ネットで商品を探すとき、通常のショップ通販ではなく、あえてオークションを利用することがある。ネットオークションを利用する最大の目的、それは「1円でも安く商品をゲットしたい!」という非常に単純明快なものだ。
商品探しの過程で、まだ誰も入札していないお値打ち価格の商品をみつけたとき、「忘れたら心配」「用事ができて、入札に間に合わなかったらどうしよう?」「忘れるよりは良いだろう」「とりあえず入札しておけば、ライバルがあらわれなければそれでOKだよね」と入札してしまってはいまいか? 実はこれが悲劇の始まりなのだ!
安心感を得たいがために入札したその商品は、入札がきっかけで目立ってしまい、多くの参加者の注意を引くこととなる。その結果、終了までまだかなり時間があるというのに、早いうちから争って価格を高騰させているのである。
ではどうしたら良いか。それは終了ギリギリに入札できれば良いのである。ただし、前述の通り予定が合わない心配もあるわけで、そんなときに便利なのが今回ご紹介するトリスターの「INTERNET POWER AUCTION」だ。
「INTERNET POWER AUCTION」は、入札予約設定をしておくと、本人に代わってYahoo!オークション(以下ヤフオク)に直前入札してくれるという、ヤフオク専用の非常にありがたいソフトだ。具体的にどのような機能があるのか見ていくとしよう。
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INTERNET POWER AUCTIONの起動画面。非常にシンプルでわかりやすい。対応OSはWindows XP/Me/2000/98SE
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今回はダウンロード版を使ったが、パッケージ版もある。価格はパッケージ版が5,229円、ダウンロード版が3,654円
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■ タブで切り替えられる「オークションエクスプローラ」
INTERNET POWER AUCTIONのメイン画面のメニューから、[ファイル]→[検索]を開くと、「オークションエクスプローラ」と呼ばれる独自のブラウザが起動する。フォームにキーワードを入れると、ヤフオクの検索結果がそのままタブ内に表示され、見たい商品をクリックすると新しいタブで閲覧できる優れものだ。
通常のブラウザのように[戻る]ボタンはないが、不要なタブは[閉じる]ボタンで閉じ、検索結果タブに切り替えれば良い。サブブラウザ的に使えるのが「オークションエクスプローラ」なのである。
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メイン画面のメニューから[ファイル]→[検索]を選択し、「オークションエクスプローラ」を開く
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「オークションエクスプローラ」で検索した例。結果は「オークションエクスプローラ」内に表示され、個々の商品の詳細画面もすべて「タブ」で切り替えられるようになる
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■ ブラウザのリロードいらずな「ウォッチリスト」
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INTERNET POWER AUCTIONのウォッチリスト例。すでにヤフオクでウォッチリストを活用している場合は、[サーバーから取り込む]をクリックするだけで登録されていた商品リストが読み込まれる。重点的にチェックしたい商品以外はリストから削除することができるので(ヤフオク側には影響しない)、ある程度絞り込んで使うと良いだろう
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「ウォッチリスト」は、気になる商品を登録しておくブックマークのようなもの。INTERNET POWER AUCTIONのウォッチリストはテキストのみと、一見簡素だが画像ファイルを読み込まない分、表示スピードが向上するというわけ。ブラウザでヤフオクのウォッチリストを見る際、最新価格にするにはリロードが必要だが、本ソフトのウォッチリストは自動的にリロードしてくれるので(約5秒単位)、最新価格の確認もしやすい。任意に更新したい場合は[最新の情報に更新]をクリックすれば良い。
[サーバーから取り込む]ボタンをクリックすると、ヤフオクのウォッチリストの情報をごっそり取り込むことができる。そのほかに、Internet Explorer(IE)ならアドレスバーのアイコンをINTERNET POWER AUCTIONのメイン画面にドラッグ&ドロップしたり、[追加]ボタンから商品詳細画面のURLを登録、もしくは「オークションエクスプローラ」の[ウォッチリストに追加]ボタンをクリックするといった4つの登録方法がある。
このとき気をつけたいのは、INTERNET POWER AUCTIONのウォッチリストとヤフオクのウォッチリストはリアルタイムに連携しているわけではないという点。「サーバーから取り込む」機能によりデータは、ヤフオク→INTERNET POWER AUCTIONと取り込めるが、ヤフオク側で追加された商品がリアルタイムで反映されるわけではない。また、INTERNET POWER AUCTION→ヤフオクのようなデータの反映もできない。INTERNET POWER AUCTIONのウォッチリストは、あくまでも独立したものと考えておこう。
商品を画像で確認できるヤフオクをブックマーク代わりに、更新がすばやいINTERNET POWER AUCTIONのウォッチリストは、確実に入札を狙う商品に限定するといった使い分けをしても良いかもしれない。
■ 便利な「入札予約」で華麗に直前入札をキメる!
INTERNET POWER AUCTIONの最大の特徴は、なんといってもこの「入札予約」だ。入札終了時間の5分前、2分前、1分前の入札予約ができるほか、秒単位での直前設定も可能で、終了時間の表示を気にして何度もリロードすることなく、自動的かつスピーディに入札してくれるのだ。1度設定したデータも、気が変わったら予約リストから削除するだけで解除できるので、もっと条件の良い商品が登場したら乗り換えるのは簡単だ。
INTERNET POWER AUCTIONのウォッチリストから、入札したい商品を選択し、[入札予約]ボタンをクリックすれば「入札予約」設定画面を開くことができるので、必要事項を入力すれば予約完了。あらかじめウォッチリストに登録していなかった商品の場合は[ヤフオク入札]画面を開き、IEなどのブラウザのアイコンバーから入札したい商品詳細ページのアイコンをドラッグ&ドロップする、または[追加]ボタンをクリックしても良い。
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「ウォッチリスト」の中から入札したい商品を選択し、[入札予約]をクリック
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入札予約画面は「全般」と「商品説明」の2画面構成
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ただし、INTERNET POWER AUCTIONが起動していないと入札できない。当然パソコンの電源を落としてしまっていては意味がない。パソコン起動頻度が少ない人は特に注意が必要だ。最も効果的なのは、狙った商品が終了する1時間ほど前に予約設定しておき、終了直前に入札させるというやり方だろう。
筆者の経験から言えば、終了の15分ほど前から興奮度もピーク達するため、何度もブラウザのリロードボタンをクリックしてしまい、ライバルがあらわれてはさらに興奮し、そのせいでつい早まった入札をして価格を上げてしまうことがある。これでは自動延長のない商品の場合、終了ぎりぎりの入札タイミングを他者に譲ってしまう格好にもなり、不利なのだ。しかし、INTERNET POWER AUCTIONを使って終了直前の入札を任せておけば、価格変動は頻繁に更新される「ウォッチリスト」で見ることができるのでリロードの手間が省ける上、入札はINTERNET POWER AUCTIONがしてくれるのでタイミングも逃すことはない。
とはいっても、自動延長のある商品の場合、延長後にライバルが出現することは十分ありうるわけで、設定予算枠を超えてからの勝負は自分次第である。引き続き、INTERNET POWER AUCTIONのウォッチリストをモニターしながら出方を考えよう。
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予約内容は「ヤフオク入札」画面で確認できる。このときやはりどうしても待てないのですぐ入札してしまえ! と思ったら、[今すぐ入札]をクリックすれば良い
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落札が成功した例。このときは当日の終了時刻を忘れそうだったので、INTERNET POWER AUCTIONに入札をお願いしておいた。すると、案の定すっかり予定時刻を忘れていたのだが、それに気がついたのは落札通知を受信してからであった。幸いライバルはあらわれなかった模様
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■ 出品に便利な機能も!
INTERNET POWER AUCTIONの使い道は入札だけではない。ブラウザで出品したいカテゴリさえ表示させておけば、あらかじめ作成した商品情報を全自動で出品できてしまう機能がついているのだ。もちろん出品時に内容を確認したい人には、データをブラウザに反映してから、出品内容確認画で見せてくれるから安心だ。
作成した商品情報をテキスト情報として書き出しておくことで、必要に応じて再利用することもできる。出品中の商品や、終了した商品についても確認できるので、出品管理ツールとしても使える。ヤフオクの「マイ・オークション」には、過去に出品した商品を再出品できる機能があるが、どちらを使うかは好みかもしれない。
ちなみに、「全般」の設定はヤフオクすべての項目をカバーしているわけではない。オークション期間や出品地域の設定、細かい有料オプションなど設定はないので、いったんブラウザに反映させてから適宜調整を行なうと良いだろう。
あえて要望をあげるとすれば、現在完全にフリースタイルとなっているINTERNET POWER AUCTIONの商品説明入力画面に、よく使われる定型的な項目を選択・入力できる簡易エディタがあるとうれしい。別途HTMLエディタや商品説明生成ツールを使っている人ならより便利に使えるのではないだろうか。
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[ヤフオク出品]をクリックしたら、虫眼鏡アイコンを対象となるブラウザにドラッグ&ドロップしてから作業開始。この操作でINTERNET POWER AUCTIONに「このブラウザを使いますよ」と通知するのである。見た目上なにも変化はない。もし[ヤフオク出品]ボタンが表示されていない場合は、[ファイル]→[設定]→[見た目]タブで[ヤフー出品]をチェックしておこう
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必要事項を設定し、[ブラウザでプレビュー]を行なうと、商品説明の内容が確認できる。HTMLが使えるので、あらかじめ作成しておいたデザインのHTMLソースをペーストすると良いだろう。タイトルの文字数を()内でカウントしてくれるあたりも心憎い配慮だ
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出品画面にデータがセットされた例。出品したいカテゴリで入力フォームを表示させ、INTERNET POWER AUCTIONの[ブラウザに入力]ボタンを押すと、作成した内容がこのように自動的にブラウザに反映される(出品期間やオプション設定など設定項目のない部分については自分で)。しかし、[自動出品機能を有効にする]がチェックされていると、このようなプレビュー画面もすべて省略され、簡単に出品することができる。すでに出品実績のある商品の再出品をスピードアップするのに役立つ。なお、自動出品機能が有効でない場合、画像のアップロードは手動となる
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ここまでご紹介した機能のほかにも、複数のYahoo! JAPAN IDを切り替えられる「アカウント切替」機能もあり、用途に応じてIDを使い分けられるなど、ヤフオクの入札から出品までをカバーしてくれる便利ツール「INTERNET POWER AUCTION」。オークション好きな方は、強力なサポーターとして活用してみてはいかがだろうか。入札を忘れてがっかり、予算オーバーしてがっくりといった失敗を軽減できるかもしれないぞ。
*:ヤフオクを利用(入札・出品)する場合は、Yahoo! JAPAN IDの登録やYahoo!プレミアム会員への登録といった手続きが必要となります。
■ URL
製品情報
http://www.tri-star.co.jp/products/utility/power-auction/
トリスター
http://www.tri-star.co.jp/
(すずまり)
2005/09/14 09:34
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