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プレゼンソフトや音楽再生ソフトをコントロールできるレーザーポインタ


「PML-001」は、プレゼンタとレシーバの2ユニット構成。ガンメタリック系の落ち着いたカラーだ。OSはWindows XP/Me/2000に対応。直販サイトの価格は9,400円だ
 今回紹介するソーテックの「PML-001」は、パソコンのリモートコントロール機能を組み込んだレーザーポインタだ。光の点でプロジェクタが照らし出した映像の上を指し示すレーザーポインタは、パソコンを駆使したプレゼンテーションに不可欠となっているが、PML-001ではこれにマウスの代わりとなるポインティングデバイスを搭載。さらにプレゼンテーションソフトのワイヤレスコントロール機能や、iTunesやWindows Media Playerなどといった音楽再生ソフトのリモコンとしても利用できるという大きな特徴を持っている。単なる光の指し棒とは、次元の異なる複合プレゼンテーションツールなのだ。

 PML-001は、本体とパソコンのUSBポートに差し込むレシーバーの2ユニットで構成されている。プレゼンタと呼ばれる本体の重量は37.2g。これに電源の単4乾電池2本を加えると60gほどだろうか。手首や腕への負担がほとんどなく、しかもブレにくいというバランスの取れた重さになる。

 レシーバーは、非常に小さく、かつ薄い。重量も約2.6gと無視できるほどだが、使わないときはプレゼンタの裏側に収納できるので、なくしてしまう心配はなさそうだ。ただ、注意点がある。裏返した状態でもUSBポートに差し込めてしまう点だ。当然、裏では正常に動作しないので、プレゼンテーション会場などでは事前に確認するのを忘れないようにしたい。インジケータランプがある部分が浅くくぼんでいるため、指先の触感だけで表裏を区別できるはずである。


プレゼンタ上面にはジョイパッドと左右クリックに対応する2つのボタン、それにステータスを表示するインジケータランプが並ぶ レシーバユニットはメモリースティックと比べて、ひと回り小さい。裏返した状態でもUSBポートに差し込めてしまうので注意が必要だ

 プレゼンタのボディは手前から先端に向かって緩やかに広がるスティック状。手にとってまず目につくのは柔らかいラバーに覆われた丸くて大きなボタン。これはパソコンのディスプレイ上にあるマウスカーソルを動かすためのポインティングデバイスだ。見た目に反して、回したり押し込んだりするのではなく、ボタンの真ん中付近を親指の腹でグリグリと動かすように操作する。つまり、パッド式のジョイスティックなのだ。

 形状は小振りだが、以前のノートパソコンには同じようなタイプのポインティングデバイスをキーボード配列の中に埋め込んだ機種があった。ゲーム機のコントローラに似た操作感で、タッチパッドよりこちらのほうが扱いやすいという人も少なくなかったように記憶している。素早い動きは苦手だが、ゆっくりと正確に扱えば細かい操作に対応できるのが特徴だ。上面には、このポインティングデバイスのほか、マウスの左右クリックに対応するボタンが2つ。それにさらに動作状態を表示するインジケータランプが並んでいる。


プレゼンタ右側面。ジョグダイヤルと2つのボタンの間は十分な距離が取られているので指先を見ていなくても確実に操作できる
 プレゼンタ右横には中央のジョグダイヤルと、それを挟むように2つのボタン。手前がファンクション、前方はレーザー照射やAVソフトの起動を担当する。各ボタンはしっかりしたクリック感があり、適度な距離をとって配置されているので薄暗い場所でも迷うことなく手探りで扱えるだろう。

 PML-001では、レーザー照射、パソコン用ポインティングデバイス、プレゼンテーション補助、AV系ソフトコントロールなどが可能だが、操作性ではそれぞれの機能の独立性が高い。例えば、AV系ソフトをコントロールするモードに切り替えると、レーザー照射はできなくなるし、パソコン画面上のマウスカーソルを動かすこともできなくなる。いわゆるモーダルな操作性なのだ。一見、面倒なようにも思えるが、機能の切り替えはボタンの長押し、各モードでの操作はジョグダイヤルやジョイパッドを動かすという直感的な動作というように切り分けがハッキリしている。少々慣れさえすればスムースに使いこなすことができるはずだ。

 ほとんどの操作は片手の親指1本。ポインタモードへの切り替えは両手が必要だが、これは不用意なレーザー照射を防止するための安全対策だろう。ほかにはプレゼンテーションソフトのブラックアウトとホワイトアウト、またタスクメニューの呼び出しといった使用頻度の低い機能が両手操作に割り当てられている。なお、ボディ形状やボタン配置が右手での使用を前提にデザインされているように見えるが、実際には左手でも同様の操作が可能だった。


レシーバーユニットは非常にコンパクトだが、プレゼンタ裏面のくぼみに収納しておけるので、なくしてしまうようなことはないだろう iTunesやWindows Media Playerの操作にも対応する

レーザー照射口は先端部の奥まった場所にある。ボディの断面は丸みを帯びた6角形で、握り込みやすい
 PML-001のレーザーはかなり強力だ。赤色光の中でも短めの波長を採用して輝度を高めているようである。スペック上での到達距離は40mとなっているが、これはドットがにじまないポインタとして有効な距離という意味だろう。

 残念ながら試用期間中にマトモなプレゼンテーションを行なう機会はなかったのだが、代わりに知人宅のプロジェクターでイタズラしてみたところ、あまりの明るさに「スクリーンが焦げない?」なんて訊かれてしまったほどである(笑)。レーザー機器の安全指針クラス2に準拠しており、目を閉じるといった反射的な動作で有害な影響を避けられるレベルだが、やはり取り扱いには十分注意したい。


近くから白い紙を照らすと大きさも形も米粒にソックリな光点が現れる。夜間なら100m以上離れたビルに届くほどの明るさだ 約5m離れ、障子に向けて照射。スペック表によれば、この距離でのビーム径は約7mmとのこと

 電源は一般的な単4形乾電池2本。レーザーポインタとして45時間、パソコン用のポインティングデバイスやリモコンとしてなら90時間連続動作する。プレゼンタとレシーバをつないでいるのは2.4GHz帯の電波。大きな障害物がなければ30m程度まで届くようである。パソコンからは標準的なUSB HIDとして認識されるのでドライバーなどのインストールは不要だ。

 蛇足になるが、PML-001はとても丁寧に梱包されているのが印象に残った。頑丈な厚紙に金色の文字をあしらった、豪華な飾り皿でも入っていそうなギフトボックスに収められているのだ。内部も手が込んでいる。型抜きされた硬質な発砲素材のクッションに守られ、キャリングケース、本体、乾電池が並んでいるのである。多機能レーザーポインタとしては標準的な価格の製品だが、バルク品ばかりを見てきた筆者としては、なんだかとても高価な機器を目の当たりにしている気分になってしまった(笑)。


レシーバーユニットはプレゼンタ先端部に指をかけて引き起こせば簡単に取り外せる 電源は単4形乾電池2本。レーザーポインタは連続45時間、ポインティングデバイスやワイヤレスコントローラとしてなら連続90時間動作する

付属のキャリングケースは黒いビニールレザー製。ベルクロで固定するフタが付属する パソコン関連のアイテムでは珍しい豪華なギフトボックス入り。ビジネスマンへのプレゼントとしても喜ばれそうだ

関連情報

URL
  製品情報
  http://www.comfix.jp/products/pml/pml001/index.html
  ソーテック
  http://www.sotec.co.jp/


(斉藤成樹)
2006/09/20 10:59
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