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ネットへの通信をまとめて遮断! エレコム「LANブロッカー」など3製品


 エレコムの「LANブロッカー」は、2本のLANケーブルを中継するように接続して、通信をまとめてオン・オフできる製品だ。LAN内にあるパソコンからのWAN接続を一挙にブロックすることも可能なため、ウイルスや情報漏えい対策にも有効とされる。今回は同時発売の「LANポートロック」「LANケーブルロック」と合わせて見ていこう。


情報流出を防止する3つのLANセキュリティ対策用品

 今回紹介する3製品は、いずれもネットワーク関連のセキュリティ対策用品だ。LAN内のパソコンからのWAN接続をまとめてブロックする「LANブロッカー」、LANポートを物理的にふさぐ「LANポートロック」、LANケーブルのコネクタをロックする「LANケーブルロック」がラインナップされている。


物理的なスイッチでインターネット接続をOFFにできる「LANブロッカー」

LANブロッカーの実売価格は1,580円。見た目はRJ-45延長アダプタと変わらない
 まず1点目は、「LANブロッカー(LD-DATABLOCK01)」だ。本製品は、RJ-45延長コネクタとほぼ同程度のコンパクトなサイズで、本体両端に装備されたLANポートの双方にLANケーブルを接続して使用する。使用方法は非常にシンプルで、上面のスライドスイッチを操作することで、通信を手動でオン・オフできる。オンにしている状態では、機能的にはRJ-45延長コネクタとなんら変わらないが、オフにすれば物理的にLAN接続がカットできるという寸法だ。

 例えば、LAN内でどのパソコンかは特定できないものの、ウイルスへの感染が原因で、WAN側と怪しげな通信を行なっているパソコンがある場合を考えよう。こうした場合、LAN内のパソコンを1台ずつチェックしていく前に、取り急ぎWANにつながるネットワークを遮断してしまうことが求められる。そんなときに、ルータからWANにつながる部分に本製品を設置していれば、スライドスイッチをオフにするだけでLAN内にあるパソコン全部のネットワーク接続をまとめて遮断できるというわけだ。

 いちいち本製品を用いてスイッチをオフにするくらいなら、ルータにつながっているLANケーブルを手で抜いたほうが早いようにも思える。確かに、ネットワーク内の配線を良くわかっている管理者であれば、本製品を使う必要はないだろう。しかし、そうした管理者が不在の際に「何かアクシデントがあればこのスイッチをオフにするように」と手順を指示している場合には、わかりやすさの点で、こうした物理的なスイッチは役立つと考えられる。

 本製品がフィットしそうなのは、ルータやハブが完全にラック内に収められていて、ケーブルを瞬時に抜くことが困難な環境。また、物理的に通信をシャットアウトしていることを利用者に悟られずにネットワークを切断したい場合なども、適したシチュエーションとして挙げられそうだ。


LANブロッカー本体。上面にスライドスイッチが備わっている ルータから先に設置しておけば、スライドスイッチをオフにすることで、LANに接続しているすべてのパソコンからのWAN接続を遮断できる

 もちろんオフィス用途以外にも、家庭内で子どもがインターネットに勝手に接続するのを防止する場合にも使えそうだ。ルータ側のスケジュールフィルタリングで設定するのではなく、手動かつ物理的に制限してしまうという方法である。子どもが1人でいる場合にはスイッチをオフにしておき、親が帰宅してからスイッチをオンにすることで子どもがインターネット接続を利用できる、といった使い方だ。

 実売価格が1,500円程度と、一般的なRJ-45延長コネクタとの価格差もあまりない。もし、ネットワーク構築時にRJ-45延長コネクタを導入する予定があるのなら、本製品を導入しておくのも良いだろう。ちなみにエレコムのWebサイトでは、パッケージに書かれている「LANブロッカー」という名称とは異なり、「通信遮断機能付きRJ-45中継コネクタ」と紹介されている。このことから、事実上は付加価値付きのRJ-45延長コネクタという位置づけのようだ。

 もし可能であれば、スイッチをオフにしている状態でWANに接続しようとすると「現在WAN接続は停止中です」といったHTMLがWebブラウザに表示される仕組みがあれば面白かったのだが、さすがにそうしたサーバー機能を内蔵させて実売1,500円に収めるのは困難だろう。


ハブやケーブルを使用不可にする「LANポートロック」「LANケーブルロック」

 残る2つの製品は、「LANポートロック(LD-LOCK/HUB03)」と「LANケーブルロック(LD-LOCK/CBL03)」である。使用方法は以前本連載で紹介したプリンストンテクノロジー製品と同等と言って良いだろう。前者はハブやルータの空きポートをふさぐための製品、後者はLANケーブルのコネクタを使えないよう覆ってしまう製品で、いずれも付属の鍵を用いてロックを解除する構造になっている。


LANポートロック。実売価格は1,980円 LANケーブルロック。実売価格は1980円。どちらも3個セットのパッケージだ

LANポートロック本体 ロックを解除する際は鍵を使用する。プリンストン製品に比べるとスリムな印象 ハブの空きポートに装着することで、悪意を持った第三者が勝手に社内ネットワークに接続することを防止できる

LANケーブルロック本体 ややずんぐりした形状。LANケーブルを接続するだけで、自動的にロックされる ロックを解除する場合は鍵を使用する

 機能はいずれもプリンストン製品と大差ないが、3個セットで実売1,980円と、1個で実売1,980円のプリンストン製品に比べるとかなりお買い得。ただし、鍵の構造は簡略化されており、同梱されている3個ともに同一の鍵を利用する仕組みになっている。そもそもがイタズラ防止であることを考えると、1つずつ鍵の形状を変えて管理を複雑にするよりは、管理効率とコストを優先したといったところだろう。

 ちなみにLANポートロックについては、プリンストン製品は鍵位置の関係上、ハブの上下ポートに干渉する可能性があった。一方、本製品は鍵穴が小さく、本体とほぼ一体化した形状になっているので、上下ポートに干渉する可能性はほとんどない。

 いずれにせよ、情報流出の被害が減る様子のない現状では、こうしたセキュリティ対策製品の需要は増えることはあっても減ることはないだろう。前述のように価格的にはリーズナブルなので、まとめて導入するには格好の製品群だと言えそうだ。


関連情報

URL
  LANブロッカー 製品情報
  http://www2.elecom.co.jp/cable/accessory/ld-datablock01/index.asp
  LANポートロック 製品情報
  http://www2.elecom.co.jp/cable/accessory/ld-lockhub03/index.asp
  LANケーブルロック 製品情報
  http://www2.elecom.co.jp/cable/accessory/ld-lockcbl03/index.asp
  エレコム
  http://www.elecom.co.jp/

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(kizuki)
2006/12/06 11:03
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