない。


フォントサイズは変更できないようだ デジタルカメラとUSB接続してデータをコピーできる

 同製品にはまた、録音機能「Recordモード」とFMラジオ機能「Radioモード」も搭載されている。

 市場では、ICレコーダ単体の需要が多いらしい。確かに筆者も発表会や取材の際にはICレコーダを持ち歩き、実際に録音しているし、会社でも会議を録音している人もいるだろう。が、急な取材や会議が入ったときに限って持参していなくて、悔しい思いをしたことがあるという人もいるだろう。しかし、普段持ち歩いている音楽プレーヤーでも録音できるとなると、かなり便利だ。

 また、FMラジオ機能は、自宅でチェックできなかった番組を聴く、帰宅途中にお気に入り番組をリアルタイムで聴くなどという使い方が考えられる。もちろん聴いている番組は本製品に録音することもできる。

 さらに同製品のオマケ機能として、英単語学習機能がある。リズムに乗って次々に英語→日本語訳、の順番でしゃべってくれるというもの。

 テンポがやや早いので、何気なく聴いているとあっという間に1セット(約60単語)終わってしまい、なんだか覚えたような覚えていないような気もしてくる。画面には英単語と意味が表示されるため、ちゃんと学習したい人は画面を見ながら聴いたほうが良いかもしれない。


FMラジオを起動したところ 英単語が次々と表示される。文字もみやすく、自然と覚えられるように工夫されているようだ

 本体が小さいだけあって、すべてのボタンも小さめで、ボタンを押すときはギュッとツメを立てて押す必要がある。しかし、十字ボタンと本体上の3つのボタンだけなので、隣のボタンを誤って押してしまう心配はないだろう。また、電源を切るときは一時停止ボタンを長押しするのだが、押しにくくてなかなか切れなくて困ったこともあった。逆に考えれば、ポケットなどに入れておいても誤って止めてしまうこともなくなるわけだが……。ちなみに音楽を聴きながら静止画やテキスト再生はできないので、いったん音楽を止めてからモードを切り替える必要があるはやや残念だ。

 PMP-2000に収録されているデータは、本体のみで手軽に再生・確認が可能。つまり、「これ、この間の旅行の写真なんだけど」などと液晶画面で友人にみせ、その場でデータを渡すこともできるのだ。

 音楽・動画・静止画プレーヤー、FMラジオ、録音、語学学習プレーヤー+転送モードと、小さな筐体にさまざまな機能が詰まった、マルチプレーヤー。また、USBメモリのようにデータの持ち運びも可能。音楽も写真も動画も持ち歩いていつでも楽しみたいし、ラジオも聴きたい、通勤途中に語学学習もしたい、などという欲張りな人にぴったりではないだろうか。非常に小型なため、ポケットやかばんに入れてもかさばることもなく、毎日持ち歩くのに苦はない。

 価格は1GBタイプが39,800円、512MBタイプが29,800円。ボディーカラーはホワイトとレッドの2色だが、レッドは1GBタイプのみラインナップされている。仕事にプライベートに、さまざまなデータを保存してあれこれ楽しみたい場合は容量の多い1GBモデルを利用するのが、何かと安心だろう。


関連情報

URL
  製品情報
  http://c110uvw5.securesites.net/new/pmp/top.htm
  NHC
  http://www.nhc-com.jp/


(東郷真之)
2005/06/22 11:03
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.