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PSPで音楽が聴きたい！ 携帯型ゲーム機対応の楽曲データ転送ソフト |
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知らない人も意外に多いようだが、PSPではゲームをプレイするだけではなく、本格的な音楽再生を楽しむこともできるのである。楽曲データをアルバム単位やアーティスト単位にグループ化できるほか、リピートやシャッフルといった再生モードの切り替え、さらに5種類のプリセットイコライザーで音質調整が可能なのだ。 オプションとして専用のリモコン付きヘッドフォンまで用意されており、機能的には音楽専用のメモリカードプレーヤーにも引けはとらない。しかも、JPEG画像表示に対応しているので、曲データと合わせてジャケットやアーティストの画像データを転送しておき、ディスプレイに映し出すなんてワザも使えてしまうのである。 手元にMP3形式の楽曲データがあれば、PSPをミュージックプレーヤーとして利用するのは簡単だ。メモリースティックDuo内の「\PSP\MUSIC」というフォルダにファイルを置いておきさえすればよい。しかも、PSPはUSBマスストレージクラスに対応しているので、そのままメモリースティックDuo用のリーダライターとして機能する。要するにPSPとパソコンをUSBケーブルで接続し、エクスプローラなどで楽曲データファイルをメモリースティックにコピーするだけでよいのである。 ただ、PSPを本格的なミュージックプレーヤーとして利用する場合、ほかのプレーヤーと同じように、CDなどの音楽ソースやインターネット上の音楽配信サービスから楽曲データを取り込んだり、あるいは多数の楽曲データをパソコン上で管理するためのソフトウェアが必要になる。今回はPSPに対応した楽曲データ転送ソフト2種類を試用した。以下、PSPを使う上で注目したい機能を中心に特徴を述べていこう。 ■ ATRAC3形式の楽曲データ転送も可能なジャストシステム「BeatJam 2005」
BeatJam最大の特徴は、MP3形式だけでなくATRAC3形式の楽曲データの直接転送が可能という点だろう。ATRAC3はソニー製デジタルオーディオをはじめとした機器などに採用されている音声データ形式の1つ。レーベルゲートが運営する「Mora」など、インターネット上の楽曲データ配信サービスにも利用されている。しかし、通常はPSPとパソコンを直結して転送することができないという制限があり、ATRAC3形式の転送に対応したパソコンか、あるいはメモリーカードリータライターなどで直接メモリースティックに書き込むという、少々手間のかかる方法をとる必要があるのだ。 ところがBeatJam 2005をインストールしたパソコンならPSPを直結することができるのだ。つまり、あらかじめCDなどからMP3形式でリッピングしたデータだけでなく、インターネット上の音楽配信サービスから楽曲データを取り込み、そのままPSP内のメモリースティックに転送、再生することができるのである。 メジャーソフトの最新バージョンだけあって、操作はオーソドックスにまとめられている。メインとなるのはウィンドウ上部のパネル。左側の大きなボタンで、CDからの曲データ取り込みやパソコン内のデータライブラリ管理、また楽曲データ転送といった機能を切り替える。各種設定などは右側に並んだボタンだ。 中ほどにある「Music Store」はインターネット上の音楽配信サービスをワンタッチで呼び出すためのもの。これをクリックすると、ミュージックストアブラウザと呼ばれる専用のウィンドウが現われ、24時間いつでも、気に入った曲のデータを試聴したり購入したりすることができる。
実を言うと、筆者はBeatJam 2005を使い始めた直後、あるトラブルに見舞われた。PSPにセットしたメモリースティックがまったく認識されなかったのだ。パソコンのストレージとしては問題なく読み書きできるのに、BeatJam 2005からアクセスしようとするとエラーメッセージが出てしまうのである。 この件で3日ほど悩んだのだが（苦笑）、原因は脱力もののケアレスミスだった。PSPで使用する場合、BeatJam 2005はメモリースティックDuoのみの対応となっている。そう、筆者が使っていたメモリースティックはPRO Duoだったのである。 PSPでゲームデータ保存用として使うだけならDuoとPRO Duoの違いを意識する必要はないだろう。しかし、PRO Duoを楽曲データ転送などに利用すると、一部機能が制限される場合があるらしい。筆者のように時間を無駄にしないためにも、事前のチェックを忘れないようにしていただきたい。
■ PSPが主なターゲットのデジオン「MusicWalkin'」
前記のBeatJam 2005とは異なり、PSPへの転送はMP3形式のみ。ATRAC3形式の楽曲データを扱うことはできない。しかし、携帯型ゲーム機用に開発されたというだけあって、PSPを利用するときに役立つユニークな機能が用意されているのが大きな特徴だ。 たとえばリザーブ。これは楽曲データを転送するとき、メモリースティックの容量を使い切らずに指定した分だけ空けておく機能である。言うまでもなく、ゲームの途中経過データなどをセーブする空きスペースを確保しておくためのものだ。 リミッターは楽曲データのビットレートを制限し、メモリースティックの空き容量が少なくても数多くの曲を転送できるようにする機能。PSPに限らず、ポータブルオーディオ機器でむやみにビットレートを上げてもストレージの容量を食いつぶすばかりで大きなメリットはない。普通のメモリカードプレーヤーでも容量と音質のバランスを取りたいときに使えそうな機能である。ほかにも、ゲームデータのセーブ状況によって変わる空き容量をムダなく埋めるよう、自動的に曲を選んで転送してくれるというオートフィルといった機能が搭載されている。 MusicWalkin'は操作性にも特徴がある。ウィンドウ左側にある正三角形に配置された3つの円だ。それぞれが携帯プレーヤー内のデータ管理、CD再生、パソコン内の楽曲データライブラリに対応しており、クリックするとモードが切り替わる。円同士をつなぐ3本の辺はデータ転送のルートを表わしていて、辺上の小円をクリックすれば、CDからライブラリへの取り込み、CDから携帯プレーヤーへのダイレクト転送、ライブラリから携帯プレーヤーへの転送と、3種類の作業が選べるのである。操作とデータの流れがビジュアルに一体となった、非常にわかりやすいデザインだ。 携帯型ゲーム機用とはいえ基本機能はしっかりとしている。比較的シンプルな構成でキビキビと動いてくれるのもありがたい。携帯プレーヤーへの楽曲データ転送だけでなく、CDからのリッピング用としても気軽に使いこなしたいミュージックソフトといえそうだ。
■ ＵＲＬ BeatJam 2005 製品情報 http://www.justsystem.co.jp/beatjam/ ジャストシステム http://www.justsystem.co.jp/ MusicWalkin’ 製品情報 http://www.digion.com/pc/pro/mw/ デジオン http://www.digion.com/ （斉藤成樹） 2005/07/06 10:58 |
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