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自宅でカラオケを2万曲以上楽しめる! カシオ「カラオケスタジアム」


カシオの「カラオケスタジアム KS-1BB」。直販サイトの販売価格は14,800円。パッケージには、コントローラマイクとインターフェイスボックス、ACアダプタ、AVケーブル、薄型LANケーブルが同梱する
 今回紹介するアイテムは、カシオ計算機がリリースしたホームカラオケ「カラオケスタジアム KS-1BB」。家庭にあるテレビに接続して、気軽にカラオケを楽しめるシステムだ。楽曲データはインターネットを通じて専用の配信サーバーから取得する。ブロードバンド接続環境が整っていれば、月額525円で総計2万曲以上のラインナップが歌い放題という、みんなで集まる機会の多いシーズンにはうってつけの製品である。

 KS-1BBは、コントローラマイクとインターフェイスボックスの2ユニットで構成されている。マイクは側面にテンキーなどを含むコントロールパッドが配されたタイプで、ホームカラオケシステムではよく目にするデザインといっていいだろう。カラオケボックスにあるような一般的なタイプと比べると相当に大柄だが、すべての操作が手元で行なえる上、場所を取らないというメリットがある。それにバランスが良いせいか見た目ほどの重量は感じなかった。

 一方のインターフェイスボックスは、安定性の良い薄型幅広の形状。不用意にマイクケーブルを引っ張ってしまっても、テーブルやラックから転げ落ちる心配はなさそうである。こちらにはコントローラマイク接続端子と映像・オーディオ出力端子、インターネット接続用のLANポート、さらに別売オプションのデュエット用マイク「DM-3(標準価格4200円)」を接続するサブマイク端子を備えている。

 KS-1BBでカラオケを楽しむには、パッケージに含まれたユニットのほかに必要なものがある。まず、音声の出力と操作ガイダンスや歌詞を表示するテレビ。ビデオが接続できる一般的なものならなんでも構わないが、やはり大出力のスピーカーを搭載し、フロントパネルに外部入力端子のあるタイプがお勧めだ。

 次に常時接続のブロードバンド環境。こちらも光ファイバ、ADSL、ケーブルテレビなどなど、種類は問わない。要はストレスなく楽曲データを受け取れれば良いので、速度はそれほど重要ではないようである。ただ、ルータが必要だという点には注意していただきたい。すでに家庭内LANを組んであるような環境なら、LANケーブルをハブの空きポートへ差し込むだけだが、ブリッジ接続などを利用している場合はONU(回線終端装置)やモデムの内蔵ルータ機能を使用するよう設定を変更するか、あるいは別にルータを用意しなければならない。


コントロールパッドは、携帯電話を思わせるボタン配置で、操作性も似通っている。横にあるグレーのツマミはスライド式のオンオフスイッチ インターフェイスボックス前面には、プッシュ式の電源スイッチとコントローラマイク接続用端子がある。左はサブマイク接続用端子だ

後面には電源端子、LANポート、AV出力端子が並ぶ。AVケーブルはポータブルAV機器で多用される4極ミニ+ピンプラグ×3と呼ばれるタイプ ネットワーク接続関係の設定画面。特殊な環境でもない限り、初期設定を変更する必要はないだろう

「カシオミュージックサイトforBB」のトップ画面。ちなみに「メロディーマスター」はキーボード付きのLK-301BB専用サービスだ
 楽曲データは「カシオミュージックサイトforBB」というカシオが運営するサービスサイトからストリーミング再生する。とはいっても、最初に名前やクレジットカード番号などの登録を済ませてしまえば、その後の処理は自動。ユーザーがいちいち接続を意識する必要はなく、まるでKS-1BBの中に楽曲データライブラリがあるかのように扱える。

 「カシオミュージックサイトforBB」のトップページは、親しみやすいイラストを多用したメニュー画面だ。この中から「カラオケスタジアム」を選択するとカラオケ用楽曲データの選択画面が現れる。「カラオケスタジアム」には新着、曲名、歌手名、ジャンルといった選曲メニューが用意されているほか、曲名や歌手名の一部を入力して該当する曲をリストアップさせる機能や、お気に入りの曲リストをサーバー側に保存しておくといった機能を利用できる。あらかじめパソコンに曲リストデータを保存しておけば、パソコン上で検索した番号を入力し、ダイレクトに曲を呼び出すことも可能だ。

 ちょっと残念だったのはサーバー画面上のポインタ移動や文字入力のレスポンスが良くなかった点だ。もっとも、これは筆者のインターネット接続環境に問題があったという可能性も考えられるし、1人で試用していたせいもあるだろう。みんなでワイワイガヤガヤ盛り上がりながらの選曲なら気にならなかったかもしれない。


2万曲以上を収録した「カラオケスタジアム」のメイン画面。新曲、歌手名、曲名、ジャンルから歌いたい曲を探し出せる 歌手名順歌本。文字を1つ入力するたびに検索対象が絞り込まれていく、いわゆるインクリメンタルサーチ風の動作。曲名順歌本も同様だ ジャンル別歌本には童謡、アニメ、TVドラマ、メドレー、外国曲、クリスマスといった項目がある

一般のカラオケシステム同様、曲がはじまるとテレビ画面にタイトルが表示され、その後は曲の進行に合わせて歌詞が表示されていく
 演奏がはじまると、カラオケ店のシステムと同じく、画面には曲の進行に応じた歌詞が映し出される。背景のネイチャー系写真画像は何種類か用意されていて、ある程度の時間が経過すると描き変えられる仕掛けだ。キーやテンポは歌いながら調整可能。エコー、ボイスチェンジャー、ハモりといったサウンドエフェクトは豊富に取り揃えられているし、パッドにタッチすると拍手や歓声などの効果音を再生する、いわゆる賑やかし系の機能もしっかり備えている。

 数多くの機能をマイク側面の小さなコントロールパッドだけで操作するのは煩雑と思われるかもしれないが、テレビ画面に映し出されるガイダンスがあれば不自由はしない。リング状の4方向ボタンでポインタを動かし、その中心にある決定ボタンを押すという動作が基本なので、感覚的にわかりやすいのだ。難点はマイクを握っていないと操作できないことだが、他の人にジャマされず、自分の歌に没頭したいというコアなカラオケファンにとっては逆に長所といっても良いのではないだろうか(笑)。

 KS-1BBは、楽曲データ再生にカシオ独自の「HL音源」を採用している。ザラつき感がなく、耳に心地よいクリアなサウンドだ。実をいえば家庭用のカラオケシステムということで、あまり音質には期待していなかったのだが、ピアノやストリングス、ドラムやパーカッションといった音色のクォリティは驚くほど高い。スピーカーシステムが整っていればカラオケボックス並みの迫力あるサウンドが楽しめそうである。

 考えてみればそれもそのはず。カシオといえばデジタルカメラや携帯電話、あるいはG-SHOCKに代表されるようなリストギア類など、コンパクトな電子製品を得意とするメーカーというイメージが強い。しかし、その一方で電子ピアノや家庭用キーボードを製造する楽器メーカーとしても広く知られているのだ。かつては本格的なシンセサイザーやサンプラーを作っていたくらいだから、音に対するこだわりは並みではないはずである。


画面写真を撮るためにスイッチを切ってマイクを置いたら「あきらめちゃダメ」と励まされてしまった(笑) 採点機能でハイスコアを目指し、1人盛り上がってしまった(笑)。採点の様子は製品ページで動画が公開されているので、そちらもご覧いただきたい カラオケ機能設定画面ではテンポのほか、ガイドメロディの音色や効果音の種類、採点機能のレベルなどが変更できる

 今回は試用期間の都合もあり、残念ながら人を集めてカラオケ大会を開くというわけにはいかなかった。しかし、かわりに1人で好き勝手な曲を歌いまくるという、今までになかった経験をさせてもらった。実は1人きりのカラオケには少々抵抗があったのだが、やってみると採点機能でハイスコアに挑戦したり、サウンドエフェクトを使い倒したり、あるいは人前では歌えないような趣味に突っ走った選曲をしてみたりと、意外にもどっぷりハマってしまったのだ(笑)。とはいえ、まだ1人でカラオケボックスに行くほどの勇気はない。忘年会も控えていることだし、練習用も兼ねてKS-1BBを1台入手してみようかと考えている今日この頃である。

 ちなみに今回紹介した「KS-1BB」以外にも、カラオケスタジアムシリーズとして650曲分のデータを内蔵し、別売のカードで楽曲を追加できる「KS-10」や、スピーカー内蔵の61鍵キーボードに通信カラオケ機能を組み込んだ「LK-301BB」も発表されている。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.casio.co.jp/emi/karaoke/ks_1bb/
  カシオ計算機
  http://www.casio.co.jp/

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(斉藤成樹)
2005/12/14 11:02
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