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マウスとメモリカードリーダーライターを一体化! ソニー「SMU-RW610」


SMU-RW610は、パールホワイトとメタリックブラックの2種をラインナップ。どちらも柔らかい上品な光沢のある色だ。実売価格は5,000円前後だ
 以前、知人に送ったメールで「マスストレージ」を「マウスストレージ」と打ち間違え、失笑を買ったことがある。今回紹介する製品は、そんな筆者のタイプミスが現実になってしまったようなアイテム、データストレージ機能を持ったソニーの光学マウス「SMU-RW610」だ。

 見た目は普通のマウスだが、本体の手首側にあるカバーがパカっと口を開け、内部のメモリカードスロットが姿を現す。光学マウスとメモリカードリーダーライターを一体化させた製品なのだ。どちらかといえばサードパーティーの周辺機器専業メーカーが作りそうなアイテムだが、れっきとしたソニーブランドの製品。もちろん、メモリースティックに対応している。

 色はパールホワイトとメタリックブラックの2種がラインナップされている。どちらも薄くラメを引いたような上面とマットな下面を組み合わせた繊細なツートーンカラーだ。滑らかで光沢のある素材だが、指紋などの汚れは目立ちにくいようである。

 全体は柔らかい山形の曲線で構成されてはいるが、見る角度によってはサイド部分のエッジが強調され、シャープな印象を受ける。今の主流となっている生物学的な非対称のデザインとはひと味違う、幾何学的なフォルムが特徴だ。上下左右ともほぼ対称形なので、手の大きな人でも小さな人でも自然にフィットする上、右手でも左手でも同じように扱うことができる。


幾何学的な曲線とシームレスタイプのボタンがスマートな印象。中央付近に2つのインジケータランプが配置されている 手首側のカバー部分には丸窓が設けられていて、内部のスロットにセットしたメモリカードを確認することができる

 他の多機能マウスに見られるようなサイドボタンやホイールのチルト機構は用意されておらず、2ボタン+ホイールというベーシックな構成だ。左右のボタンは非常に軽快な操作感。シームレスタイプなのでホコリなどが入りにくく、見た目にもスッキリとしている。左右ボタンとは対照的に少々固めで手応えがあるホイールは、周辺に500円硬貨大の浅いくぼみがある。これは外観上のアクセントになっているだけでなく、ホイールの露出を大きくして操作性を向上させるために設けられているようだ。シンプルなデザインながら、細部にこだわった完成度の高い製品に思える。

 上面ほぼ中央に2つのインジケータランプが配置されている。これはメモリカードスロットの動作状態を知らせるためのものだ。カードを差し込むとオレンジ色に点灯、データ転送中は点滅する。インジケータより手首側、全長の3分の1ほどがメモリカードスロット部のカバーだ。ここにはホイール部分のくぼみと対をなすように丸い小窓が取り付けられており、内部のスロットに差し込んだメモリカードを確認することができるようになっている。

 カバーを引き上げると、まるでカエルが大きく口を開けたような、ちょっとユーモラスな外観になる。ボディ内部に配置されたメモリカードスロットは上下2段。上段のスロットはSDカードとminiSDカード用、下段のスロットはDuo、PROを含むメモリースティック用だ。普通のメモリカードリーダーライターと同じく、パソコンからはそれぞれのスロットが独立したリムーバブルドライブとして認識されるため、同時に2枚のカードを扱うことが可能。さらにminiSDカードやメモリースティック Duoもアダプタを装着することなく差し込めるので使い勝手は非常に良い。


2本のステイに支えられたカバーは垂直に近い角度まで引き上げられる。本体の3分の1ほどが空洞だが重心の偏りは気にならない 本体内部のメモリカードスロットは上下2段の構成。上段がSDカード用、下段がメモリースティック用だ

 パソコンとの接続には高速なUSB 2.0を採用しているので、ハイスピードタイプのカードの性能をフルに発揮させることができる。もちろん、マウスを操作しながらメモリカードを読み書きしてもポインタ移動の遅れや跳びはないし、データ転送の速度が低下するようなことはなかった。

 重量は約113g。ボディ内の一部が空洞となっているにもかかわらず、重心の偏りは感じられない。カードスロットカバーに多少のガタつきはあるが、手首近くの力のかからない位置なので違和感はなかった。普段はメモリカードスロットの存在を意識することはなく、普通のマウスとまったく同じように扱えるはずである。

 SMU-RW610は、専用のソフトウェアを必要としないのが特徴の1つとなっている。Windows XP/Me/2000を搭載したパソコン、またはMac OS X以降のMacintoshならば、ドライバなどをインストールしなくてもケーブルをUSBポートに差し込むだけで動作するのである。これは単に手軽というだけでなく、さまざまなパソコンにメモリカードリーダーライターとして接続する場合の使い勝手を大きく向上させている。専用ドライバが必要なサイドボタンやホイールのチルト機構を採用せず、あえてベーシックな2ボタン+ホイールのマウスとしたのも、このあたりを考えてのことではないだろうか。


SDカード系とメモリースティック系の計6種類に対応。スロットにプッシュロック機構などはなく、単純に抜き差しする方式だ miniSDとメモリースティック Duoを直接差し込む。端子部が固定されるだけで少々不安定だが、カバーを下ろしてしまえば問題はない

 試用期間中、筆者はノートパソコンと一緒にSMU-RW610を持ち歩いてみた。実際に使ってみるとマウスとメモリカードリーダーライターの組み合わせが意外に効率的なのがわかる。デジタルカメラやその他の機器からデータを取り込みたい場合に重宝するし、その必要がなくてもポインティングデバイスとして大いに役立ってくれるのだ。オフィスや自宅では、デスクの上に散乱した周辺機器や這い回るジャマなケーブルを減らせるというメリットがある。

 この手の複合製品は、ともすれば遊び心優先で各々の機能が中途半端で終わっていることが少なくない。しかし、SMU-RW610は基本性能がしっかりした製品を効率よく1つにまとめているといった印象だ。実用性の高いマジメなアイテムとして評価したい一品である。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.ecat.sony.co.jp/computer/mouse/products/index.cfm?PD=22158&KM=SMU-RW610
  ソニー
  http://www.sony.jp/


(斉藤成樹)
2005/10/12 11:03
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