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「iPod selection バックアップ PLUS」。標準価格は2,970円。対応OSはWindows XP/2000
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不幸は突然襲ってくる。パソコンユーザーにとって、突然のマシントラブルほど怖いものはない。最悪の場合、HDDのフォーマットを余儀なくされる。iTunesもまた然り。フォーマットによって、大切に育ててきたiTunes環境を再構築しなければならないのである。使い始めならダメージもまだ少ないが、膨大な数の音楽CDを取り込んでいたり、iTunes Storeから多くの楽曲を購入していたら、そのショックも大きいだろう。
そんな不慮の事故に備えて行ないたいのがデータのバックアップ。とはいっても、案外面倒くさがってやらない人も多いのではないだろうか。iPodでは、すでに容量が80GBモデルも登場している。ということは、iPodをバックアップする場合には最大で80GBのバックアップ容量を用意する必要があるわけだ。
そこでふと思うのだ。「iPodってiTunesと同期してるわけだから、iPodがiTunesのバックアップにならないの? リムーバブルディスクとして使えるんだし?」と。しかし残念ながら、ライブラリのデータが失なわれた状態のiTunesとiPodを同期させると、iTunes側の最新状態がiPodに反映されてしまう。つまり、iPod側のデータは消えてしまうのだ。かつて、説明書もよく読まなかったために、iPodの中身をまっさらにしたことがある身としては、その悲しさがよくわかる。
今回ご紹介するソースネクストの「iPod selection バックアップ PLUS」は、iTunesに降りかかるまさかの事態に備えたい、iPodから直接データをバックアップできたら、iPodに転送したデータでiTunesのライブラリを復活できたら……とお考えの方にお勧めしたいソフトウェアなのだ。
■ iTunes 7で利用できる2つのバックアップ機能
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最新のiTunes 7はインターフェイスも変わった。アートワークがスライドしていく「Cover Flow」は新鮮だ
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「iPod selection バックアップ PLUS」を詳しく紹介する前に、9月13日に公開された「iTunes 7」が備える2つのバックアップ機能を触れておきたい。1つはライブラリとプレイリストをまるごとCDやDVDに書き出せる機能だ。これは、[ファイル]→[ディスクへバックアップ]を選択すると、「iTunes ライブラリとプレイリストの全体のバックアップ」「iTunes Storeで購入したものだけをバックアップする」「前回のバックアップから追加または変更された項目のみバックアップ」という3通りのバックアップが行なえるというものだ。必要なのは、容量に応じたCD、またはDVDの枚数だ。復元するときはそれらメディアから行なう仕組みになる。
もう1つは、iPodを通じて最大5台までのコンピュータで、iTunes Storeで購入したデータを同期できる機能。iTunes Storeで購入し、iPodに転送したデータなら、同一アカウントを設定済みの他のiTunesにiPodから同期コピーが可能になったのだ。転送したデータを再生するには、[Store]→[コンピュータの認証]を選択し、Apple IDとパスワードを入力してコンピュータを認証すれば良い。
これまでもコンピュータを認証しておけば、ネットワーク越しやメディアを用いてデータをコピーしたり、ライブラリとして共有することで複数マシンでの利用は可能だった。しかし、iTunes 7ではiPodから直接転送できるようになったことで利便性が向上したことになる。実際、ライブラリがからっぽの状態のiTunesにiPodを接続したところ、iTunes Storeで購入済みのデータをしっかり同期してくれた。これでiTunes Storeで購入したデータが消失してしまう事態は防げる。
とは言え、前者のディスクバックアップの場合は一体何枚DVDやCD-Rが必要になるのか。バックアップが完了するまでどれくらい時間がかかるのか。ましてやCDの場合はバックアップ容量によっては途方に暮れてしまう。
従って、トラブルが起こる前に[iTunes Music]フォルダを別のHDDにコピーしてバックアップをとるのが常套手段だろう。プレイリストやライブラリの一覧はxml形式での書き出しができるから、こまめにコピーと書き出しを繰り返すのである。もちろん、別にドライブを用意して、の話。
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iTunes 7では、ライブラリをCDやDVDに書き出せるようになった
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iTunes Storeで購入したデータに関しては、iPodからiTunesへ、という新しいバックアップ方法が導入された。バックアップ先のiTunesでは、コンピュータを認証させることで最大5台まで共有が可能。いったん認証が完了すれば、「購入したもの」として保存できる
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■ iPod selection バックアップ PLUSの機能
ソースネクストの「iPod selection バックアップ PLUS」は、2つの機能で構成されているソフトウェアだ。1つは、iPodの中を直接開いて、ドラッグ&ドロップでHDDにファイルをコピーできる「iPod selection バックアップ」。もう1つは、iTunesライクなインターフェイスを持ち、楽曲単位でiTunesやHDDにデータをコピーしたり、Outlook 2003/2002のメールやタスク、スケジュール、メモ、Podcasting番組やRSSを取り込める「iPod selection バックアップ PLUS」だ。
「iPod selection バックアップ」は、iPod自体にもインストールできるため、接続するコンピュータが変わっても、iPod内の「iPod selection バックアップ」を起動すれば、データをバックアップができるようになっている。言うなれば、iPod&iTunesユーザーに襲いかかるデータ消滅という危機を救ってくれるお助けソフトなのである。
本ソフトは、第4世代以降のiPodとiPod nano/iPod Shuffle/iPod miniで利用可能で、対応OSはWindows XP SP2/2000 SP4以降。利用するには、事前にiPodをディスクとして利用できるようにする必要がある。なお、当然ながら、iPod Shuffleはテキストを表示する機能には対応していないので、ご注意いただきたい。
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同期を解除し、iPodをディスクとして使用できるように設定する。「iPod selection バックアップ PLUS」ではiTunesとの同時起動を推奨していないので、念のためiPod接続時の起動も解除しておくと良いだろう
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「iPod selection バックアップ」のメニュー画面
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「iPod selection バックアップ」の「iPodを開く」を使うと、iPodの中を直接閲覧できるようになる。この状態でHDDにドラッグ&ドロップすれば、ファイル単位でデータをバックアップできるのだ。ただし、iTunes Storeで購入したデータは取り出せない(表示されない)。なお、バックアップ機能はInternet Explorer(IE)のFTP機能によって実現されているため、利用するセキュリティソフトによって機能が遮断される恐れもあるので注意しよう。また、操作のタイミングによっては「FTPプロキシ警告」が表示されるが、いったんiPodの接続を解除するか、コンピュータを再起動することで改善されるようだ
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「iPod selection バックアップ」の「PCへコピー」を選択すると、出力先を選択するだけでiPodのデータをバックアップできる。ローカルディスクへ書き込む際には、バックアップ日時のついたフォルダが作成される。ここで書き出されるデータはライブラリ内の楽曲や音声、動画ファイル
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iTunesライクなインターフェイスを持つ「iPod selection バックアップ PLUS」。すでに発売されている「iPod selection バックアップ」に追加された機能で、別のソフトとして追加インストールする形となる。これがかなりの活躍を見せてくれるのである
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■ iPodのデータから、ダイレクトにiTunesを復活させてみる!
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「iPod selection バックアップ PLUS」を起動し、[iPodの情報]を開き、[iPodから音楽を転送]を選択。転送したいデータを選択し、[音楽の転送]をクリック
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[音楽の転送の設定]で、出力先フォルダを指定。[iTunesに音楽を転送]にチェック。フォルダやファイル名の書式を指定したい場合は[高度な設定]へ進む
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IEのFTP機能を使った「iPod selection バックアップ」では、iPodから直接データをバックアップできる。iTunesからバックアップ先のフォルダを指定して読み込めば、購入データ以外のライブラリを復活させることができるため、iTunes 7のバックアップ機能と組み合わせて使用すれば一安心、といったところだろう。
しかしどうせなら、ストレートにiTunesへ取り込めないかと思うだろう。そこで「iPod selection バックアップ PLUS」の登場だ。今回は、パソコンにインストールしたばかりで、ライブラリを構築していないiTunesに、iPodからデータを取り込んで、それ以前の環境を再構築させることを試してみた。
【前準備】
(1)iTunesをインストールし、[編集]→[設定]→[詳細]→[一般]から、[iTunes Music]フォルダの場所を確認(指定)しておく。
(2)「iPod selection バックアップ PLUS」をインストール
【音楽の転送】
(1)iPodをコンピュータに接続する。iTunesが起動してアラートが出てもあわてず、いったん[キャンセル]
(2)「iPod selection バックアップ PLUS」を起動
(3)[iPodの情報]を開き、[iPodから音楽を転送]を選択
(4)転送したいデータを選択。今回は[すべて選択]をクリックし、[音楽の転送]をクリック
(5)[音楽の転送の設定]で、出力先フォルダを指定。[iTunesに音楽を転送]にチェック
(6)[高度な設定]ボタンをクリックし、フォルダやファイル名の書式を指定し、[OK]をクリック
(7)画面左上にある[音楽の転送]をクリック
ここで一挙に転送が始まる。iTunesのライブラリを見ていると、リアルタイムに追加されていくのがわかる。なお、この間にiTunes上で[Store]→[コンピュータの認証]を開き、認証を完了しておくと良い。
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[高度な設定]ではフォルダとファイルの書式を指定できる。[OK]したら、改めて[転送]をクリック
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メイン画面に戻ったら、画面左上にある[音楽の転送]をクリックする。iTunesのライブラリが流れるように更新されていくのを眺めて楽しむもヨシ、しばしテーブルを離れて休憩するもヨシだ
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ライブラリがすべて転送されたiTunes 7の画面。なお、10件の楽曲とPodcastデータが、なんらかのエラーで取り込むことができなかったため、1731項目中、1721項目が転送できた格好になる。プレイリストに「iPod selection バックアップ PLUS」という名称のリストが完成しているが、これが転送されたデータの一覧である
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【プレイリストの転送】
ライブラリの転送が完了したら、次はプレイリストの転送だ。
(1)「iPod selection バックアップ PLUS」の画面で、[iPodの情報]→[プレイリストの転送]を選択
(2)表示されたiPod内のプレイリストを[すべて選択]
(3)画面左上にある[プレイリストの転送]をクリック
ライブラリの転送と同様に、iTunesの画面上でプレイリストが追加されていく様子が確認できる。転送が終了したら、購入したデータやリジナルのビデオもすべてiTunesに反映されていることを確認し、めでたくバックアップは完了である。
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コンピュータの認証はiTunes上で[Store]→[コンピュータの認証]で
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[プレイリストの転送]を選択したら、iPod内のプレイリストを[すべて選択]。あとは[プレイリストの転送]をクリックするだけ
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プレイリスト転送完了後のiTunes 7。これでライブラリとプレイリストのバックアップが完了した。マイレートや再生回数も引き継がれるようだ
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iPod用に用意したオリジナルの動画も取り込まれている。この動画の多くは前回取り上げたiLuv-i180WHTを用いて、直接iPodに録画したもの
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■ iPodとiTunesを愛用しているなら、保険になる心強いソフトウェア
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[パソコンの情報]を選択するとOutlookの情報が確認できる。仕事だけ、予定表だけといった設定も可能
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「iPod selection バックアップ PLUS」は、Outlookとも同期が可能。実はこれまで、拙宅のOutlookとiTunesではなぜか同期できなかったのだが、「iPod selection バックアップ PLUS」の[パソコンの情報]からスケジュール、住所録、仕事といった情報もiPodに取り込むことができた。また、RSSを登録することで、iPodでニュースを見るなんてこともできるようになる。加えて、プレイリストをHTMLやCSV、TXTの各形式で書き出すことも可能になっている。
このようにかなりの芸達者なソフトウェアで、iPodの可能性をグンと引き出してくれそうな「iPod selection バックアップ PLUS」。自宅とオフィスで同じ環境を構築しておきたいという方にも便利だろう。とにもかくにも、iPodから直接iTunesを再構築できるという点がイチバンありがたいのではないだろうか。今まさにトラブル真っ只中で困っているという方にはぜひお勧めしたい。
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予定表を取り込んだところ。同期予約もできるようだ
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[インターネットの情報]でRSSを登録しておくと、自動的にサイト上のニュースを取り込み、テキスト部分を保存してくれる
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■ URL
製品情報
http://www.sourcenext.com/titles/hob/73260/
ソースネクスト
http://www.sourcenext.com/
(すずまり)
2006/10/11 11:10
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