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LAN接続を簡単・確実に切り替えられる「伝説のLAN切替機 白と黒」
「伝説のLAN切替機」LS41BKの実売価格は2,680円前後。本体サイズは81×69×26mm(幅×奥行×高、重量は約80g。10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tに対応している
何気なくパソコンショップをうろついていると、どうしても必要というわけではないけれど、あったら便利だろうな、と思えるアクセサリーを見かけることがある。シグマA・P・O システム販売の「伝説のLAN切替機 白と黒 LSシリーズ」も、そんなカテゴリーに入る製品だ。
LSシリーズのボディ横には、LAN関係ではお馴染みのRJ-45ジャックが何個か並んでいるが、ハブのようにケーブルすべてを相互に接続するのではない。接続したLANケーブルの中から1本を選ぶのが役目なのだ。すなわち、ボディの上に並んでいるボタンをプッシュし、LANケーブルの接続先を切り替えるセレクターボックスなのである。
その機能から言って、LANケーブルの抜き差しや繋ぎ替えの手間を惜しまなければ、ネットワークシステムに必要不可欠、というわけではない。しかし、デスクの下やラックの裏に潜り込むことなく、面倒な切り替えをスマートかつ確実に行なう、言ってみれば省力化と効率化のためのアイテムなのだ。
LSシリーズにはホワイトとブラックの2色、それぞれ4ポートモデルと2ポートモデルの2タイプ、合計4製品がラインナップされている。その中から今回は、ブラックの4ポートモデルである「LS41BK」を試用した。
LSシリーズは白黒2色、4ポートモデルと2ポートモデルの4製品構成。ボディサイズは同じだが、2ポートモデルの重量は約70gとなっている
LAN関係ではお馴染みのRJ-45ジャックを5つ装備。右側面に切り替え元のケーブル、前面の4つに切り替え先ケーブルを接続する
LSシリーズのように比較的シンプルなネットワーク機器を使いこなすには、IPアドレスの設定や解放など、LANに関する基本的な知識が必要になる場合がある。しかし、シンプルな分、アイデア次第でさまざまな使い方に対応できるのが強みだ。まず、ハブのかわりに利用するという使い方が考えられるだろう。ネットワークとしての機能は活かせなくなるものの、各パソコンの独立性が高くなるので、プライバシー保護やセキュリティレベル向上という意味で有効だろう。
既存のハブにカスケードする場合も応用範囲が広そうだ。社内LANなど、比較的大きなネットワークの下でIPアドレスが制限されている場合、あるいは一部のインターネット接続サービスのように、接続可能なパソコン台数が設けられている場合など、本製品を使えば簡単に接続数を絞り込むことができる。
また、接続方向を逆にするという使い方もある。つまり、パソコンを選ぶのではなく、接続先のネットワークを選べるようにするのだ。あまり一般的ではないかもしれないが、クローズドなオフィスLANやプライベートなホームLANの接続と、オープンなインターネットへの接続をはっきりと区別して使い分けたい場合などに活用できるだろう。また、FTTHとADSLといったように、複数のインターネット接続環境を使い分けるヘビーユーザーなら、それぞれを切り替えるスイッチとして利用するのも良い。シンプルなだけに、さまざまな応用が考えられるのだ。
ちなみに筆者は、あれこれ試してみたあげく、ハブと家族が使っているパソコンとの間に本製品を挟み込むという使い方に落ち着いた。インターネット上で配信されている高品質なストリーミング映像を見るときやLAN内で大容量のデータを転送するときなど、ほかの接続を遮断して最大限の通信速度を保てるようにするためである。
家族に対しては少々イジワルだったかもしれないが、全面的にギガビット化していない筆者宅の環境では、とても効果的に働いてくれた。普段からパソコンやネットワークの管理を一手に引き受けているのだから、この程度のワガママは許されるても良いだろう。
図のようにLANに接続できる端末を選択する以外にも、接続するネットワークを選択する使い方も考えられる
本来のLANケーブル切り替えとは異なるが、本製品の意外な活用法も紹介しておこう。それは、ネットワークの強制切断スイッチとして使ってしまう方法だ。例えば、ハブとパソコンの間に本製品を設置し、4ポートのうち、どれか1つを空けておく。セレクタースイッチでその空きポートを選べば、別のポートに接続したパソコンは外部のネットワークから完全に切り離されるというわけである。
接続が切れるということは、LANケーブルを引き抜いたり、パソコンの電源を切るのと同様、インターネットや他のパソコンからアクセスする手段がなくなる。例え情報を盗み出すようなウィルスに感染していたとしても、データを送り出すルートが断たれているので動きようがない。ネットワークに関する限り、外部からの侵入や内部からの情報流出が物理的にありえない状態になるのである。
当然ながら、そのパソコンからネットワークを利用することもできなくなるので、諸刃の剣といえる手段ではある。しかし、ネットワーク接続が必要ない作業をしている場合や、一時的にパソコンの前から離れる場合など、こまめにこの操作を行なえば、セキュリティレベルは格段に上がるはずだ。あるいは、インターネット接続中に怪しげな挙動をするパソコンが確認できたら即座に強制切断できるよう、エマージェンシーオーバーライドスイッチとして手元に備えておいても良いのではないだろうか。
本製品は、シンプルというより飾り気のない小箱といった印象のデザイン。上面にはグレーのパネルが配置されいて、そこに4つのプッシュスイッチが並ぶ。1つを押せば、それまで押し込まれていたスイッチが自動的に解放される排他式だ。使いはじめた当初は引っかかるような手応えが気になったが、何度か操作するうち滑らかに切り替えられるようになった。普段は見えない裏面のタグシールを除けば、表面に描かれているのはプッシュスイッチに振られた数字だけである。
切り替え操作はワンタッチプッシュボタン式。空きポートを用意しておけば簡易ファイアウォールとしても利用できる
インジケータランプなどは用意されていないが、プッシュしたボタンが押し込まれた状態のまま固定されるので、選択したポートが一目で見分けられる
オドロオドロしい色づかいと物騒なセリフがユニークすぎる(笑)。どのあたりが伝説なのか良くわからないが、インパクトは強烈だ
右横にあるRJ-45ジャックが切り替え元、前面にも同じRJ45ジャックが切り替え先という配置。本製品の場合は、前面にRJ-45ジャックが4つ、右側面にも同じRJ-45ジャック。LEDインジケータなどはないが、押し込んだスイッチがそのままの状態で固定されるので、選択したポートは一目で見分けることができる。
現在広く使われている1000BASE-T、100BASE-TX、10BASE-Tのいずれにも対応。速度が保証されているわけではないが、ルータなどの複雑な動作をする機器とは異なり、ボトルネックになる可能性は低いだろう。なお、4ポートモデルのLS41と2ポートモデルのLS21は、RJ-45ジャックと上面パネルのプッシュスイッチの数が違っているだけで、基本スペックは共通しているようである。
以前に本連載で紹介した同社のハンディトラックボールは、懐かしSF冒険活劇風のイラストが描かれたパッケージだったが、LSシリーズには「切り替え人生、命を賭けて」や「明日の墓標を誰が知る」という、なんだか物騒なセリフが並んでいる。どうやら古い時代劇のオープニングナレーションを意識しているらしいのだが、突っ込みに窮するユニークさでは前回に引けはとっていないようである(笑)。
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URL
製品情報
http://www.sigma-apo.co.jp/front/products/detail/LS
シグマA・P・O システム販売
http://www.sigma-apo.co.jp/
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2007/02/21 10:57
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