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古き良き時代の黒電話をかたどったスカイプ対応クラシックUSBフォン


「NET COWBOY DC-NCTEL1」。電話機以外の何者でもない、柔らかな曲線で構成されたシンプルなデザインが目を引く。Windows XP/2000に対応。4月上旬の発売で直販価格は5,480円だ
 DIGITAL COWBOYの「NET COWBOY DC-NCTEL1」を見ていると、なんとなく和やかな気分になってしまう。なにしろアンティークなダイヤル式黒電話なのだ。とはいっても中身は磁石とコイルが詰まった古き良き時代の電気製品ではない。パソコンに接続すればUSBオーディオデバイスとして機能する製品なのである。

 機能的にはスピーカーとマイクという基本を押さえた上で、スカイプとの連携が図られているのが大きな特徴だろう。パソコンに付属のユーティリティーソフトをインストールすれば、フックからハンドセットを取る動作でスカイプを自動起動させたり、あるいはダイヤル盤に見立てたテンキーパッドからコンタクトリストで割り当てた短縮ダイヤル番号を入力、発信するといった機能を利用することができる。

 外観は数十年前の電話機のイメージそのまま。筆者自身、ダイヤルの穴に指をかけて回した経験のある世代だが、それでも記憶にあるのはもっと平たい、これと比べれば近代的なデザインだ。20世紀前半のアールデコ調とでもいえば良いのだろうか、装飾的ではないが、やわらかい幾何学的曲線で構成されていて、ある種の風格を感じさせる。

 本体も受話器も艶消しの黒。ベークライトなど、当時使われていた素材ではないようだが、硬くてキメが細かい樹脂製で、古い電話機の雰囲気をリアルに再現している。ダイヤル式に馴染みのない世代の人たちにとっては、懐かしいというより、むしろこだわりを感じさせるデザインといえるだろう。

 スタンド部は伏せた漏斗形で、正面にダイヤル、上部には受話器を載せるフック。うしろからはパソコンへ接続するUSBケーブルが伸びているほか、受話器からのカールコードを接続するジャックが配置されている。

 ダイヤルはストッパーまで付いている凝りようだが、残念ながら回すことはできない。しかし、単なる飾りというわけではなく、指をかける穴の位置に「1」から「0」までの数字と、「*」、「#」、計12個のプッシュボタンが円を描くように配置されている。これらのボタンはテンキーとして、スカイプの短縮ダイヤルを呼び出すときに利用できるのだ。

 ダイヤルの中央には、DC-NCTEL1の図柄が浮かし彫りになった金属製の丸いエンブレムが取り付けられている。これも単なる飾りではなくプッシュボタンになっており、短縮ダイヤル機能と組み合わせてスカイプの発信に利用する。

 ダイヤルを回すという動作に慣れ親しんだ経験のある筆者個人としては、このダイヤル型テンキーパッドや中央のプッシュボタンで電話をかけるシステムには少々違和感があった。ただ、近頃の子どもたちにダイヤル式電話機を見せると、穴から覗く数字を押し込んでかけようとするという話も聞く。ダイヤル式を知らない世代のユーザーなら抵抗なく使いこなせるのではないだろうか。


受話器の上げ下げによるポップアップや、短縮番号などスカイプとの連携機能も用意する ストッパーまで付いたダイヤル盤。単なるダミーではなく、円を描くように配置されたボタンでスカイプの短縮ダイヤルを呼び出すことができる

ダイヤル盤中央にはDC-NCTEL1の外観が彫り込まれた金属製の丸いエンブレム。実はこれもボタンで、スカイプの発信に利用する スタンド上部のフック。底全体がボタンになっていて、受話器を取ったり置いたりする動作とスカイプの動作と連携させることができる

 スタンドの重量は500gほど。通話中に受話器を引っ張ってしまっても動いたりせず、踏ん張ってくれそうだ。底面には滑り止めに6個のゴム足が取り付けられているほか、全面がラシャのような柔らかい起毛布で覆われている。パソコン周辺機器と言うより、アンティーク家具のような高級感のある仕上げである。


スタンド部のうしろからはパソコンへ接続するUSBケーブルが伸びる。受話器の接続端子はモジュラージャックのように見えるが、少々幅が狭い スタンドの底面には滑り止めのゴム足が6個。全体がビリヤード台に張られているラシャのような起毛布に覆われている

スピーカーとマイクだけというシンプルな受話器。サイズに見合った適度な重量と断面が三角形のハンドルは意外に扱いやすい
 昔の電話は長時間使っていると肘から前腕あたりが痺れてくるほど重かった記憶があるが、DC-NCTEL1の受話器は見た目の印象よりも軽量だ。また、ハンドル部の断面は丸みを帯びた三角のオニギリ形で、曲げた指によくフィットする。パソコンに接続するスピーカー・マイクユニットの場合、普通の電話と比べて長時間使用する可能性が高いため、デザインに影響しない範囲でユーザーの負担を軽減するよう配慮されているのかもしれない。

 大きな受話器は自由な持ち方ができるし、適度な重量感がある。その気になれば首をかしげて肩との間に受話器を挟み込むなんてこともできる。人によっては現代の軽量コンパクトなハンドセットより使いやすいと感じるのではないだろうか。

 受話口には相当に大きなスピーカーユニットを採用しているようだ。スペック表に口径などの数値は記載されていなかったが、ホンモノの電話機をパソコン用にカスタマイズしたものだとのこと。

 小さなスピーカーで無理矢理大音量を出したときのような耳障りな音割れはなく、高音域から低音域までムリのない余裕のある音だ。これならFMラジオ並みといわれるスカイプの高音質をあますところなく再現できるだろう。また、呼び出し音用のスピーカーにもホンモノの電話機用スピーカーを採用しているようで、音質へのこだわりが感じられる。


送話口には古い電話機に見られる半カップ状のカバーが付いている。本来はマイクの感度を上げるためのものなのだろう デスク上での存在感と重量感はかなりのもの。しかし、奥行きは抑えられているので設置場所が限られることはないだろう

 はじめにDC-NCTEL1を見た時、そのデザインに惹かれると同時に「デスクの上に置いたらジャマだろうな」という印象を受けた。ところが普段使っている電話機の横に不思議なほどスッキリ収まってしまうのである。確かにスペース効率が良いとは言えないが、スタンド底面のサイズが抑えられているためか、置き場所の自由度は意外に高いようなのだ。

 ただ、個人的に困ったこともあった。通話中によそ見をしてカールコードを振り回すと、まわりに散乱した小間物を巻き込んで床にはたき落としてしまうのだ。飲み物が入ったカップを倒しそうになり、思わず声を上げてしまったこともある(笑)。携帯電話やコードレス電話に慣れきってしまったせいか、ある程度重さのあるコードを引きずって通話するという感覚を忘れていたようだ。設置場所は、このあたりの条件を考えた方が良さそうである。

 パソコンをはじめとしたデジタル系機器は、最新機能を搭載したモダンなデザインの機器に目が行きがちだ。確かにスカイプやメッセンジャー系ソフトなどを利用するのなら、イヤーレシーバーとマイクが一体化した軽量コンパクトなヘッドセットや、ハンズフリー機能を備えたマイク・スピーカーユニットの方が便利には違いない。しかし、一方でレトロなゆったりした会話を楽しみたいというニーズもあるだろう。DC-NCTEL1は、そんなユーザーに向けた、いわゆる“ゆる〜い”チャットライフを満喫するためのアイテムなのではないだろうか。


関連情報

URL
  製品情報
  http://www.digitalcowboy.jp/products/dcnctel1/index.html
  DIGITAL COWBOY
  http://www.digitalcowboy.jp/

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(斉藤成樹)
2006/03/29 10:57
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